表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/17

(二)‐10

 穴の斜面まで死体を引っ張り上げたところで、雨が降り始めた。この場所は木に覆われた場所であったので、頭上で雨が木の葉に落ちる音が聞こえたものの、野上のところまで雨粒が降りてはこなかった。

 雨はすぐに強くなり始めた。一メートルほど掘った穴の底に死体を放り込んだ頃には、木々の葉と葉を伝って雨粒が不規則の落ちてきて、野上の肩や頭、腕などにかかった。


 懐中電灯の光を当てて穴に放り込んだ死体を見ながら、野上は達成感を感じていた。久しぶりの重労働であった。もちろん日中の仕事も重労働ではあったが、それは機材などを利用することで負担はだいぶ少なくなっていた。それに対してこの穴を掘る作業や死体を持ってくるというのがこれほどまでに大変だとは、思わなかった。だからそれらのことの解放されたという思いが野上を少しだけすがすがしくさせた。


(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