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第九十八話、わたくし、前世の記憶のせいで、『嘘つき令嬢』と呼ばれておりますの。(その3)

「どうなさったのです、アネット様。相変わらず、ぼんやりとなされて? 何かまた、変わったことでも、『夢見モウソウ』なされたのでございますか?」

 名門女学園のお昼休みの自席にて、いつものように一人物思いにふけっていれば、唐突にかけられる級友クラスメイトの涼やかな声。


「クスクス」と、悪意に満ちた嘲笑を漏らす、多数の取り巻き連中を従えながら。


「……オリビア様」

 そうそれは、もはや毎度お馴染みの、私同様このコニャック王国における最上級貴族である、誇り高き公爵家の一人娘、オリビア=ニューオーク嬢であった。

 縦ロールのブロンドヘアに縁取られた、彫りの深い端整な小顔の中で、いかにも高慢ちきに煌めいている、翠玉色サファイアの瞳。


 ……何かもう、すっかり『悪役令嬢』っぽさが、板に付いておられるようで。


 しかも何で毎日、あたかも『お約束』のように、私に絡んでくるんだ?

 もはや同じ公爵令嬢としての勝負は、あんたのほうの圧勝で勝負がついているし、今更私なんかを構う必要はないだろうが?

 だからといって、ここで無視を決め込むのはもちろん、露骨にうんざりとした表情を見せるわけにはいかなかった。

 学園一の権力者である彼女から本気でにらまれたら、とっくに親兄弟親戚縁者から見放されている、私にとっての最後の居場所である、この学び舎からも追い出されかねないのだ。ここはいつものようにできるだけ下手に出て、ご気分を損ねないようにしよう。

「あ、あの、『夢見モウソウ』って、何のことでしょう?」

「あら、何をおとぼけになっているのです? 『魔女の夢占い』のことですわ。──さあ、いいからもったいぶらずに、近い将来起こるであろう『大災厄』とやらを、わたくしたちにも教えなさい!」

「さ、さて、何のことでしょう? 『魔女の夢占い』ですか? 私はまったく関知しておりませんが、確かその放送主のユーチューバッカさんて、炎上続きに嫌気がさして、引退なされたのでは?」

「しばらっくれるのも、大概なさい! そのユーチューバッカの『トラバサミ』氏こそが、他ならぬあなたなのでしょうが⁉」

「『トラバサミ』氏ではなくて、『カスタネット』氏です! 確かに私の名前は、()()()()=テルミン=()()()()だから、どちらでもいいようですが、『トラバサミ』氏だと、とあるゲーマーたち()のダウンロードコンテンツ版みたいで、非常にヤバイでしょうが⁉」

「あっ、ごめんなさい! わ、わたくしったら、とんでもない間違いを⁉」

「ふっ、わかればいいのです。以後十分にご注意を」

「……いやでも、あなたってばこの会話で、ご自分が放送主ユーチューバッカの『カスタネット』氏であることを、お認めになられたようなものではございませんの?」

「──うぐっ」

 い、いかん、ついムキになって、墓穴を掘ってしまった。

 目の前には、いかにも勝ち誇っているかのように、ニンマリとほくそ笑んでいる、お嬢様のご尊顔。

 ──くっ、 早く取り繕わねば!

 慌てふためいて、何とか言い募ろうとしたものの、常日頃の会話不足が祟ってか、なかなか適当な言葉が出てこなくて、焦るばかりでいたところ、横合いから口を挟んでくる、公爵令嬢の取り巻き連中。

