166 ひびのきろく、なんだぞ!
第七章開始です。
例によってストックある限りは毎日投稿となります。
オイラはトロス! 合成魔獣なんだぞ!!
あ、でもキマイラって言っても、オイラは蛇で……大好きなルベドの尻尾なんだぞ! ルベドの背中をオルと一緒に守ってるんだぞ!
エラいでしょ、へへへ!
「ルベド、ルベド、オ出カケ行コウ?」
オルがルベドにお出かけしようって誘ってるぞ。天使狩りから戻ってきて、ルベドはまたイルシアのお世話に戻ってるぞ。
相変わらず文句? ヒニク? 言いながら、ご飯作ったりしているぞ!
え? 普段よりリューチョーに話してるって?
オイラ達はいつもリューチョーに喋ってるぞ! 色んなヒトと楽しく上手にお喋りしてるぞ!
イルシアにもお喋り上手だねって、いつも褒められてるぞ!
でも、なんか、何だっけ……? セータイが違うから、ハツワが何とかって言ってたような……?
どういう意味なんだ? うーん、オイラわかんないや。
「あ? なんだ外に行きたいのか」
「タマニハ、オ外モ楽シイヨ、楽シイヨ!」
オルがキャッキャって笑いながらルベドに提案してるぞ。ルベドのほっぺにスリスリしながら言ってるぞ!
ルベドは毛並みが乱れて、また手入れして櫛するの嫌だからって、良くない所にスリスリと怒るぞ! ルベドは優しいしオイラ大好きだけど、怒るとスゴく怖いんだぞ!
怒ると首の所をギューって締めてくるんだぞ。
アレスゴく痛いから、怒らせないようにしなきゃって思うんだ。
だから気を付けてるのに、ルベドって急にキレるから、あんまり意味ないぞ!
でもオルは、ルベドにスリスリしても怒られない場所とかタイミングとか、何でか分かるんだぞ!
今もスリスリしてるけど、ルベドは怒ってないぞ。怒らずにご本読んでるぞ!
オイラもスリスリしたいけど、オイラにはスリスリしても怒られない所とか時とか分からないんだぞ……。
オルにコッソリ教えて貰おうとしても、アイツはダンマリなんだぞ。独り占めしたいからって、内緒はズルいんだぞ……。
「オイラモ散歩シタイゾ!」
オルばっかりルベドと話しててムカムカしたから、オイラも参戦するんだぞ!
オイラはスリスリするよりも、ルベドの腕に絡みついてギューってするのが好きなんだぞ! だからお散歩のお話しながら、ルベドの腕に絡みついてギューってするんだぞ!
ルベドの腕はおっきくて、フカフカであったかくて、筋肉ムキムキでギューってしても、ビクともしないし折れたりもしないんだぞ!
イルシアにもギューってしたいけど、イルシアの腕はひょろひょろでダメダメなんだぞ! ボキって折れて痛い痛いだから禁止、なんだぞ!
イルシアにはスリスリで我慢なんだぞ!
「わかった分かった、んじゃ外行くぞ」
ちょっと面倒臭そう雰囲気だったけど、お外にお散歩しに行ってくれるらしいぞ!
ホントはルベドと一緒ならどこでもいいんだけど、折角ならお外で遊ぶのが楽しいんだぞ!
「アリガト、アリガト、ルベド!」
「アリガトナンダゾ!」
「はいはい」
ルベドがオイラ達の頭とか顎とかを撫でながら、立ち上がってイルシアの研究室まで行くぞ!
オイラ、ルベドにナデナデされるの大好きなんだぞ! ルベドに頭をナデナデされると、スッゴく嬉しくて、楽しくて、兎に角幸せなんだぞ!
オルは顎をナデナデされるのが好きなんだぞ! ルベドはオイラ達の好きな方でナデナデしてくれるんだぞ!
いいでしょー? へへへ!
「おいイルシア、イルシアー?」
「ああ、ルベド。身体は大丈夫かい?」
「ああ、もう問題無い」
「それは良かったよ。しかし君も中々博打好きだね、まさかプロトタイプの因子――ヒュドラを呼ぶなんて」
「そうでもしなきゃマズかったからな。……悪いとは思ってるよ、任務帰りのオーバーホールにも、今回は随分手間かけさせたみたいだし」
「まぁ、それは仕方ないさ。新たな因子の組み込みから調整まであったし、時間が掛かるのも無理からぬ事ってヤツだよ。……にしたって、まさか丸々二週間かかるとは思ってなかったけど」
そんなこと言って、イルシアはタハハって笑ってるぞ。
オイラ達は天使をぶっ殺しに行ったんだけど、その天使が物凄く強かったんだぞ!
