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第八十四話、わたくし、『ちょい悪令嬢』になりましたの。【新年記念特別編】(その6)

ちょい悪令嬢「──謹賀新年、パート(シックス)‼ 三が日は終わりましたが、松が取れるまでは、まだまだ正月気分は有効ですよ! 今回も前回に引き続き、【新年特別座談会】の第6回目を、わたくしこと『ちょい悪令嬢』を司会に、いつもの量子魔導クォンタムマジックチャットルームより、いつものメンバーを交えて、昨年の反省と本年の抱負について、熱き激論を闘わせていきたいかと存じます! 読者様並びに参加者の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします!」




ちょい悪令嬢以外の全員「「「よろしくお願いいたしまーす!!!」」」




ちょい悪令嬢「──さて、前回及び前々回は急遽予定を変更して、『正統派ヒロイン、アイカ=エロイーズ嬢を、いかにして目立たせていくか?』を中心テーマとして、いろいろと愉快な議論や騒動をついうっかり楽しみすぎてしまいましたが、今回こそは当初の予定に立ち返りまして、いよいよ【魔王と勇者編】(仮称)の中核を担う、『魔王と勇者との関係性』について、前回に引き続いて当の魔王様であるHN(ハンドルネーム)おう陛下たん』さんを始め、彼女のお姉様方である『サンタ・コサンタ・マゴサンタ』さんと『アグネス聖下たん』さんに、更には勇者であられる『えろいか』さんと、今回主に解説役を担っていただく予定の、『都市伝説』に関する専門家であられる『メリーさん太』さんを、前回同様スペシャルゲストとしてお迎えして、大いに語り合っていきたいかと思います! ゲストの皆さん、今回もよろしくお願いいたします!」




アグネス聖下たん以外のゲストの皆さん「「「こちらこそ、よろしくお願いいたします!!!」」」




アグネス聖下たん「…………」




ちょい悪令嬢「──あれ? 『アグネス聖下たん』さん、何だか浮かない御表情ですが、いかがなされたのですか?」


アグネス聖下たん「……のう」


ちょい悪令嬢「はい?」


アグネス聖下たん「ちょっと、聞きたいことが、あるのじゃが……」


ちょい悪令嬢「はあ、何でしょうか?」




アグネス聖下たん「我が、この座談会に参加している意味は、本当にあるのじゃろうか?」




ちょい悪令嬢「……」


かませ犬「……」


メイ道「……」


真王子様「……」


ジミー「……」


妹プリンセス「……」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「……」


おう陛下たん「……」


えろいか「……」


メリーさん太「……」




アグネス聖下たん「な、何じゃ⁉ みんなして黙りこくりおって! 何で否定してくれぬのじゃ⁉ ……そうか、やっぱりそうなのか。やはり我は、いらない教皇なのじゃな⁉」




ちょい悪令嬢「──ま、まさか、そんな!」


かませ犬「『いらない教皇』だなんて、とんでもない! 俺を始めとしてこの大陸中に存在している、文字通りの『信者ファン』たちにとっては、アグネス聖下たんこそが、この地上における『神の具現(カミアイドル)』そのものですぞ!」


メイ道「そ、そうですよ! かの栄えある聖レーン転生教団の教皇聖下であられるあなた様こそが、スペシャルゲスト中のスペシャルゲストに決まっているではございませんか⁉」


真王子様「確かに『サンタ・コサンタ・マゴサンタ』ちゃんもおう陛下たんも可愛いけれど、『ロリBBA』のアグネス聖下たんがおられぬとなると、魅力半減。やはり『ロシアンサンタ三姉妹』は、こうしてお三人方がおそろいになってこそ、至高というもの!」


ジミー「そうそう、誰も『ええっ! 自分がこの座談会に必要ないことを、今頃気がついたの⁉』なんて、思っていませんから!」


妹プリンセス「前回まったく出番が無かったというのに、今回もこうしてわざわざお顔を出されたこと自体が、見上げた根性でございますわ」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「うんうん、やっぱり何事も、参加することにこそ、意味があるよね!」


おう陛下たん「……アグネスお姉様、頑張ってください」


えろいか「あのさ、そんなことどうでもいいから、むしろ私たちのこの『コスチューム』のほうを、どうにかしてくれない? 何で前回同様、司会の『ちょい悪令嬢』さんと我々ゲストの全員が、またしてもミニスカサンタコスなんか着せられているのよ?」




