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151 打ち合わせ

 時は遡る事十年ほど前――共和国を舞台とする帝国と聖国の小競り合い、“イーファル戦役”をきっかけに、シャマインに“天使院”が生まれた。

 

「当時の天使院は単なる治療施設――を盾にした、聖国側の研究施設だったのよね」


 ヘルメスの言う通り、当初の天使院はイーファル共和国が聖国の傀儡となってから設立された、研究機関であった。

 御大層なお題目を掲げている宗教国家とはいえ、技術開発は必要。グランバルト帝国が魔導技術を開発しているように、聖国は魔術を探求している。


 戦争で勝った国が真っ先に敵国から奪った情報が、人体実験の記録である――なんて話は、地球でも語られていた事だ。

 その逸話が証明するように、人体実験から得られる技術の情報というのは、値千金にもなる代物だ。

 それは科学だけでなく、当然魔術とて例外ではない。


 聖国の後ろ暗い一面……周辺国家や民草の類に露見した際のリスクを考え、本国ではなく共和国に、こうした研究拠点が置かれたワケだ。


 そうすれば「天使院」の正体が露見したとて、アズガルド本国は素知らぬ顔で尻尾を切れば、非道な行いをしていたというのはイーファル共和国、という形で関与を否定出来る。


 とはいえあまり緊密に関係を持ち過ぎれば、どこから情報が洩れるか分からない。本国では出来ぬ非合法な研究を中心に、魔法技術の開発を代理で行わせる、という形で運営されていた。

 で、定期的に研究成果とか経過報告をアズガルドへ行っていたようだ。


 ……して、ここまでが過去の話。

 

「――明確な転換期は明らかじゃないけど、おおよそ6~7年前くらいから、かしら。天使院はその目的を棄てて――今みたいに貧者救済を謳う組織へ変貌した」


 本来裏の目的を隠すためのアンダーカバーに過ぎなかった表向きの目的が、いつの間にかすり替わっていた。


 かつての天使院が人体実験の材料としていたのは、各地よりお取り寄せした犯罪者や精神的に病んだ者。故に昔は、「思想矯正施設」などとも銘打っていたとか。


 実態はともあれ、周囲から疑われぬ程度の実績を出すに留めていたハズの治療院は、数年前から変貌した。

 七日に一度、十三人――奇妙な風習で入院者を募りながらも、一度入った者は確かに完治して出てくるという。


「その変貌について、アズガルドは何も言わなかったのか?」


「当然連中だって訝しんだわよ。査察だって送られてる。――でも、シロ。いやさ、真っ黒ではあるんだけど」


 上手い事言ったつもりか? 実際ニンゲン共の倫理に照らしたら、腹黒い事やってるってのは事実ではあるが。

 そんな事を思ったが茶々は入れず、


「研究の定期報告は続いているし、査察も問題無し。連中は『アンダーカバーを代えただけ』って説明してる」


「なんでも治すってのは? そこそこ有名になってるじゃないか」


「アズガルドには神聖魔法で治しているって宣ってるらしいわよ。……神聖魔法だってそう万能な代物でもないでしょうに」


 呆れた表情のヘルメスは、薄暗い魔力灯に自分のネイルを照らして眺め出した。……居並ぶキャピキャピしたデザインのソレらに、オル・トロス(デフォルメ)の意匠が見受けられた。

