表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪徳令嬢、ドバトになる  作者: カメメ
3章 楽しい副隊長との暮らし
11/28

4話 ハトだからこそ、伝えられぬ思い

 

 二人が去ったあと、わたくしは大急ぎでピジン副隊長の元へと飛ぶ。


「どうしましょう、どうしましょう!」


 トッハ国において、謀反の罪が立証されたら、問答無用で死刑だ。


 重い罪であるが故、決定的な証拠がなければ、いくら怪しいといえども罪に問われない。


 逆にいえば、決定的な証拠さえあれば、謀反で死刑となる。


 トッハ国で多大な権力を誇るトッキャ大臣なら、詳細な証拠をでっち上げるなぞ、朝飯前に違いない。


「ピジン副隊長に、お知らせしないと……!」


 帰り道も迷わず、ピジン副隊長の部屋に滑り込めた。


「ハートフルレンジャー!」


 まだ帰ってきていないと思っていたが、部屋にはピジン副隊長がいた。謁見から帰ってすぐだったためか、警備隊の制服をきっちり身につけている。


 普段の私服とは違う姿に、キュンとしてしまうが、それどころではないと正気に戻る。


「ピジン副隊長、あの、」

「怪我はなかったか?」


 優しく抱きしめると、入念に身体をチェックされる。傷がないと分かると、ピジン副隊長はほっと安心する。


「よかった。疲れたよね。ゆっくり休みな」


 かごにもどした後、ピジン副隊長は「あ、そういえば、」といって、わたくしの足に括り付けていた手紙を回収する。


「バスに渡してくれたんだね。ありがとう。ハートフルレンジャーは天才だな」


 たくさんナデナデしてくれる。


「これくらい当然よ。それより、ピジン副隊長! トッキャ大臣と警備隊隊長が、あなたを暗殺しようと企んでいるわ!」


 必死に訴えるが、ピジン副隊長は不思議そうに小首をかしげるばかり。


「どうしたんだ? 興奮しているみたいだが」

「ああ、もう! いいわ。なら、書くものを下さる?」


 文字で伝えようと、万年筆をくわえる。


 紙を探していたが、ピジン副隊長に取り上げられてしまった。


「危ない! 誤飲したらどうするんだ」

「わたくしは飲み込みなんかしないわよ。そもそも、こんなに細長いもの、飲めないわよ」


 苦言を呈するも、ピジン副隊長は硬い表情のままだ。


 その後、いくら筆記用具を持とうとしても、すぐにピジン副隊長に回収されてしまった。


 ついには、「危ないから」といって、鳥かごの中に入れられてしまった。


 ピジン副隊長は困惑して、わたくしをのぞきこむ。


「どうしたんだい、急に……。やっぱり、久しぶりに外に出て、興奮しているのかい?」

「違うわよ! わたくしのことより、自分の身の安全を考えなさい! トッキャ大臣が本気をだしたら、あなたなんて、すぐに処刑されてしまうわ!」


 精一杯鳴くが、ピジン副隊長にわたくしの言葉は届かない。


「早いけど、一旦休んでおこっか」


 彼は布をかぶせる。


 鳥かごの中が暗くなる。


「ピジン副隊長! ピジン副隊長!!」


 いくら叫んでも、彼は心配そうにするだけで、話を聞いてくれる様子は見せてくれなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