表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アノニマス||カタグラフィ  作者: 和泉宗谷
Page.6 生誕祭と黒曜の使者
120/132

×××.其は(終章)

地上は狂乱に包まれていた。

鳴り止まないクラクションは狂想曲を奏で、アクセントとして劈くブレーキ音。至る所で煙が上がり、それらを埋めつくさんばかりの人の絶叫。

文字通り、この世の地獄と化していた。

その光景をただ1人、黒い少年だけが恍惚と見下ろす。黒檀の髪は荒れる風に舞あげられ、その下の唐紅は狂気じみた信仰を讃える。

この劇場を作り上げた彼はさながら指揮者コンダクターのように手を広げる。そこかしこで上がる叫喚が、彼にとっての喝采。

刹那、唐紅の瞳は確かにその時視認した。天空の黄金に照らされてもなお存在感を放つ、その姿を。


「――開闢の光をここに。之こそは、夜明を告げる不浄の暁光」


決して大きい訳では無い、凜然とした声はしかしするりと耳朶を震わせる。

どこからともなく現れた錫色の幻想的な神馬に跨るは、見慣れた詰襟に身を包んだダークブラウンの髪の少年。しかし、幻覚のように一瞬だけ垣間見えた金色が、彼の本来の色彩だと何故か悟る。

その手に持つ長剣の美しい暁色が、降り注ぐ魔性の光を浴びてなお艶めかしく光る。

儀礼のように掲げ、少年はついにその真名を言祝ぐ。

其は――。


「«宿木の魔杖レーヴァテイン»、限定解放――!」


目を覆いたくなるほどに一際強く閃いたかと思うと、次の瞬間少年は、世界に向けて一切の乱れなく切っ先を振り下ろした。

ようやく半年かけた6章終了です~!長かった~汗正直ここまで長くなるとは…

そして次回更新分の7話でついに最終回となります!彼らの行きつく先を書き切れるよう頑張りますので、最後まで見守って頂けますと幸いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