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(二)‐9

 一メートル程掘ったところで野上は手を止めた。とりあえず埋めるのであればこのくらいで良いだろう。もっと深く掘りたいところではあるが、これ以上掘るのは体力的しんどかった。

 五分ほど休憩してから野上は斜面を降り、道路へと出た。そして今度は自分よりも重い和葉の死体を引きずって車から降ろし、斜面を上がった。

 建設作業現場ですら体験したことのないような重労働の連続であった。しかし、野上は事が発覚したところを想像すると、いてもたってもいられなくなり、力を発揮することができた。


(続く)

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