「──ご無理もありませんわあ」

「確かに『カスタネット』氏の『魔女の夢占い』は、大事件から身の回りの出来事まで、当たる時は恐ろしいほど正確に当たりますが」

「それも、せいぜい、10回に1、2回ほどの、低確率の的中率」

「占いとして、とても信頼性は、ありませんわあ」

「まあ、『偶然に当たった』といった、範疇でしょう」

「むしろすっかり信じ込んでいたところ大外れして、大恥をかいてしまったという例も、後を絶たたない有り様」

「次々に苦情が殺到して大炎上して、結局は運営から垢BANされる始末」

「それで懲りたかと思えば、今度はこの学園独自の、ローカルネットに出没し始めるという、厚顔さ」

「それで、悩める女生徒相手に、あまり当たらないw恋占いをして、失笑を買っているのはまだしも」

「性懲りもなく、近い将来、『大地震』が来るだの、『大噴火』が起こるだの、『宇宙艦隊』が攻めてくるだのと、アホみたいな『大災厄』の予言なんかして」

「──おいおい、あんたは『ノストラダムス』か『ゴトーベン』の生まれ変わりかっつうの」

「学園独自のローカルネットとか裏サイトとかは、もっと身近なネタで盛り上がるものでしょうが?」

「例えば、デマも誹謗中傷もオールOKで、いじめとか不倫とか、とにかく噂話と人の不幸大好きな、私たち女生徒(ユーザー)の興味を引くようなやつよね♡」

「それを、一人だけ馬鹿みたいに真剣になって、予言者気取りで、『大災厄』ですってえ?」

「そんな誰も興味のない、悪い意味でのデマばかり飛ばしていたら、ローカルネットからもBANされてしまいますわよ?」


「「「──そうよそうよ、そうですわ♡」」」


 そのように好き放題にに言い終えるや、どっと笑声を上げる、おしゃべり雀たち。

 ──しかし、今回ばかりは、その笑顔は長くは続かなかった。




「……魔女だと? 貴様ら、何を馬鹿なことを話しているんだ、今すぐやめろ!」




 唐突に教室中に響き渡る、威圧的な声音。

 思わず入り口のほうを見やれば、そこには、あまりにも予想外の人物が仁王立ちしていた。

 今ここにいるすべての女生徒の視線が、一気に集中する。

 ただしそれは、女学園に何の前触れもなく、若い男性が現れたから──というわけではなかった。

 ほんのわずかにカールした長めのブロンドの髪の毛に縁取られた、彫りの深い精悍な顔に、王立の名門男子校の制服に包み込まれた、細身ながらも十分に鍛え上げられた筋肉質の長身。

「……アラミス王子」

 つい私の唇から、こぼれ落ちた言の葉。


 そうそれは間違いなく、この国の栄えある次期国王、アラミス=ケージ=コニャック第一王子殿下、その人であった。


「……アラミス様、一体どうなさったのです? いきなり女学園に見えられたかと思えば、大声を上げられたりして」

 相手は王族とはいえ婚約者同士としての気安さからか、戸惑う取り巻きたちを尻目に、率先して声をかけるオリビア嬢。

「俺の学園での研究課題について、その道の専門家である、この学園の学園長に相談に来たついでに、婚約者である君の顔を見ておこうと思って寄ってみれば、よりによって『魔女』や『予言』なぞといった世迷い言を、大声で語り合っているではないか? 少々公爵家の令嬢にして将来の国母としての、自覚が足りないのではないか? どこにラプラス国教会の目が光っているか、わかったものじゃないのだぞ⁉」

「──っ。こ、これは、考えが至らず、大変申し訳ございません!」

「いいか、我々王国民は何も考えず、教会現教皇アインシュタイン聖下の、『ソータイセー理論』を知ったかぶりしていれば、よその国の民から無条件で、『頭がいいお利口さん』扱いしてもらえるんだ! なぜなら、『神はけしてサイコロを振らず』、世界の運命は最初から最後まで、いちいち全部決定されているのだからな! よって『予言』なぞ、けして必要ないのだ!」

 ──はあ? 何言っているのよ、古典物理学の決定論に拘泥した、アインシュタインお得意の『神はサイコロを振らない』なんていう戯言は、現代物理学の量子論の登場とともに、完全に葬り去られてしまっているっつうの!