 アイツらも俺の身体の一部なので、何とも言えない気分だ。というか、ちょっとキモい。


「まあこの手の研究機関は、アズガルド本国でも扱いが分かれてるらしくてね。こんな風に、各地に小さな拠点が置かれて秘密裏に……細々とやってるらしいのよ」


 俺がそんな事を考えているとも知らずに、ヘルメスはそういって溜息をついた。


「その影響もあってか、ここの異常性についてはアズガルド本国にはバレてないみたいなのよね」


 そういって言葉を締めくくるヘルメス。それなりに調べてくれているようだが、一つ間違っている。――というより、俺が天使院に関わるにあたって気づいた事がある。


「ヘルメス、なんで俺が天使院に入るのに、あんな馬鹿な真似をしたと思う?」


「……なによ突然。ていうか馬鹿って自覚あったんだ」


「てめぇ殴るぞ。――オラ答えろ」


「自分で言ったんじゃん……まあ、そーね、そりゃあ……アンタの頭じゃ思いつかなかったからでしょ?」


 ……自分で振っておいてなんだが、ひどい言い草だ。それもまた事実ではあるんだがな、オル・トロスを呼び出してまで〈第五の病毒(トキシ・イプシロン)〉を使ったのにはワケがある。


「……〈部分変異・群集魔眼(イービル・アイズ)〉」


 呟きと共にエリクシル・ドライヴより慎重に小さく魔力を錬成、自己封印を緩め、秘めたる変異を右手の掌に発現させた。

 

「うわ、なによいきなり……! そんなキレなくたって――」


「ちげぇよアホ。ほら、これを見ろ」


 キレた余りあらぬ行動に走ったと誤解しかけたヘルメスを窘め、俺は掌に発現させた魔眼を見せる。

 魅入られるような奇妙な輝きを宿す瞳が手の中に生え、無機質にコチラを覗き返している。


「……相変わらず絵面がアレね。で、これは?」


夢魔(サキュバス)由来の魅了の魔眼だ。知ってるかサキュバス」


 夢魔――魔族の一種であり、生者の肉体的欲望を操る権能を持って、魔力や生命力の類を奪う。

 ファンタシーモノじゃレギュラー出演の、お馴染みセンシティブモンスターだ。

 このライデルにおいてもそのイメージを裏切ることなく、人類種魔人、魔族問わずアレな手段で日々生きる糧を集めていたそうだ。


 色欲の悪魔とも混同されがちだが、夢魔はれっきとした肉体を持った種族の一種である。

 ちなみに、主に女性型の夢魔を「サキュバス」、男性型を「インキュバス」と呼ぶ。


 魔族は性差が無いヤツも多いが、そもそも夢魔の能力に性が深く関わっているので、必然連中にも性別が存在している。

 子を成す為ではなく、行為そのもの故に、という所が魔族らしく生物として歪な所だ。


「流石に知ってるわよ。有名どころだもの」


「サキュバスの魔眼はその生態故に強大だ。“魅了の魔眼”は強制力に欠けるが、その隠密性、そして対象への負荷が最小であることから、掛けた相手に気づかれにくい」


 魅了の魔眼の効果は、対象の精神に暗示を施し術者への好意を植え付ける。

 洗脳などとは違って、相手に自発的な行動をさせる点が優秀だ。あくまでの普通の精神活動の延長なので、看破されにくい上に痕跡も残りにくい。

 人類種など、社会生物に寄生する必要がある夢魔なのだから、持った能力が静粛性に優れているのは当然なのだ。


「俺の魔力で下駄を履いたサキュバスの魔眼――レジスト出来るヤツなんて、それこそニンゲン共の中でも相当な上澄みだろうよ」


「……で、何が言いたいワケ?」


「――天使院に入るのに、俺は手っ取り早く職員を魔眼で魅了して入れて貰おうと思ってたんだがな」


 一つ溜息をついてから、俺は右手に出した魔眼をギュっと握り潰して消し去った。


「効かなかった」


「……マジ?」


「ああ」


 予想外だったのかヘルメスはネイルを弄る手を止めて目を見開いた。

 尋常なニンゲンが俺の魔眼をレジストするなどありえない。

 天使院の“告解師”共は精々普通の魔導師程度の対魔力で、装備にも護符タリスマンの類は無い。


「俺もあり得ないって思ってな。一人くらいならぶっ壊してもいいかなって思って――」


「――不穏当ね」


「ゲイザー由来の“洗脳の魔眼”も試してみたが駄目だった」


 魅了の魔眼よりも強度と負荷の強い「洗脳の魔眼」を以てしても、告解師なる連中は操れなかった。


「……つまりそれって」


「――お前も知ってるだろうが、精神系統の魔法における原理原則……」


 それ即ち――「精神支配を受けている者は、別の精神支配を受け付けない」


 対象の精神に既に「触れている」術者が居る場合、別の魔導師が介在する余地がない。

 