もうムリ~ってなっちゃって、ルベドは使ったらダメって言われてた「ヒュドラ」を使ったんだぞ!
オイラもオルも、凄く頑張ってなんとか倒したんだけど、そのせいでルベドは治るのに時間かかっちゃったんだぞ!
「ホント……悪かったよ」
「いいんだよ、なんだかんだ倒してくれたしね。それで――何か用があったんじゃないかい?」
「ああ、そうだった。コイツらが外に出たいって喚くんだよ。だから散歩に行ってくる」
ルベドがいつも通り、ちょっとジトっとした目でオイラ達を見て来るぞ!
オイラには分かるんだぞ、照れ隠しなんだぞ! ルベドは「ツンデレ」ってヤツなんだぞ!
「オ散歩ナンダゾー!」
「オ外、オ外!」
でもそんなこと言ったら、死ぬぐらいお仕置きされるから、言わないんだぞ!
代わりに、ルベドとお散歩行ける嬉しさをイルシアにも教えてやるんだぞ!
オイラ達がお散歩嬉しい嬉しいって言えば、イルシアはニコってしてナデナデしてくれたぞ!
「よしよし、いい子だね二人共。さあ行っておいで」
イルシアに見送られて、オイラ達はお屋敷からお外に出たぞ!
今日もお外は綺麗な青空だぞ。ルベドが言ってたけど、セフィロトのお空は魔法でずっと綺麗になってるらしいぞ!
「さて、どこブラついたもんか」
ルベドは周りをキョロキョロして、セフィロトの街を歩き出したぞ。
オイラ達はこうしてたまに、セフィロトの街をお散歩するぞ!
ルベドの思うままにお散歩して回るんだぞ! 身体のしゅ……しゅ……えっと……ナントカが無いから、オイラ達は口出ししか出来ないけど、それも楽しいんだぞ!
「つーてもな、俺らもここに移り住んで二年くらいは経つ。大方見て回っちまったし……いや、街の西側はそこまで回ってないか。おい、今日はあっちにいくぞ」
「リョーカイ、リョーカイ!」
「ハーイ、ナンダゾ!」
いつも通りルベドが行先を決めて、オイラ達が元気に返事する。そうしてオイラ達の楽しいお散歩が始まったんだぞ!
セフィロトは……なんだか白くて広くて、ヘンな形の建物が沢山あるんだぞ! もう慣れてきたけど、昔オイラ達が住んでたお屋敷とは全然違うカンジなんだぞ!
「なんか怪しげな雰囲気だ」
ブラブラ歩いてると、ちょっと雰囲気が変わって薄暗い……路地みたいな場所にきたぞ!
「こんな場所セフィロトにあったんだな」
「ナンダカ、ドキドキスルゾ!」
「探検シヨ、シヨ?」
こういう面白そうな場所は探検するのがいいんだぞ!
オイラ達がそういえば、ルベドはオイラ達を撫でてくれて「いくぞ」って先に進み出したぞ!
「……こういう場所にアングラな雰囲気の店あるのは、ニンゲンの街と変わらないんだな」
ルベドがそう言いながら、キョロキョロ見回してるぞ。怪しい場所にオイラ達も興味津々で、周りを見渡してるぞ!
お酒飲むところが沢山あるぞ! あとはピンク色の看板のお店で、なに売ってるのか分からなかったから、ルベドに聞いたけど「お前らが知る必要はない」って言われちゃったぞ! そんな事言われたら余計気になるんだぞ!
どうやってルベドに聞こうかなって考えながら暫く歩いてると、お店のドアが開いて誰かが出て来たぞ。
「おや、ルベド様……斯様な場所でお会いするとは」
オイラ達の前に出て来たのは、コウモリみたいな女の人だぞ! ピッチピチの黒い服着てて、おっきいお胸とかお尻とかがギュってなってるぞ!
「……えっと、情報部のナークだよな?」
「はい、覚えて下さっていて光栄です」
じょーほーぶ! それならオイラも知ってるぞ! いつもオイラ達におやつくれるヘルメスの所だぞ!