アグネス聖下たん「──なっ、『そんなことどうでもいい』とは、何たる言い草じゃ! それに他の者の発言も、単なる我に対する『褒め殺し』みたいなものに過ぎず、しかも最後のほうになるほどぞんざいになっていって、いかにも思わずといった感じで本音が漏れ出しているではないか⁉」




最後のほうの発言者たち「「「あ、いけねw」」」




アグネス聖下たん「──ぐおおおおおおおっ! な、何が『いけねw』じゃ⁉ もういい! 我は帰らせてもらうからな!」




メリーさん太「まあ、待つの」


アグネス聖下たん「『都市伝説』ごときが、余計な止め立てをするでない!」


メリーさん太「気を静めて、あたしの話を聞くの。『都市伝説』だからこそ、わかることもあるの。あなたは間違いなく、今回の話し合いに是非とも必要な存在なの」


アグネス聖下たん「……何じゃと?」


メリーさん太「他の誰を信じなくても構わないけれど、今回のメイン解説者である、このあたしの言葉だけは信じるの」


アグネス聖下たん「……う、うむ、超常の存在である、そなたがそこまで言うのなら、一応のところ、信じてやってもよいが」


メリーさん太「感謝するの。そして今回話し合う議題テーマにおいては、あたしやあなたが『超常の存在』であることこそが、最大のポイントとなっているの」


アグネス聖下たん「ほう、そうなのか?」




ちょい悪令嬢「──はいっ、まさしく『メリーさん太』さんのおっしゃる通りでして、実はそれこそが今回の議題テーマの中核を担っていると申しても過言ではないのです! どうやら『アグネス聖下たん』さんも落ち着かれたようですし、これ以降は司会であるわたくしと解説役である『メリーさん太』さんとの間で、『質疑応答』の形でもって、今回の議題テーマである、『魔王と勇者との関係性』についての解説を進めていこうかと存じます。──『メリーさん太』さん、よろしくお願いいたします!」




メリーさん太「こちらこそよろしく、なの」




ちょい悪令嬢「さて、『魔王と勇者との関係性』と申しましたが、もう少々具体的に言えば、魔王と勇者だけではなく、聖レーン転生教団の教皇様や、サンタクロースや、そして他ならぬ『メリーさん』のような、いわゆる『超常の存在』が、『ゲンダイニッポン』はもちろん、特にこの世界のような『異世界』において、どうして存在し得るのかについて、詳細なる解説を行っていこうかと思っております」


メリーさん太「任せておくの。──ただし、今挙げられた『超常の存在』については、大きく二つに分けられるの」


ちょい悪令嬢「……ああ、『勇者』については、一応別扱いにするわけですね?」


メリーさん太「そうなの、彼女についてはこの座談会において、以前ちょっぴり触れていた通りなの」


ちょい悪令嬢「第81回ですね。つまりは、本作におけるいつものセオリー通りに、『勇者の覚醒とはただ単に、集合的無意識との新たなるアクセス経路チャンネルが開くことに過ぎない』、ということでした」


メリーさん太「それだけでも、大したものなの。言わばこれまでの異世界転生や転移作品(モノ)における、『勇者』というもの自体の定義を完全に覆しかねない、コペルニクス的新解釈なの」


ちょい悪令嬢「──では、読者様に対するお約束通り、今回はこの件について、詳しく述べることにいたしましょう。本作における『勇者の覚醒』と、既存作のそれとは、一体どのようなところが異なっているのですか?」


メリーさん太「これまでは、極ありふれた異世界人がある日突然、勇者や大賢者や、場合によっては魔王のような、強大な力を有する超常の存在に覚醒する場合は、やはりある日突然、強大な力を授かったり、いわゆる『前世の記憶』を思い出したり、それこそ大昔の勇者や大賢者や魔王の魂の取り憑かれることによって、まさしく()()()()()()()()()()()『覚醒』を果たしていたの」


ちょい悪令嬢「ふむふむ、わざわざ傍点を振って『まったく別の存在』となることを強調したということは、そこがポイントなわけですね?」


メリーさん太「それに対して、本作においてはあくまでも、ただの異世界人がただの異世界人のままで、勇者や大賢者や魔王として目覚めるの。しかも強大な魔導力は元々身の内に秘められていたに過ぎず、覚醒と同時に新たに授かったわけではないの」


