表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

屋台で遊ぼう

フロストを見つけた。

ある屋台の前でジっと何かを見ている

「フロストどうした?」

「アースお兄ちゃん!」

フロストはオレにくっついてきた。フロストには何故か懐かれている。

「欲しいものでもあるのか?」

「うん。でも取れないんです」

見るとドラゴンのぬいぐるみだ

色ごとに見た目が違うのがまたかわいい

ん?どっかでこいつら見たぞ?

「お前、もう2つ持ってるじゃねーか」

「でも、あの色が欲しいんです!」

フロストが指で刺したのは黄色のドラゴンだ。アルマジロみたいな変わった皮膚はピラミッドのようだ。羽は一番小さくてわかりにくい。飛ぶのが苦手なんだろう。属性があるなら地面だな。

フロストが抱えているのは青と水色のドラゴンだ。

青いドラゴンは、水かきやヒレ、鱗や魚のような長いシッポのカンジなど、小さい羽が見えていても海の生き物と答えそうだ。属性は水だろうな

水色のドラゴンは雪像のようだ。とても美人な顔立ちで、角からつららが生えていたり、結晶があったり、羽はクリスタルと見間違える程に透き通っている。近くにいるだけでひんやりする。これは氷だな。

他にも色んなドラゴンが並んでいる。

赤いドラゴンはツルツルしていて、サラマンダーのようにえりまきが付いている。あの皮膚なら火山も平気そうだ。火属性か。

黄緑のはたてがみがあり、馬っぽい。羽や尻尾の毛が多くて長い。そのせいか常にサラサラ揺れているようだ。風がすぐそばにあるみたいだ。と、そこで風属性だと気づいた。

白いのはフワフワで一番可愛い見た目だ。羽が天使みたいで可愛いのに何処か神々しく、光って見える。光属性かな。

黒いのは1番おっかなさそうだ。鋭利な爪や牙、尖った尻尾。羽がボロボロなのも合間ってラスボスのような雰囲気がある。闇属性しかないだろコレは!

そして、緑と紫。

ん?あの緑のドラゴン。噴水のドラゴンに似てるかも。

「アース、やってきな」

「おばば!」

見たことあると思ったら、コレ、全部おばばが作ってたんだった。

祭の屋台は各家ごとに出すルールだもんな

おばばは毎回ドラゴンに因んだモノを作っている。一昨年はコースターで去年はマスコットだったか?段々豪華になっているのは気のせいじゃない。心配する必要ないぐらいに元気だし、イキイキと作っている。

「どうしても1人1種類しか取れないんです。私は水色のしか取れなくて、この青い子はさっき取ってもらったんです」

「は?1人1種類?一匹じゃなくて?」

、、、イヤ、でもここはおばばの屋台。よく当たると評判の占い師でもあるおばばなら、そういう不思議なルールがあってもなんら不思議は無い。

「黄色いドラゴンほしいんです!」

「あぁ。でも、なんであの黄色いのが欲しいんだ?」

「お願い事するんです!ドラゴンさんに叶えてもらうんです!アースお兄ちゃんに取ってほしくて待ってたんです!」

何だか引っかかる言い方だが、ようはおまじないみたいなもんだな。フロストならおかしな事には使わない。そう考えてオレは付き合うことにした。

「わかった。でも、黄色が当たるとは限らないぞ?」

「大丈夫です!」

ボールを投げて、ぬいぐるみが倒れたら景品ゲットというシンプルな的当てだ

「よし、おばば!挑戦する!」

「ちょっと待て!」

そこにレビンが割り込んできた!

「何だよ!」

「俺もやる!勝負だ!」

ホントにコイツは俺に突っかかってくる「なぁオレ、何かしたか?」

「お目当ての子に当たるかねぇ~」

おばばはニヤニヤ笑いながらボールを1個だけ渡してきた

何だかバカにしているような笑みだ

「たった1個で当たるかよ、、、いて!」

ぼやいたらおばばに叩かれた

「ったく。当たらなくても一回だけだからな!それっ!」

ポコッ

「やったぁ!」

オレは見事に狙い通りの黄色のドラゴンをゲットできた

レビンのドラゴンは紫色だった。

他のドラゴンとは違って全て金属性の見た目で機械じかけのようだった。動く度にギシギシいいそうで、頭にゼンマイが付いている。偶にビリビリしてるけど、レビンは普通に持っている為か害は無さそうだ。雷属性か?あれ?

「ありがとう!アースお兄ちゃん!」

「はい、このドラゴンあげます!」

「え、いいのか?二つも?」

「はい!是非貰って下さい!この青いのは、絶対に!寝室に置いてくださいね!!月の見える枕元が1番いいです!」

「寝室?」

ヤケに寝室を推された。かなり場所の特定が正確だ。

「はい!アースお兄ちゃんの寝てる寝室ですよ!」

「で、コッチの水色のは、玄関に置いて下さいね!!下駄箱の中でもいいですが、玄関ですよ!!青いのはアースお兄ちゃんの寝室!水色のは玄関ですからね!!」

「わ、わかったって!」

場所の特定をかなり特定され念押しされた。

レビンは悔しそうにしてるが、フロストに紫色のドラゴンを渡した。

「やる」

とだけ言って

ん?何だかレビンのヤツ、顔赤くないか?

あ、ひょっとして?

オレは腹ごしらえに2人を誘ったが、フロストは1度家に帰ると黄色と紫色のドラゴンのぬいぐるみを抱えて行った。

何だかおばばがイヤにニヤニヤしてるのが気になった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