「先日の天使院攻略ではご活躍なされたそうで……流石、かの錬金術師パラケルスス様の最高傑作、このナーク、感服するより他ありません」
「そ、それはどうも……」
んん? なんだかルベドの様子がヘンだぞ。ルベドの目線がナークの手に持ってるモノに行ってるぞ。ルベドがこんなになるなんて、余程ナークはヘンなヤツなんだぞ!
何を持ってるのか見ようとした時だぞ。
「コラ、見るな! お前らみたいなガキが見ていいもんじゃない!」
ルベドが戦ってる時くらい速く動いて、オイラ達の眼を塞ぐんだぞ! お陰でなんにも見えないんだぞ! 真っ暗で嫌なんだぞ!
「ヤメロヨルベド~!」
「マックラ、マックラ!」
「静かにしろ、お前らが見ずにじっとしてれば、後でおやつをたらふく食わせてやるから……な?」
そ、そんなこと言われたらお行儀よくしないとムリなんだぞ!
ルベドはズルいヤツだぞ! オイラはすっっごく頭イイし、オトナな蛇だけれど、美味しいオヤツの魅力には逆らえないんだぞ!
しょうがないから言う事聞いてあげるんだぞ!
「約束ナンダゾルベド!」
「オヤツ、オヤツ!」
約束したから、オイラ達はルベドの手からシュルって抜けて、真後ろだけを見るんだぞ!
うう、スゴく振り向きたいけど……約束しちゃったら守んなきゃダメなんだぞ……。
それに、約束破ったらルベドはスゴく怒るんだぞ! そしたらきっとオヤツ所じゃないぞ! 想像したくないくらい、怖いんだぞ……。
だから我慢、なんだぞ!
「その……手に持ってるオモチャは……アンタのか?」
「ええ、そうですが……丁度この店で購入したんですよ? 品質も素晴らしい上、種類も豊富……オーダーメイドまで請け負ってくれているので、個人的に贔屓にさせて頂いてます」
「そ、そ、そうか……それ、自分で使うのか?」
「はい、そうですが……? これくらいが丁度良くてですね」
「そうか――いや分かったから、その、教鞭みたいなカンジでペチペチするのは止めてくれないか?」
ルベドが物凄く困ってる――っていうか、引いてるのが分かるぞ!
ルベドにこんな反応させるなんて物凄いツワモノなんだぞ!
やっぱりスゴく気になるぞ……うぅ、見たいんだぞ……でもガマン、なんだぞ……!
「これは失礼を……。お詫びというワケではありませんが、ここで会ったのも何かの縁、どうですか? よろしければ、私めがルベド様にお似合いの“お召し物”を見繕って差し上げ――」
「いや、い、いいや! イルシアにこれ着ろって言われてるモンで……だからその、ホント勘弁してください……」
「おやそうですか、それでは致し方ありませんね」
「じゃあそーいうことで……俺、コイツらに飯食わせなきゃいけないから――それじゃ!!」
ルベドが珍しく逃げるみたいにスタコラって移動するぞ! というか走ってるぞ! 速いぞ、ビュンビュンだぞ!
「ハァ……なんだあの女、とんでもないド変態じゃねえか」
急いでナークとかいうヤツから離れたルベドが、珍しく焦った顔してるぞ。ルベドをここまでビビらせるなんて、ナークはスゴいヤツなんだぞ! オイラ、ソンケーするんだぞ!
「ルベド、約束ノオヤツ!!」
「あいあい、わーってるよ」
でもでも、オイラ達はガマンをたっぷりしてエラかったんだぞ! だから、トーゼンのタイカをもらうケンリがあるんだぞ!
「ほら、んじゃいつものカフェに行くぞ。……ったく、遊ぶカネだって無限じゃねえってのに」
ブツブツ文句言うルベドが、いつもの美味しいお菓子屋さんに向かっていくぞ! ルベドはいっつも文句ばっかだけど、お金の事になると更にウルサイんだぞ!
なんでも、「チョーボ」ってのをつけてて、イルシアの研究のお金とかお家の「イジヒ」とかをカンリしてるらしいぞ!
たまにイルシアがおバカな実験やるせいで、お金が吹き飛ぶときがあるんだぞ! そういう時は、ルベドが嫌そうな顔をしながら、アインの所に行って「追加のシキン」をせびりに行くんだぞ!
