6分の3(3)
放課後、僕と美咲さんは街を練り歩いた。僕の住んでいる街は海に面している地域で海産物が豊富だ。よって市場や港が多い。
「え!?私がいたときにはこんな市場は無かったのに!入ってみても良い!?」
美咲さんが少しはしゃぎ気味に言うので
「じゃあここで海産物を色々買っていきましょう。それを調理して今日の夜ご飯にしましょう。」
美咲さんはとても喜んでいて
「うん!そうする!私貝が大好きなの!帰ったら美味しい酒蒸しを振る舞ってあげる!」
と、とても渋いチョイスだが僕も酒蒸しは大好きなので嬉しかった。
一通り市場で買い物を終えると
「まだ色んなとこに行きたい!」
と美咲さんが言うので急いでる訳でもないので色んなとこに行くことにした。近所のスーパー、最近できたファーストフード店、料理店の並んでいる通り、色々な所を案内すると美咲さんはとても楽しそうにしていたから良かった。しかしその中で『桜咲』というもうつぶれてしまった料理店の前で足を止めてまた悲しげな顔をした。
家に着くと買ってきた魚や貝を調理して食卓に並べた。中でも美咲さんの作ってくれた酒蒸しは絶品だった。この幸せな生活の中で美咲さんへの気持ちが芽生えてきたことを実感した1日だった。そして今日も何事もなく寝ようとしたときに
「ねえ将太君、人は良いことと悪いことの総和は一定になるらしいよ…」
言っている意味もわからず
「なんですか?それ?」
「ううん、気にしないで、お休み。」
そして眠りに着いた。




