秘密持ちの少女との出会い
「なー将太、今日はどうするんだ?」
どうするのか、とは恐らく人を助けに行くのか行かないのか、ということだろう。
太陽は小学校からの同級生で、僕の能力を気味悪がって多くの人が遠ざかっていく中唯一僕のそばにいてくれた親友だ。そして誰かを助けに行くときいつも手伝ってくれている。
「一応声はかけておこうと思うけど…」
ちなみに事故、事件に合う人がわかるというのはその日限りの情報ではない。次に雨が降るまでの事故、事件に合う人の情報が入ってくる。ゆえに多い日もあれば少ない日もある。今回は一週間分だ。
「こんな面倒くさいことほっとけば良いのに…将太はお人好しだよなー」
全くその通りだ。面倒くさいとわかっているのに危険な目に合っている人を放っておけない。
-特に殺人事件に関しては-
「今回は誰を救うんだい?ヒーロー君?」
太陽が挑発混じりに話しかけてくるが気にせず頭の中で数ある情報を整理する。なるべく行動可能な範囲にいる人をリストアップするとある名前が出てきた。
「なー太陽、水野美咲って知ってるか?」
「何!?知ってるも何も隣のクラスの超有名人じゃないか!美人で優しいって!事故に合うのか!?」
「まあ落ち着け、事故に合うわけではない」
「そっかー、良か…」
「殺人事件だ」
すると太陽が怒りに任せたような勢いで問い詰めてくる
「おい!どこの誰だ!俺らのアイドルを殺そうとしているのは!」
「アイドルって…もう一回落ち着け。僕はどんな事件があるかわかるってだけで場所や殺人犯はわからないよ。前も言っただろう?」
やっと落ち着いてきたようで
「そういえばそうだったな…被害者の情報は入ってくるのに犯人はわからないってのがいまいちピンと来ないんだよなー」
ごもっともすぎてぐうの音も出ない。
「まあ今日は帰ってるだろうし明日また出直そう」
「そうだな」
いつもはその日に話しておくのに今日はなぜだか気分が乗らなかった。
そうして僕は僕しか住んでいない家に着いた。
翌日、僕らは昼休みに隣のクラスを訪ねた。
「あのー、水野さんいますか?」
僕が訪ねると対応してくれた女子生徒が
「あー、あの子なら何でか今日屋上で昼ご飯食べてるよー昨日雨降ってたのに、変わってるよねー」
「少し抜けてるとこも良い…」
太陽が何か言っているが気にせず屋上に向かう。屋上のドアを引くとその女性はいた。
日差しが水面に反射して光輝いているなかひっそりとたたずんでいる姿はこの世のものとは思えないほど綺麗で目を奪われてしまった。すると彼女は
「やっぱり来ちゃったんだね…」
長髪で綺麗な目、スラリとしたスタイルの彼女は一言、確かにそう言っていたはずだ。




