表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪徳令嬢、ドバトになる  作者: カメメ
7章 あなたのことを、愛している
27/28

3話 解放のカギは……?

 目を覚ますと、窓の外は真っ暗だった。


「ピジン!」


 バスがほっと息をつく。


「目を覚ましたか。よかった……!」

「バス……? ここは……」


 ピジンはハッと息をのんだ。


「リルイア様はっ!!」

「それが、俺にもよく分からないんだ」


 バスは困惑して部屋の隅を見る。つられてそちらに視線をやると、小さなテーブルの上には、鳥かごが置いてあった。


 かごの中には、


「ハートフルレンジャー……! ハートフルレンジャー!!」


 ハートフルレンジャーはぐったりとしていた。


 ピジンは立ち上がり、鳥かごに駈け寄る。バスは「傷が開く」といって制止するが、彼は振りほどいた。


 鳥かごからハートフルレンジャーをそっと出し、抱える。身体は傷だらけで、包帯がいたるところにまかれている。


 まだ暖かいが、息はひどく弱い。


 彼女のつぶらな瞳を見て、彼は、


 ……全てを、思い出す。


 バスは静かに語る。


「お前を助けるためだ。この子は、お前のために傷薬を持ってきてくれたんだ。おかげで、お前は大量出血しないで済んだんだ。……ただ、この子は道中で傷ついてしまったみたいで」

「……」

「……なあ、ピジン。……信じられないかと思ったけど、聞いてくれ。リルイア様なんだが、」

「……この子、なんだよな」


 なぜ、ハートフルレンジャーは突然消えてしまったか。


 なぜ、リルイアはピジンと突然結婚をしようとしたか。


 彼が抱いていたすべての疑問が解消され、


 結末が、彼の腕の中にいる。


 この子が、ピジンのそばにいてくれた。


 この子が、ピジンを守ってくれた。


 そのせいで、この子は、ハートフルレンジャーは、リルイア様は、命を落とそうとしているのだ。


「……」


 ピジンは、ハトを抱きしめる。


「すみません、リルイア様。僕のために、こんな傷ついて……」


 彼は呟く。


「昼間の告白の答え、言えていませんでしたね」


 最初は、リルイアのことを嫌っていた。


 なぜなら、彼女は動物を過度に痛めつけ、身分の低い者には酷く冷たい態度をとっていたからだ。


 けれど。


 今の気持ちは、違う。


「私も、好きです。リルイア様」

 

 彼はハトのくちばしに、


 そっと、口づけをした。

 

 そのとき、だった。


 鳩の身体がふわりと浮かび、白くひかり輝く。


 バスは驚いているが、なぜか、ピジンは動揺していない。


 まるで、はじめから分かっていたかのように。


 むしろ、この展開を望んでいたかのように。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