 操り人形の糸を繰れるのは一人のみ。別の所から糸を飛ばしても、スパケッディになるのがオチである。今の場合だと、混線さえせずに拒絶されるのだから、この例えは不適当か。

 相手の精神を破壊するような術式の場合はまた別で、普通に効く。先の例はあくまでも支配に限った話だ。

  

 つまり俺が何を言いたいのか、という話だが……。


「――天使院の奴らは操作されてるってことね」


「ああ。告解師とかいう連中は殆ど影響されてるだろうな。アズガルドの査察が入ったとか言ってたが――ソイツも操作されて、適当な報告を本国に上げてたんじゃないか?」


「……確かに。こんな大掛かりな真似するヤツが、秘密の庭に入った者をタダで返すとは思えないし」


「それと、天使院の職員共何人かで魔眼を試したが、いずれも結果は同じ。となると問題は――」


「――誰に、操作されているかって事ね」


 言葉をとって続けたヘルメスに俺は頷いて見せる。

 

「ヘルメス、お前はフェキレ上級告解師とかいう奴に“成り代わった”ようだが、天使院上層部の奴らに精神術師(マインドハッカー)の心当たりは?」


「……いいえ。告解師は大なり小なり魔導に心得があるけれど、ここまで大規模な術式を詠めるヤツはいない。少なくとも上層務めには、ね」


 ヘルメス曰く、天使院の職員……告解師には階級がある。

 告解師、上級告解師、告解長――と続くにつれて偉くなる。


「そもそもさ、アタシがこのフェキレとかいうヤツに成り済ましてるのは、地位がそこそこで動くにも不自由が少ない。おまけに――というかコッチがメインの理由だけど――フェキレが上層務めだからなのよ」