 そのように私が、現代日本人としての知識に基づいて突っ込みを入れていたら、まるでそれに気づいたかのように、こちらへと鋭い目つきで振り向く王子様。

「アネット! 君は君で、いったいいつまで、バチ当たりなまねをするつもりなんだ? いい加減、『妄想癖の小娘の戯れ』では済ませなくなるぞ! 国教会においては、下手したら数百年ぶりに、『魔女裁判』の再開すらもあり得ると、取り沙汰されているというのに⁉」

「なっ、魔女裁判ですって⁉ アラミス様、本当ですの?」

 すっかり顔を青ざめてまくし立てたのは、いつもは常に泰然自若としている、『悪役令嬢』のオリビア=ニューオーク嬢であった。


 それも、無理からぬ、話であった。


 現在においてはすでに時代遅れとなり、すっかり落ちぶれてしまっているラプラス教会だが、最も権勢を誇っていた三百年ほど前には、『魔女』と呼ばれた女性たちが、教会による一方的な宗教裁判によって、大勢処刑されてしまうという、まさしく狂気の黒歴史があったのだ。

 この剣と魔法のファンタジー世界にあって、なぜかラプラス教会においては、魔法や超能力の類いの存在を一切赦さず、王国民も魔物や魔族や精霊やエルフといった人外はもちろん、魔導力や超能力を有する人間すらも排除して、もし仮に王国民の中で新たに魔導力や超能力に覚醒する者が現れれば、『悪魔憑き』や『魔女』として、宗教裁判にかけて処刑してしまっていた。

 このように記すと、教会の教義はよほど『神がかりな』とち狂ったものと思われるかも知れないが、案に相違して、何と現代日本で言うところの『古典物理学』に則った、非常に学術的かつ論理的なものであったのだ。

 わかりやすい例を挙げれば、ミステリィ小説的な事件を解決する場合、『名探偵』なぞという人間離れした超常的存在はけして認めないが、古典物理学を駆使して常に論理的に事件を解明する、『ラプラスの悪魔』的美少女探偵や『バンKNOW(ノウ)』なJCなら、大歓迎といった次第であった。

 そんな頭の固く融通性のない教会が、突然『予言』なぞをし始めた、市井の女たちを放置しておくはずがなく、一人残らず『魔女』といういわれなきレッテルを貼り、凄絶なる拷問にかけた後に処刑してしまったのである。




 ──おそらくはその『魔女』たちとは、私と同じく、現代日本からの『転生者』であったのだろう。




 実は、乙女ゲーム『わたくし、悪役令嬢ですの!』においては、ヴァージョンごとに舞台の時代が異なっており、確かに三百年前のヴァージョンでは、コニャック王国等で『魔女狩り』があったことが、年代表に記されていた。

 更には、当ゲームは全ヴァージョンにおいて共通して、『大地震』や『火山の噴火』や『大陸沈没』や『魔王軍の侵略』や『魔物の大暴走』や『宇宙艦隊の大襲来』等々の、乙女ゲームらしからぬ『大災厄イベント』が折に触れてインサートされることになっていて、もし『転生者』が私のように前の世界でゲームをやり込んでいたら、当然の知識として把握しているので、我が身を守る意味からも、その危険性を声を大にして訴えるのも当然の仕儀であろう。

 もちろんこれは何も自分一人だけではなく、大勢の人々を助けることにも繋がるはずだ。

 よって本来なら、教会だろうが何だろうが、感謝してしかるべきなのである。

 それがどうして、『魔女』などと蔑称されて、処刑されなくてはならないのか?