大体アインが「またか」ってカオをして、色んなブショのお手伝いをルベドにやらせる代わりに、またお金をもらうんだぞ! そうやって大変な思いしながら手に入れた「お金」も、またイルシアが一瞬で吹き飛ばすから意味ないんだぞ!
「いらっしゃいませルベド様。ちょうど、ヘルメス様もいらしてますよ」
お店に入ると、オイラ達にお菓子つくってくれて、おまけにナデナデもしてくれるカルラが挨拶してくれたんだぞ! カルラはこのお店をひとりでやっててエラいんだぞ!
「げっ、アイツいるのか」
オイラ達をカワイイカワイイってしてくれるヘルメスも、このお店に居るらしいぞ! ここのお店はヘルメスが教えてくれたから、よく会うぞ!
でもルベドがそれがイヤみたいで、カオが苦ーくなってるぞ!
ルベドとヘルメスはあんまり仲良くないぞ。会う度にケンカばっかしてるぞ! 不思議なんだぞ!
「……悪いんすけど、俺とアイツが出くわさない位置に案内してもらえると――」
「――聞こえてるわよ」
ルベドが離れたところに座れるよう頼むけど、その前にヘルメスが奥のほうから声かけてくるぞ!
「ちっ」
ルベドがムカついてる時にいつもやる舌打ちしてから、また苦ーいカオしてヘルメスがいる席に歩ってくぞ!
窓がキレイな席にヘルメスが座ってて、お菓子とお茶食べながらオイラ達を見て来るぞ!
「なによ、そんなにアタシがイヤ?」
「顔合わせると煩いからな」
「そりゃアンタが鬱陶しく揚げ足とってくるのが原因でしょ」
「どの口が言ってんだよ鏡見ろロリババア、小皺出てるぞ」
「よーし、アンタ覚悟できてんでしょうね?」
ほら! やっぱりすぐケンカになる!
電撃ビリビリってカンジの睨み合いになっちゃった。
こうなると物凄く長いんだぞ! オヤツ食べたいのにケンカしてたら食べられないぞ!
「ヘルメス~」
だからオイラ達が止めるんだぞ! オヤツの為にカラダを張るんだぞ!
シュルシュル~ってヘルメスに近付くと、ムカムカってカオしてたヘルメスがキラキラってなって、オイラをナデナデしてくれるぞ!
「トロスちゃん~! んん~今日もカワイイわね!」
「ヘルメスヘルメス~!」
「オルくんも~! 二人共輝いてるわね!」
ケンカ止めるつもりだったけど、ナデナデされて嬉しいんだぞ!
お得なんだぞ! やっぱりイイ事はイイんだぞ!
「ハァ……」
ナデナデされて嬉しいオイラ達を見て、ルベドも溜息ついて諦めたぞ! ヘルメスの前の席に座って、ムっとしたカオで頬杖ついてるぞ!
「もうなんでもいい……おら、約束通り好きなの頼め。いつもは二人で一つデッカイのだが、今日は一人一ついいぞ」
!!!
シンジラレナーイ! ケチケチなルベドが、ひとつずつ頼んでいいって!
いつもはオルとオイラで大きめなオヤツひとつなのに……ガマンした甲斐があったぞ!
「ヤッターダゾ!」
「ルベド、スキスキ!」
「あいあい」
嬉しくなっちゃって、オイラはついルベドにシュルシュルって絡みついてギューってしちゃったぞ! オルもルベドにスリスリしてるぞ!
「ぐぬぬ……う、うらやましい」
そんなオイラ達をヘルメスがキーッってカンジで見てるぞ!
へへへ! オイラ、お菓子くれるからヘルメスも好きだけど、やっぱり一番はルベドなんだぞ! モチロン、イルシアも大好きだぞ! ルベドとイルシア、どっちかしかダメって言われたら、スゴく悩んじゃうぞ!
「ボク、コレニスル、スル!」
「シャルロットケーキか、トロスお前は?」
「オイラハ……コレ食ベテミタイゾ!」
「うしっ、じゃあ頼むぞ」
オルが先に食べたいの選んで頼んでる間に、オイラも決めたぞ!
名前が面白いこのカト……カタ……カタラーナ! ってヤツにしたぞ! どんなのかは分からないけどきっとウマいんだぞ! ここのオヤツは全部ウマいから、何頼んでもいいんだぞ!