「上層務め?」


「曰く――天使院は第一層から第九層まであって、第一から第二で務める奴らを“上層務め”って言うのよ」


 それを聞いて俺は小首を傾げた。天使院の情報を深く探ろうとするならば、より下の階層に務める者に変身して成り済ますのが良いのではないだろうか。

 地上よりも露見のリスクの少なく、守りやすい地下にこそ重要な情報を隠したいのが人情というもの。天使院だってきっと例外じゃないハズだ。


「アンタ――自己封印だか擬態だか、それやってる間って性能落ちるんでしょ?」


「ああ。……それがどうかしたか?」


 またしても要領を得ない質問に疑問を感じていると、ヘルメスは思わし気な目線を地面に――或いはその果ての地の底へと向けた。


「気づいてる? 第二層から下には“結界”が貼ってあるのよ。それも神聖魔法、かなりの大規模術式。アタシみたいな魔族は、触れただけで間違いなく気づかれる」


 そうヘルメスに言われて、俺は地の底へと意識を巡らせた。……随分と鈍くなった感覚の果て、手繰るような意識の底に確かに、お近づきになりたくない清澄な魔力を感じる。


「成程、気取られたくないから敢えて上のヤツに……」


「ええ、そういうこと」


「でもなんでわざわざ地下に? いっそ天使院の地上も覆えるように展開すりゃあいいだろ」


 侵入を探知するような結界はセフィロトでも防衛機能として使っている。

 ニンゲン共の国でも、いくつかの重要な都市や拠点では使用されている代物である。

 防御よりも探知に重きを置いた術ならば、より広範囲に展開して事前に防ぐのが良いと思うんだが。


「……魔法開発部の解析によると、術式に“この世ならざる改訂”が加えられているらしいのよ」


 そんな俺の疑問に答えるように、ヘルメスはキナ臭そうな顔をして語る。


「……この世ならざる、ねぇ」


「所謂、余剰次元由来の魔法よ。ニンゲンじゃあまともに扱えない代物……だから召喚魔法なんてものがあるのにね」


 余剰次元――異界とも呼ばれる異なる次元。悪魔とか天使とか或いは幻獣とか、そういう連中がいる世界であり、召喚魔法はソイツらを呼び付ける技術である。


 他世界の異形が扱う術式は、ライデルのソレとは異なる。故に扱いが難しく、肉体や精神構造の関係上、ニンゲンが真似しようとして出来るモノではない。

 魔族であればギリ真似出来るかな――くらいだ。実際俺もアルデバランの〈星火燎原(ブラスティング・レイ)〉を使ってるしな。


 という事は――

 

「ニンゲンの街にある施設で、異形由来の術が詠まれている」


「――そう、そしてその術者こそ、アンタが斃すべき怪物。天使院の奥底にいると思われる化物。――告解師共を支配してるのも、件の怪物でしょうね」


 これだけ大規模な術式を常時展開しているヤツだ。まともなニンゲンじゃないだろうな。恐らくはヘルメスの考え通りであろう。


「……天使院に怪物がいるって分かったのは、わりかし最近なのよ」


「へぇ、どういう経緯で?」


「ここがアズガルド側の施設ってのは調べがついてた。さっき言った査察とか、本国の方でも高官がたまに話してたり――で、何か使える情報がないかって事で、少し前から調査してたんだけど――」


 ふう、とヘルメスは憂鬱そうに溜息をついてから再び口を開く。


「潜入に送ったうちの草が、全滅したのよ」


「マジか」


 軽く言ったが結構衝撃だ。セフィロトの情報部はかなりの精鋭である。

 そりゃ戦闘要員に比べたらドンパチには不向きだろうが、構成員は皆魔人族や魔族――そもそも基礎能力に厚い下履きを履いている。

 その上密偵としての訓練も積んでいるのだ、今だって世界各地の情報を集めるべく放たれていて、露見もしていない。


「その際に得た情報、第二層より展開されている異形由来の術式……その解析とかで、天使院には人外が居る事が分かった。そしてどうあってもセフィロトとは相容れないと、アインは決定……アンタとアタシら情報部に殲滅を言い渡したってワケ」


 その辺の最低限の経緯は聞いているでしょ。そう言ってくるヘルメスに俺は頷きを返した。

 何でもアイン曰く、天使院の“異形”はセフィロトの大目的を阻む障害となるらしい。

 

「成程な。じゃあ問題は、俺が殺すべき化け物がどこにいるかだが――」


「――十中八九、最下層である“第九層”でしょうね。守り易い地下である上に、異形が外に目に万が一にも触れないように配慮くらいは出来るでしょう。何せこんな風に、ヒトの社会に潜り込める知能はあるんだから」


 だろうな、俺もヘルメスと同じ考えだ。到達に時間のかかる場所に拠点を置くのが自然である。

 となれば――問題は第二層の結界。

 自己封印を施し人類種に偽装している俺は、果たして連中の探知結界にどのように判定されるのか。


 問題無く潜り込めるならばそれでいい。だがそうでないなら――


「――強行突破、でしょうね」


「だろうな。つーか、その方が手っ取り早くていい」


 と言ってしまう俺だが、またしても不用意な発言である。脳筋だ馬鹿だ考えなしだ慢心だとか、謂れのない誹り――多少は由縁もあるかもだが――を受けるのは勘弁である。

 言葉尻を適当に濁そうと口を開こうとした俺を、ヘルメスの溜息が遮った。


 また「もう少し頭を使え」とか言われるのだろうか――ヤダな。

 

「それも仕方ないでしょうね」


 と、これは意外な反応。ヘルメスも今度ばかりは強行突破も辞さない構えらしい。


「どうせ結界の起点は地中深くの化け物自身で、手の出しようがない。術式に干渉して解除しようにも、ここの術式、意味不明なくらい分厚い論理防壁で守られてるのよ。結界をすり抜けるなんて、情報部の密偵としては必須スキルだったのに……プライド傷ついたわ」


