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 午後四時頃、自宅のパソコンで各種動画をチェックしていたのは西雲にしぐもハヤトである。

先ほどゲーセンで見かけたゲームを検索していたのだが、思ったような機種には当たらない。

リズムゲームにも多種多様な機種がある為、一目見ただけでは区別出来ないという理由もあるのだろう。

筺体の形状だけでも色々な物があるというのに、ゲーム画面を見てピンポイントで見つけるのは非常に難しい。

さすがの西雲も降参しようと考えていた、その時である。

『我が名はジークフリート。今回は様々なリズムゲームからこの機種を――』

 西雲が発見した動画、それはバーチャルアバターのジークフリートがゲームを紹介するという物。

明らかにファンタジーと言えるような外見の黒騎士がゲームを紹介するだけと言うその内容は、ある意味でもサイト内で人気の動画となっていた。

「まさか、この機種は――!」

 思わず驚きの声が出るほどに、取り上げた機種には見覚えがあったのである。

それこそ、数時間前にゲーセンで見かけた機種そのもの。検索しても見当たらないと思われた機種だけに驚きも倍増していた。



 解説動画の説明文には『スターゲート』という記述がある。これがこのゲームのタイトルだろう。

ストーリーに関しても、他のリズムゲームとは一味違うとも説明されていた。リズムゲームにストーリーモードは、滅多に見かけないような物なのに。

ここまで独自色というよりも、明らかに王道を外れたような設定には目を疑うだろう。

『このリズムゲームは、非王道と思う人が多い。元々、リズムゲームにストーリーモード自体が不要と考えるプレイヤーが多いためだ』

『期間限定のイベントでも、ついででプレイするプレイヤーが近年の作品では多くなっているだろう』

『今やリズムゲームとは中高年層に人気のソーシャルミュージックばかりを取り入れ、それ以外は外されている傾向もある』

『スターゲートはオリジナル曲に力を入れているが、近年はコラボアバターという要素も強いかもしれないが――』

『過去のリズムゲームは版権曲とオリジナル楽曲でバランスを取っていたが、使用料等の関係でソーシャルミュージックに力を入れるようになった』

『しかし、ソーシャルミュージックばかりでも様々な弊害が考えられるだろう』

 様々な発言を聞いていく内に、西雲はジークに何かを感じていた。この人物は炎上させるような目的で作品紹介で欠点を言及している訳ではない。

動画のコメントでは炎上煽りとも判断出来るような物、冷めている様な意見もあったり、中には信者によるコメントもある。

しかし、そうしたコメントが付いているという事は、このジークフリートと言う人物がそれだけ影響を与えている事に変わりないだろう。

外見が黒騎士に見える人物だが、もしかすると兜の下の素顔は――という意見もあるが、あえて西雲は考えない事にする。

 この人物の正体を気にしていたら、向こうの思惑に乗る事になるからだ。

ここで言う向こうとは、ジークの事ではなく炎上勢力のようなSNSを炎上させて混乱させようという連中を示す。

(どちらにしても、彼らの狙いは――)

 西雲は思う。ジークフリートにはスターゲートを広めようという意思があるのだが、それを妨害するのが炎上勢力だ、と。

作品を広めたいという人物がとる行動には2つある。一つは高い評価、もう一つは低い評価だ。

低い評価だらけになれば、評価重視のユーザーは見向きもしなくなるし、別の作品に流れるだろう。

高い評価だらけならば、高評価作品に群れるようなユーザーが集まるが――それでも炎上リスクが誕生するし、レビュー水増しやマッチポンプも散見される。

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