6分の2(2)
そして火曜日の放課後、お互い帰宅部だったため一緒に帰ることになり水野さんが
「夜ご飯どうする?何か作ろっか?」
「本当に住む気なんですね…大丈夫です。一通り料理はできるんで。ゆっくりしていてください。」
すると美咲さんは驚いた顔をして
「え!?料理できるの!?いくら一人暮らしだからといって男子高校生だからコンビニで済ましてると思ってたよ!」
「男子高校生をばかにしないでください。ああ見えて太陽の方が料理は上手いですよ。」
僕は一人暮らしだが料理はほとんど太陽に教えてもらったと言っても良い。学校生活も日常生活も助けてもらってばっかりだ。太陽の料理上手を説明すると美咲さんはもっと驚いた顔で
「え!?あのつり目のちょっと怖そうな人!?意外!ギャップ!私もちょっとしか作れないのに…」
最後は消え入るような声になって何か言っていたが聞こえなかったのでそのままスルーすることにした。
そしてしばらく歩くと
「ここが僕の家です。」
「へー!一軒家なんだ!一人暮らしなのに良いね~」
言葉ではからかっているのに確かに太陽の言った通り悲しそうな顔をしていた…気がした。
「遠慮せず入ってください。」
「凄い…男子高校生一人暮らしなのにとても綺麗…」
「さっきから何なんですか、その偏見…」
短い会話を済ませいつものように僕は仏壇の前へ行った。すると美咲さんが
「仏壇…」
と小さく呟いた。
「ああ、僕の両親の仏壇です。僕が中2の時に亡くなってしまって…以来一人暮らしなんですよ。」
「私も手をあわさせてもらって良いかな?」
「もちろんです。両親も喜びます。」
すると美咲さんは僕よりも長く、何かを伝えるように拝んでいた。
「どうしました?美咲さん?」
「う、ううん!なんでもない!」
「そうですか?何か考えてるように見えて」
「いや!これからお世話になるから挨拶してただけだよ!それより晩ご飯作るの手伝うよ!」
気のせいならまあ良いが…
「わかりました、ではキッチンへ行きましょうか。」
「うん!」
その日の夜はご飯を食べて別々の部屋で寝た。このまま何も起こらずに過ごせると良いけど…