「気取られずに結界の改竄をするのは不可能ってワケか。俺の脳筋案に頷くのも無理はない」


「自分で分かってるのね脳筋って。……まあいいわ。でも突破するにも、天使院の出入り口封鎖、情報偽装に認識阻害の結界――色々やってバレないようにしないといけないから」


「事を起こす準備が出来るまでは、患者よろしく牢屋で大人しくしてろってか」


「その通り。精々それっぽく振舞っときなさいよ」


 そういってフフンと寂しい胸を張るヘルメス。もうしばらくこの窮屈な感じが続くってワケだ。げんなりするな。

 一通り会話が終わった所で、ふと思い至った事を口にする。


「今更だが、この部屋大丈夫なのか? 普通に会話してたが」


 手荷物検査と着替えの為に通されたこの部屋、特に慮ることもなく普通にヘルメスと密談しているのだが、大丈夫だったのだろうか。


「……本当に今更ね。でも大丈夫、アタシはそんなヘマはしない。それは――」


「――それは私が保障いたします、ルベド様」


 ヘルメスの言葉をとって繋げるように、彼女の足元の影から霧のように、それは現れた。


 一見してその者は黒山羊の獣人種に見える。

 長身痩躯の身体を仕立ての良いシャツにズボン、そしてベストに身を包んでいる。

 僅かに覗く艶やかな黒の毛並みと、同じく整えた黒髪。

 優雅に首元のリボンタイを直す彼の瞳は、黒い結膜にヴァイオレットの虹彩を持つ。それだけが彼が魔性である証明であった。


 黒山羊の青年は慇懃に俺へと一礼する。……俺は彼を知っていた。知り合いだ、結構前からの。でもなんだっけ、名前――ええと……


「えー、し……シモンさん、だよな?」


「おお、覚えて下さっていたんですね。光栄です」


 黒山羊のヒト……もといバフォメットのシモンさん。ヘルメス率いる情報部の副長であり、彼女のサポートを務めている。ヘルメスの愚痴を辛抱強く聞いている、忍耐強い人である。


 顔自体はよく合わせているハズなのだが、どうにも名前が憶えにくい。曰く、影の悪魔だから影が薄いとかなんとか……ホントか? 俺の記憶力の問題じゃなくて?


「私の生得魔法、“認識阻害”でこの部屋には簡易的に隠匿を施しています。会話は漏れませんし、物理的、魔法的手段での監視も及びません。どうぞご安心を」


 そういってシモンさんは少しばかり自慢げに口角を緩やかに上げた。

 生得魔法――所謂魔物や魔族なんかが持つ、先天性の魔法能力である。


 ヒトは生まれついては息を吸う。獣は特に教えられずとも歩いて地を駆ける。

 そういった事と同じく、生まれつき魔法的な能力を持つ種族もいるのだ。

 魔法ってのは学んで会得する技能。故に生まれつき使える連中のそれは「生得魔法」と言って分類分けする。


「シモンのヤツは便利なのよ。簡単に認識ズラせるのは使い勝手いいし、影に潜れるからどこへ連れてくのも自由」


 言ってうんうんと頷くヘルメスに、タハハと笑うシモンさん。……上司に追従しているように見えるのは俺の気のせいだろうか。

 いつもの通り不憫なヒトである。何とも言えない光景に、俺は目を逸らした。


「――で、それはさておき。シモンを筆頭に情報部を動員して、隠蔽の準備に当たってる。それが終わったら――」


 一拍置いて、ヘルメスは実に悪そうな笑みを浮かべた。


「アンタの望み通り、ド派手な強行突破を始めましょう」

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― 新着の感想 ―
ここまで読んでかなりの満足度を感じる。 何よりまだまだ物語が続くということにも歓喜。感謝。 作者様のタイミングでいいのでゆっくり自分のペースで気持ちよく書いてください。私はイルシアとルベドの行末を最…
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