6分の6(1)
結局土曜日の夜は軽く軽食を済ましてすぐ寝ることにした。僕も彼女も頭がパンクしそうになっていたからだ。このまま話を続けていても自分の考えをまとめて話せそうにない。
そして今日は、既に小雨が降っている曇天の日曜日。
「美咲さん、開けますよ。」
僕がドア越しに問い掛けても返事がない。
「美咲さん!早く起きてください!」
自分の声に焦りが混ざっているのがわかる。まさかと思いドアを開ける。
やっぱりだ。美咲さんは部屋にいなかった。急いで電話を太陽にかける。
「おい太陽!今大丈夫か!」
「おー将太か、どうした?そんなに慌てて?」
「美咲さんが、いなくなった」
少し間が空いて太陽が答える
「それは、どういう意味だ?」
「言葉のままだ、脱走したってことだ。」
太陽は心の底から安堵したようなため息を漏らす。
「そっか…わかった!一緒に探そう!俺も地域中探してみるから!まずは学校の方に行ってみる。見つかったら連絡する!」
「うん、ありがとう。」
そうして電話を切った。太陽には感謝してもしきれない位だ。美咲さんに電話は一応かけたがもちろん繋がらない。
街中探そうかとも思ったが、これまでの美咲さんの話からして恐らく二択。僕たちが初めて会った、`僕たちとの思いでの場所´。でもこの線は薄いだろう。思いでと言っても初めて会ったというだけでたいしたことがあったわけでもない。
それに、屋上は太陽が学校に行ったときに探してくれるだろう。
となると僕の行くべき所は…そう考えて歩いていると彼女自信の思いでの場所。『桜咲』にたどり着いた。ドアを引くと扉の向こうに立っていた少女は
「また、来ちゃったんだね…」
今度こそハッキリとそう言った。