 それというのも何と、絶対に当たるはずのゲームの知識が、ほとんど当たることなく、結局『転生者』たちは、ありもしない『大災厄のデマ』を流した、赦し難き扇動者以外の何者でもなくなってしまったのだ。


 ただでさえ、『未来を予知する』などといった、超常的行為が一切禁じられている王国内で、結果的にとはいえ、『予言者を騙って流言飛語を行った』のである。強権的かつ狂信的な宗教集団が、極刑にかけようとするのも道理であろう。

 もちろん、ゲームの知識による『予言』が、すべて外れるわけではない。

 10回に1、2度ほどの割合であるものの、ちゃんとゲームのシナリオ通りに、『大地震』や『火山の噴火』等の、『大災厄』イベントが起こっていたのだ。

 しかし、このように無駄ランダムに予言が的中してしまうことで、むしろ『魔女』であることの信憑性が高まって、これまた結果的にであるが、『本当は未来のことを全部正確に予言できるのに、いたずらに人間どもを惑わしいたぶるために、デマを多く混ぜて予言している、残虐で狡猾なる魔女』などと、決めつけられてしまう有り様であった。




 ……ほんと、勝手なものである。


 予言が当たれば、『魔女』として気味悪がり、予言が外れれば、『嘘つき』として後ろ指を指すなんて。


 実は、これに関しては、私自身、骨身にしみて、実感していた。




 というのも、いまだになぜだかわからないが、確かに私の『ゲームの知識』に則っても、『大災厄』が起こるのは、10回に1、2度ほどの頻度に過ぎず、その信憑性はけして高いものとは言えなかった。

 そのせいで私自身も、デマばかりの予言をしたとして、動画サイトを追い出されてしまったし、学園独自のローカルネットでも本気にしてもらえず物笑いの種になっており、現在はこうして面と向かってクラスメイトや王子様から、一方的に罵られていたりした。

 このままであれば下手すれば、魔女裁判にかけられるかも知れないというのも、あながちオーバーな話でもないだろう。

 現代日本からの『転生者』によって、量子論を中心とする現代物理学が伝えられて以来、ラプラス教会が教義の拠り所としていた、決定論を中心とする古典物理学はすっかり権威を失い、『神はサイコロを振らない』などと言っていたら、他の国の三歳児から笑い物にされる有り様で、ただでさえ世界宗教の座を『聖レーン転生教団』に奪われてしまい、追いつめられているところに、最後の拠り所であるこのコニャック王国において、最上級の権力者である公爵家の娘が、かつての『魔女』さながらに『大災厄の予言』なぞを始めたりしては、とても見過ごすことはできないであろう。


 きっとそのうち教会は、本気で私の弾圧に乗り出して、もしも私が教会に対して恭順の意を示さずに、頑なに自分の『予言』に固執したりすれば、公爵令嬢の身分を剥奪した上で、拷問にかけて『偽りの自白』をでっち上げて、処刑してしまうであろう。

 せっかく自分の人生をなげうってまでして、『悪役令嬢としての破滅の運命』から逃れることができたというのに、これでは元の木阿弥ではないか。


 ──いや、違う。


『悪役令嬢としての破滅の運命』は、あくまでも私の個人的事情であるが、『大災厄』のほうは、下手したら大勢の人々が犠牲になるかも知れないのだ。

 私のことはいくらでも、『魔女』と呼び、後ろ指を指し、弾圧するがいい。

 だがけして、私は『予言』をすることを、やめやしない。


 一人でも多くの人を、理不尽な狂ったゲームの世界の、『大災厄』から守るために。




「……そういう、独りよがりの犠牲精神なんて、何の意味もないから、やめといたら?」




 ──完全に自分の思考に埋没していた、まさにその時、突然かけられる、まったく聞き覚えのない、涼やかな声音。


 思わずうつむけていた顔を振り上げれば、そこには、かの魔法と科学のバイブリッド大国ホワンロン王国が誇る、王立量子魔術(クォンタムマジック)学院の男子生徒の制服に、均整の取れた長身を包み込んだ、掘りが深く金髪碧眼の見目麗しい貴公子が、私のすぐ目と鼻の先にたたずんでいた。