ちょい悪令嬢「まあ、一応ここはファンタジーワールドですからね、勇者や魔王レベルの魔導力を秘めた人間が、普通の家庭に生を受けることも、けしてあり得ない話ではないでしょう」


メリーさん太「とはいえ、ただ膨大な魔導力を秘めているだけでは、駄目なの。やはり『勇者』として目覚める者は、魔族の悪行や王侯貴族の腐敗をけして赦さぬ、人一倍強い『正義の心』が必要だし、『魔王』のほうは、たとえ人間たちから『悪』と呼ばれようが、自分たち魔族にとっての『正義』を貫くために、人殺しや侵略戦争さえも厭わない、純粋なる『悪の心』が必要なの」


ちょい悪令嬢「……ああ、まさに、本作においても何度も言及してきた、『集合的無意識という名の女神は、己の欲するものに対して不断の努力をしてきた者に対してのみ、微笑む』というやつですね?」


メリーさん太「真に勇者や魔王になることを欲した者のみが、集合的無意識とのアクセス経路チャンネルをもたらされて、過去の世界や他の世界に存在していた、真の勇者や魔王の『記憶や知識』を、いつでも好きなだけ己の脳みそにインストールして活用できるようになり、身の内の膨大なる魔導力を使いこなせるようになるのはもちろん、勇者や魔王としての個人的戦闘力や軍事的戦略能力や領地経営術等々といった、真の『英雄』や『支配者』として必要不可欠な資質を得ることになるのは、至極当然な仕儀に過ぎないの」


ちょい悪令嬢「もちろんその境地に至るまでには、本人自身が不断の努力に精進し、『正義』であれ『悪』であれ、純粋なる精神を維持し続けなければならないわけですね? ──いやあ、たとえ身の内に膨大な魔導力を秘めていようと、普通そんなこと無理でしょう」


メリーさん太「そうであるからこそ、()()()()()()()である集合的無意識に、勇者や魔王として選ばれることになるわけなの。何の努力もしないで、ただの『ゲンダイニッポン人』の転生者が、『女神』を名乗るナニモノかによってチート能力を与えられて、勇者や魔王になれるなんて、三文Web小説がはびこっているようだけど、ちゃんちゃらおかしいの」


ちょい悪令嬢「……え、ええと、何だか危険な発言が飛び出してきましたが、確かに何ら努力もせず、しかも崇高なる意志すらも持たず、勇者や魔王なぞといった超常なる存在になれるなんて、やはりどう考えてもおかしいですよね」


メリーさん太「つまり本作は、いわゆる『精神論』的意味合いからも、『勇者の覚醒』というものの、大革命を断行しているということなの」


ちょい悪令嬢「そもそもいくら強大な魔導力を身に秘めていようと、いきなり『前世の記憶』などといったうろんなものに目覚めて、世界の運命を左右しかねない『勇者』として、自他共に認められるなんて、あまりにも非現実的ですからね。やはり『集合的無意識とのアクセスによるもの』であったほうが、より現実的でしょう。しかしすごいものですね、集合的無意識って。本作全体における基本的セオリーであるとはいえ、まさか『勇者の覚醒』まで司っていたなんて」


メリーさん太「本編においても、『大昔の英雄』の魂──ぶっちゃけこれすらも集合的無意識からもたらされた単なる『記憶や知識』に過ぎないのだけど──が、述べていたけれど、『勇者とは世界の意志を代行するために生み出されたもの』とは、まさしく言い得て妙なの。つまりここで言う『世界の意志』とは、まさしく集合的無意識そのもののことなの」


ちょい悪令嬢「無数の人々の意志の集合体こそが、『世界の意志』そのものであるというのは、非常に納得のいくところですね。──ところで、いつの間にか『勇者としての覚醒』のみに議論が限定されているようですが、『魔王の覚醒』については、話が異なってくるわけなのでしょうか?」


