3話 解放のカギは……?
目を覚ますと、窓の外は真っ暗だった。
「ピジン!」
バスがほっと息をつく。
「目を覚ましたか。よかった……!」
「バス……? ここは……」
ピジンはハッと息をのんだ。
「リルイア様はっ!!」
「それが、俺にもよく分からないんだ」
バスは困惑して部屋の隅を見る。つられてそちらに視線をやると、小さなテーブルの上には、鳥かごが置いてあった。
かごの中には、
「ハートフルレンジャー……! ハートフルレンジャー!!」
ハートフルレンジャーはぐったりとしていた。
ピジンは立ち上がり、鳥かごに駈け寄る。バスは「傷が開く」といって制止するが、彼は振りほどいた。
鳥かごからハートフルレンジャーをそっと出し、抱える。身体は傷だらけで、包帯がいたるところにまかれている。
まだ暖かいが、息はひどく弱い。
彼女のつぶらな瞳を見て、彼は、
……全てを、思い出す。
バスは静かに語る。
「お前を助けるためだ。この子は、お前のために傷薬を持ってきてくれたんだ。おかげで、お前は大量出血しないで済んだんだ。……ただ、この子は道中で傷ついてしまったみたいで」
「……」
「……なあ、ピジン。……信じられないかと思ったけど、聞いてくれ。リルイア様なんだが、」
「……この子、なんだよな」
なぜ、ハートフルレンジャーは突然消えてしまったか。
なぜ、リルイアはピジンと突然結婚をしようとしたか。
彼が抱いていたすべての疑問が解消され、
結末が、彼の腕の中にいる。
この子が、ピジンのそばにいてくれた。
この子が、ピジンを守ってくれた。
そのせいで、この子は、ハートフルレンジャーは、リルイア様は、命を落とそうとしているのだ。
「……」
ピジンは、ハトを抱きしめる。
「すみません、リルイア様。僕のために、こんな傷ついて……」
彼は呟く。
「昼間の告白の答え、言えていませんでしたね」
最初は、リルイアのことを嫌っていた。
なぜなら、彼女は動物を過度に痛めつけ、身分の低い者には酷く冷たい態度をとっていたからだ。
けれど。
今の気持ちは、違う。
「私も、好きです。リルイア様」
彼はハトのくちばしに、
そっと、口づけをした。
そのとき、だった。
鳩の身体がふわりと浮かび、白くひかり輝く。
バスは驚いているが、なぜか、ピジンは動揺していない。
まるで、はじめから分かっていたかのように。
むしろ、この展開を望んでいたかのように。