「き、貴様、何者だ! どこからこの女学園に、忍び込んできたのだ⁉」

 驚愕に目をむきながらも、すかさず誰何する、アラミス王子。

 しかし、そんな王族の詰問に対しても、涼しい笑顔を微塵も揺るがすことない、謎の闖入者。

「僕かい? 僕は『真の王子様』さ、よろしくね。──『偽物の王子様』♡」

「なっ、お、俺が──コニャックの次期国王である、このアラミス=ケージ=コニャックが、偽物だと⁉」


「ああ、本来僕たち王子様は、何よりも姫君を守らなきゃならないというのに、何だい、君ときたら、よってたかって、こんな可憐な女の子を責め立てて」


 ………………え、もしかしてその、『可憐な女の子』って、私のこと⁉


 これまでけして言われたことのなかった、思いがけない賛辞に、私が我を忘れて上気していれば、そっと差し出される、まさしくおとぎ話の王子様そのままの、白魚の指先。

「──さあ、行こう」

「い、行くって、どこへですか?」




「本来君が向かうべき、すべての『偽りの運命』から解き放たれた、自由という名の未来だよ」




「──っ。は、はい!」




 そのまさしく、私が『真に聞きたかった言葉』を聞くことによって、もはや一切の迷いもなく、その『救いの手』を取った。


 すると驚いたことに、アラミス王子から、制止の声がかけられたのである。

「お、おい、待ってくれ! おまえほんのこの前、ホワンロン王国の第一王子からの、婚約の打診の話をお断りしたんじゃなかったのか⁉」

 ………………いけね、そういえば、そうだったっけ。(第96話参照)

「ふふ、気にすることはないよ、僕たちはまさに今日この日より、二人の未来を共に築いていけばいいのだから」

「え……」

 むちゃくちゃ甘い笑顔で、色っぽくささやきかけてくる王子様。

「何この、突然のモテ期⁉ 私のような喪女にも、こんな奇跡が起こるわけ⁉」

「何が、喪女だ⁉ 我が王国一の、美少女のくせに!」

「そうよ! その美貌を鼻にかけて、王子様の婚約者の座を恵んでもらった、わたくしがどんなに悔しい思いをしていることか! そりゃあ、あなたのことをいじめたくなるのも、当然でしょう⁉」

「お見合い写真を一目見た時から、ぞっこんだったというのに、出家するとか自殺するとか言って、全面的に拒否しやがって! 俺がどんなに傷ついたかわかるか⁉ そいつとの『婚約拒否』を白紙に戻すというのなら、俺との『婚約破棄』も取り消せよ!」

 なぜかオリビア嬢まで一緒になって、不可解なことをわめき始めるアラミス王子。

「……やれやれ、ここでも、『主観キャラの自分自身の描写不足の弊害』が、起こっていたのか。──いいかい、君ってかつて傾国の美女と謳われた、現トラバス公爵夫人である母君の美貌を、そっくりそのままに受け継いでいる、大陸指折りの超絶美少女なんだよ?」

「ははは、何その無駄トンデモ設定。私実は、現代日本のアラサー独身OLに過ぎないから、わかんなあい☆」

「まあ、時にはそのように現実逃避するのは構わないが、自分の人生そのものを否定するのは、けして赦されることではないのだよ?」

「え、それって、どういう……」

 そしてその、『真の王子様』を自称する麗人は、超弩級の爆弾発言をぶちかました。




「君はけして、『ゲンダイニッポン』の乙女ゲームマニアのアラサーOLなんかではなく、コニャック王国公爵令嬢である、アネット=テルミン=トラバス以外の何者でも無いのであり、この世界そのものも、けして乙女ゲーム『わたくし、悪役令嬢ですの!』なんかではなく、れっきとした現実世界なのであって、だからこそ君たちの『ゲームの知識による予言』は、けして完璧に的中することはないのさ」

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