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(二)‐2
野上は玄関の前に駐めてある中古で買ったコンパクトカーの後部ハッチを開けた。中には仕事で使う工具や道具箱などが載せてあったので、それを玄関に運び込み、代わりに和葉の遺体を乗せた。
野上は一六〇センチと小柄な体型であった。それに建設現場での仕事を長年しており、過酷な労働環境に身を置いていたのである程度の筋肉はついていたものの、やせ形であった。対して和葉は身長が一六五センチあり、野上よりも背が高かった。しかも和葉の腹囲には脂肪がたっぷりとついていたため、重く、引きずらざるをえなかった。
(続く)