メリーさん太「そうなの、まさしく、これからが本番なの」


ちょい悪令嬢「ほう、本番、とおっしゃると?」


メリーさん太「一言で言うと、魔王やサンタクロースなどと言ったものは、あたしと同じく、いわゆる『都市伝説』のようなものなの」


ちょい悪令嬢「え? 都市伝説ですって? 魔王がですか? ……ええと、それで、勇者は違うわけなのですか?」


メリーさん太「勇者は基本的に、『人間(サイド)』の存在であり、転生者であろうが生粋の異世界人であろうが、普通の人間がなるものだから、一応のところ該当しないの」


ちょい悪令嬢「……ああ、そうですね。最近のWeb作品には、『ゲンダイニッポン人』の転生者が魔王になるものもありますが、肉体的には魔族だったりしますからね」


メリーさん太「まあ、人間と魔族との違いもあるけれど、今回は、『もう一歩』踏み込むの」


ちょい悪令嬢「へ? もう一歩踏み込むって……」


メリーさん太「魔王なんかを、これまでの本作におけるセオリーに則って、集合的意識を介して『過去や別の世界の真の魔王の記憶や知識』をインストールされた、生粋の異世界の人間や魔族ではなく、もっと『概念的存在』として見なすことにしたの」


ちょい悪令嬢「な、何ですその、概念的存在って?」


メリーさん太「これこそが、『都市伝説』的存在と言うことなの」


ちょい悪令嬢「はあ」


メリーさん太「例えば、そもそもどうして、『ゲンダイニッポン』の都市伝説であるあたしが、今こうして、この異世界にいると思うの?」


ちょい悪令嬢「……えっ、今更そこに突っ込むの?」


メリーさん太「この作品のセオリーに則って、単なるこの異世界の生粋の幼女が、集合的無意識を介して、『ゲンダイニッポンのメリーさんの記憶や知識』をインストールされて、自分のことをまさしく『妄想癖』的に、『あたし、メリーさん』と言い張っているだけかしら?」


ちょい悪令嬢「──うえっ、何か、答えづらい、質問が来た⁉」


メリーさん太「それとも普通のWeb作品みたいに、『都市伝説』が、異世界転移や転生を果たしたとでも?」


ちょい悪令嬢「ノーコメント、でお願いします」




メリーさん太「──いいか、愚民ども、よく聞くの! メリーさんには、集合的無意識も異世界転生も、必要ないの! そもそも『都市伝説』というものは、誰か一人でもその『概念』を認識すれば、たとえそこが『ゲンダイニッポン』だろうが異世界だろうが、その瞬間に存在することになるの!」




メリーさん太以外の全員「「「──あっ!!!」」」




ちょい悪令嬢「そうか! それこそが、『概念的存在』、ということなのですね!」


メリーさん太「もっとわかりやすい例えとして、『クリスマス』や『ヴァレンタインデー』が挙げられるの。クリスマスやヴァレンタインデーなんて、元々それ自体形を持たない『概念的存在』であったところに、戦後ニッポンに導入されて以来、その元来の存在意義すら忘れ去られて、単に悦楽的商業主義的な『ハッピーイベント』としての『概念』だけが、一人歩きしているの。──だけど、たとえ正当なるカトリックの上級の僧侶であろうとも、『ニッポンのクリスマスやヴァレンタインデーは偽物だ! ニッポンにはクリスマスもヴァレンタインデーも存在しやしない!』なんて言えるかしら? たとえ誰が否定しようとも、現にすべてのニッポン人が、クリスマスやヴァレンタインデーの『概念』を認識している限り、ニッポンにおいては厳然と、クリスマスやヴァレンタインデーが存在していると言い切れるの」


ちょい悪令嬢「……なるほど、その理論からすると、たとえ『あちらの世界』とは文化的宗教的基盤をまったく異にする、この異世界においても、数多の転生者によってクリスマスやヴァレンタインデーの『概念』がもたらされて、すっかり根付いてしまった今となっては、この世界においてもれっきとして、クリスマスやヴァレンタインデーが存在していると言えるわけですよね」


メリーさん太「そういうことなの。しかもこれはあくまでも、皆さんよくご存じの『シュレディンガーの猫』みたいに、『観測されて初めてその存在が確定する』といった、量子論の基本原則に則っているのであり、けしてこれまでの本作のセオリーに背いているわけではないの。──そしてこれは、私たち『都市伝説』についても同様であり、また、だからこそ、サンタクロースや魔王が『概念』として、この異世界に存在し得ることになるの」


