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空色のサイエンスウィッチ  作者: コーヒー微糖派
大凍亜連合編・起
147/464

【とある連絡役の通信記録Ⅳ】

章終わりのラルカ通信記録。

今回の結果を見て、ラルカもさらなる動きを見せる。

◇ ◇ ◇



 ――社長、お疲れ様です。ラルカ・ゼノアークです。

 もうすでにテレビでも報道されていますが、脳機能移植技術の実験を行っていた大凍亜連合の拠点が崩壊しました。

 こちらで得た情報によりますと、万が一の際に機密漏洩を防ぐための自爆装置が作動したようです。


 ――はい。今回は自分も少しばかり、空色の魔女と交戦させていただきました。

 こちらについては目的がインサイドブレードの身柄確保にあったので、戦闘は最小限に抑えました。


 ただ、大凍亜連合に潜入させていたこちらの左舷将も該当拠点にて空色の魔女と交戦したのですが、こちらはかなり本気でやり合ったようです。

 さらに結果として、被験者の肉体であったケースコーピオンは拠点の自爆と共に消失。精神であったインサイドブレードは空色の魔女とその縁者によって保護されました。


 ――ご安心ください。肝心の実験データにつきましては、すでにこちらで確保してあります。

 ケースコーピオンに搭載していた増設用アームも、インサイドブレードへの精神移植過程についても、今後の研究で役立てることができます。

 ですが、脳機能移植技術につきましては、やはり不完全な研究データで行ったのが災いしたようです。

 社長の目的のためにも、完全な研究データの入手を優先すべきと思われます。


 ――『これ以上、彼女に危害を加えたくない』……ですか。

 それは今更言える話なのでしょうか? もうすでに社長の目的のために、多くの被害も出ています。

 ここで退くような真似をされると、自分としても困るのですが?


 ――そうですか。まあ、今はまだいいでしょう。

 おっしゃる通り、一番重要な技術につきましても、そろそろ実験段階に入る必要はあります。

 大凍亜連合総帥への命令は社長の方でお願いします。自分も別件で連絡するべき相手がいますので。


 ――ええ、その通りです。

 まあ、あの人があの程度の爆発で死ぬはずもありません。

 こちらの動きにつきましては、ご心配には及びません。


 ――それでは、これで失礼いたします。



=====



 ――お疲れ様です、ミスター牙島。

 早速ですが、次の行動についてお伝えします。


 ――え? 『こっちは爆発に巻き込まれたんやから、もっと心配しろ』……ですか?

 すみません。余計な無駄口を聞く趣味はありません。

 そもそも、あなたはアジトが自爆を始めた段階で、とっくに逃げ出していたでしょう?


 ――ええ。自分も次の話に移りたいので、反論を諦めてくれると助かります。


 クライアントの判断なのですが、どうやらコードネーム『ターニングベヒモス』に馴染みつつあるベクトル反転技術を使い、時空間理論に関する実験を優先するようです。

 かなり危険な実験になるでしょうし、規模が規模だけに空色の魔女にもすぐに気付かれてしまうでしょう。

 そのため、ミスター牙島にはそのまま大凍亜連合の先兵として、空色の魔女の相手をお願いします。

 クライアントは彼女を傷つけたくないようですが、そこはあなたの判断に任せます。

 本国で控えているボスの命令を優先し、ある程度は融通を利かせて動きましょう。


 ――そうですか。あなた自身も再戦をお望みですか。

 まあ、そこは好きにしてください。ただ、インサイドブレードの加入で空色の魔女サイドの戦力も上がっています。

 油断なきよう、作戦の遂行を優先願います。




 ――あなたと同格である右舷将の自分を、ガッカリさせないことに期待します。



◇ ◇ ◇

これにて「大凍亜連合編・起」はおしまいです。

次からはタケゾー視点で新章「新しい家族編」になります。

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