カルラに注文して、出来上がって届くまでウキウキで待つぞ!
その間、ルベドとヘルメスがお互いにらめっこするみたいに見つめ合って、話しだしたぞ!
「大盤振る舞いね。守銭奴のアンタにしてはめずらし」
「黙れ、守銭奴はお前だろうが。……第一こうなったのはお前んとこの所為だし」
「ハァ? アンタ、意味不明な他責思考は止めた方がいいわよ」
「いいや、これは俺のせいじゃない、どう考えても俺悪くない。……おいヘルメス、お前んとこの諜報員――あのナークとかいう女どうなってんだ。アイツ嬉々として俺に――」
「あーあー聞こえない! ナークの話は止めて、アタシあの子に関わりたくないの!」
「……もしかして、アイツっていつもああいう感じなのか?」
「なにを指して“ああいう感じ”って言ってるかは知らないし知りたくないケド、多分そうよ」
「……はぁ」
オヤツ待ってる間に、ルベドとヘルメスがナークの話してたぞ!
ヘルメスもナークにビビってるぞ。やっぱりナークはスゴいヤツなんだぞ!
でも何がそんなにスゴいんだろ? うーん、別に怖いヒトじゃないけどなぁ。オイラわかんないや!
「お待たせいたしました」
そしたらね、楽しみーにしてたオヤツが届いたんだぞ!
オルが頼んだのは、細長いビスケットみたいなのがついた、フルーツたっぷりなケーキなんだぞ! キレイで美味そうなんだぞ!
オイラが頼んだのは、プリンみたいなお菓子なんだぞ! というかプリンだぞ、細長いプリンだぞ!
「ワァァ~、キレイキレイ!」
「ルベド、喰ッテイイカ?!」
「ああ、いいぞ」
いっしょに来たコーヒー飲んでるルベドが、食べていいよって言ってくれたぞ!
早速食べるんだぞ!
「オイシイ、オイシイ!」
「甘クテウマイゾー!」
待った甲斐があってとってもとっても美味いんだぞー!
プリンのほろ苦いトロトロみたいな部分はパリパリで、下はとろーりと甘いんだぞ!
プリンとはちょっと違うけど、これも美味いんだぞ! オイラ、この「カタラーナ」とかいうオヤツ気に入ったんだぞ!
「そうか、良かったな」
ルベドがそういって、オイラ達を優しくナデナデしてくれるぞ。
美味いオヤツも食べられて、ルベドとかイルシアとかヘルメスとかにナデナデしてもらって、今日のオイラは幸せなんだぞ!
「あーあ、アタシにもお話出来るカワイイ尻尾が居たらなー」
「生やしたらどうだ? セフィロトの技術力なら出来るだろ」
「ねぇ、今のはそういうんじゃないでしょ」
「知るかボケ」
「……あー、アンタってホントムカつくわ。オルくんとトロスちゃんが居なかったら、アンタって唯のイヤなヤツよ」
「あっそう」
ルベドとヘルメスも、いつも通り楽しそうだぞ!
敵をぶっ殺すのも楽しいけど、こういうのもイイんだぞ!
「ったくもう……アホアホ施設に潜入したと思ったら、今度は勇者共の戦い。アタシ達情報部には休みナシ。そんな中キチョーな癒しがオルくんとトロスちゃんなワケ。ちょっとはアタシを労わりなさいよね」
「はいはい、おつかれおつかれ。……ってか、もうそろ始まるのか。なら俺も、そろそろ出立の準備しなきゃなー」
ほら、楽しそうにお話してるぞ。なんだかんだいって、ルベドとヘルメスは仲いいんだぞ!
みんなでいっしょにオヤツ、とってもとっても楽しいんだぞ!
「ルベド! 今日ノオイラ、スッゴク楽シイゾ!」
だからルベドに教えてあげるんだぞ! オイラ、ルベドといっしょの身体で幸せなんだぞって!
イルシアに造られてよかったんだぞって!
「……そうか」
ルベドはそういって、ほんの少しだけ笑ったぞ!
きっと、ルベドもイルシアに造られてよかったって、オイラ達といっしょでよかったって思ってるぞ!
だからオイラ、スッゴく幸せなんだぞ!
そんな幸せな、ひびのきろくなんだぞ!




