6分の2(1)
ボディーガードを約束した次の日の登校中。今日は良く晴れた水曜日。だけど僕の心は雨模様だった。
「はー…」
この様なため息が出てしまうほどには。そして隣の太陽の顔も雨模様だった。
「良いよなー将太は。あんな美人とこれから5日間一緒にいれるなんて。」
「良くないよ…なんでたいして知らない人と四六時中一緒にいなきゃなんないんだよ…」
僕は一人暮らしで、美咲さんも一人暮らしだという。すると美咲さんから5日間一緒に暮らそうと提案してきたのだ。僕から事件の話を持ちかけたので断るわけにもいかず…
「そんな言い訳してるけど本当は色々期待してるんだろ?このムッツリスケベめ」
「そんなわけ無いだろ、もう少しで殺人事件に合う人を家に住ましておいて安心しきってそんな発想ができると思うか?怖くて夜も眠れないよ。」
「はは!冗談だよ!冗談。」
すぐからかってくる太陽が今度は真面目な顔になって
「でも毎回笑って返事をしてくれていたけど…」
「綺麗だったとか言うのか。」
「いや、すごく寂しそうな笑い方だったなーて…」
僕は驚いた。太陽はたまに、普通気付かないようなことをいきなり気づいたりする。
「一人で暮らしていて寂しいから僕と暮らそうとしたとでも言うのか?」
するとさらに真剣な顔になって
「それもあると思うけどもっと違うことで寂しそうな顔に…いや、悲しそうな顔になっていたと思うんだ。」
自分が死ぬかもしれないと思ったらそういう顔になってしまうのも仕方無いと思ったが、第一人間関係の少ない僕に人の笑い方で感情を判別できるはずもない。それにこういうときの太陽は信用できる。
「わかった。気にしてみるよ。ありがとう、太陽。」
すると太陽はいつもの笑顔に戻って「おう!」と答えた。




