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悪徳令嬢、ドバトになる  作者: カメメ
5章 嫌われていても
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3話 悩みの中で

 結婚式まで、一か月に迫っていたが、わたくしの悩みは解消されていなかった。ただただ、結婚式に必要な作業を淡々と行っていた。


 今日は、わたくしの本当の両親に結婚の報告をする日だ。ピジン副隊長も同行する予定だったが、彼は仕事だのなんだのといって拒否をした。


 義理の両親は、強権を使って連れていくことを考えていたが、わたくしは「彼も忙しいでしょうから」と制止した。


 彼が望んでいない結婚を無理やりさせるのだ。


 仕事くらいは普通にさせてあげたい。


「しかし、結婚式場は本当にポポ山でよかったのか?」


 義父が訝し気に尋ねる。


「あそこは確かにいい場所だが、いかんせん地味だ。リルリアなら、もっと豪華な式場を選ぶと思っていたが」

「ポポ山はトッハ国の象徴ですからね。地味ですが、王家の血筋を引くわたくしにあそこほど相応しい式場はありませんわ」

「おお、さすがリルイアだな」


 義父は褒めてくれるが、本当の理由は違う。


 ピジン副隊長が大好きな場所だから、ポポ山にしたのだ。


 わたくしとの婚礼に乗り気ではない彼へ、せめてもの贈り物と思って、あそこに決めた。


 きっと、彼は喜びもしないだろうが。


 実家に行く準備が終わり、わたくしは一人で馬車に揺られる。


 ぼんやり外を眺めていると。のんびりと空を飛ぶハトの姿がみえた。


「……」


 あと一か月で、彼を救う方法はないのだろうか。


 毎日のように浮かぶ疑問が、またもや頭の中でぐるぐると回る。


 バスに暗殺計画を伝えて、ピジン副隊長に助けてもらう?


 いや、彼はあくまで警備隊の人間だ。トッキャ大臣と警備隊隊長が本気を出せば、彼なんてすぐに抹消できてしまう。

 なら、わたくしが陛下にお願いして、トッキャ大臣を失墜させる?


 一番よい考えかもしれないが、トッキャ大臣は陛下から絶大な信頼を得ている。わたくしがいくら王家の血を引いていたとしても、彼を追い詰めることはできない。


 悩んでいるうちに、馬車は止まり、目的地に到着したと告げてきた。


「……はあ」


 まずは、目の前のことに集中しなくては。わたくしは自分の頬を叩いて気合を入れ、本物の両親のもとへと向かった。


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