ちょい悪令嬢「クリスマス繋がりで、サンタクロースが『概念的存在』というのは、わかりますが、魔王もですか?」


メリーさん太「『概念的存在』や『都市伝説的存在』では、わかりにくかったら、ファンタジーワールドらしく、『精霊的存在』あるいは『妖精的存在』と言い換えるの」


ちょい悪令嬢「せ、精霊って、魔王がですか⁉」


メリーさん太「魔王やあたしメリーさんはともかく、サンタクロースが精霊と言うのなら、理解できるのでは?」


ちょい悪令嬢「ああ、はいはい。サンタクロースを実在の聖ニコラウスと分けて位置づけるのなら、人間とか妖怪とかではなく、『精霊』というのが一番しっくりきますね」


メリーさん太「確かな物理的存在でなくても、誰もがその『概念』を知ってて、しかも世界中の子供たちにたった一夜にしてプレゼントを配ることができるという、超常的存在。まさしく『おとぎ話(フィクション)』の住人として、ドラゴンやエルフなんかと同じく、精霊という大きなくくりに入れても問題はないの」


ちょい悪令嬢「……確かに。つまりメリーさんにとっては、『精霊=都市伝説的存在』であり、メリーさん自身や魔王も含まれているとおっしゃりたいわけで?」


メリーさん太「なぜなら、まさしく私たち『都市伝説』の概念は、今言った『精霊』の概念そのものなの」


ちょい悪令嬢「……だけど、魔王を精霊とか都市伝説とかの範疇に含むのは、少々無理があるのでは?」


メリーさん太「だから、今回の【魔王と勇者編】では、それを『一歩進めた』わけなの。その契機になったのが、まさしく【クリスマス特別編】なの」


ちょい悪令嬢「ああ、元々は、魔王と転生教団の教皇が双子であるといった設定でしかなかったのが、【クリスマス特別編】を急遽作成したために、ロシア地方のサンタクロースの孫娘を加えて三つ子になってしまったのでしたよね」


メリーさん太「これまでの流れから、サンタクロースの孫娘が、都市伝説や精霊のような『概念的存在』であることについては、議論の余地は無いかと思われるの」


ちょい悪令嬢「なるほど! そうなると当然、彼女の姉妹である魔王や教皇も、都市伝説や精霊のような、『概念的存在』になってしまうというわけですね!」


メリーさん太「そうなの。そしてこれは、本作にとっても、非常に都合のいい『新見解』だったの」


ちょい悪令嬢「うんうん、たった7歳ほどの幼女が、魔王や教皇なんぞを務められているのも、実は精霊や都市伝説的存在であるからということになれば、誰もが納得ですもんね!」


メリーさん太「そのような概念的存在でありながらも、ちゃんと肉体を持っていて、しかも長女の『スネグーラチカ』嬢なんかは小学校にも通っているなんて、いかにも御都合主義的設定も、ファンタジーワールドであるこの世界なら許されるの」




ちょい悪令嬢「──おお、つまりラノベやWeb小説なんかでお馴染みの、『ロリBBA』の類いは、実は精霊や都市伝説といった、概念的存在であったわけですね♡」




メリーさん太「……何で、『ロリBBA』に限定するのかわからないけど、何を他人事みたいに言っているのやら。まさしくあなたのような『悪役令嬢』も、立派な都市伝説的存在なのに」




メリーさん太以外の全員「「「………………………………は?」」」




ちょい悪令嬢「いやいや、ちょっと待って! どうしてわたくしが、都市伝説的存在なのですか⁉」


メリーさん太「そもそも身分関係が厳然と確定されている貴族社会の中で、あえて下級貴族をいびり倒す上級貴族の令嬢や、分不相応に何かと出しゃばる平民出身の男爵令嬢なんて、いるはずがないの。下手すると実在の少女漫画や乙女ゲームの中でもほとんど見受けられない、Web小説界隈にだけに存在が許された、ステレオタイプの二次創作的キャラクターに過ぎないの」


ちょい悪令嬢「──わたくしの存在そのものが、全否定された⁉」


メリーさん太「そんなことはないの。あくまでも『概念的存在』であると言っているだけなの。──まさしく、都市伝説や精霊のように」


ちょい悪令嬢「……わたくしが……悪役令嬢が、メリーさんやサンタクロースと、同じような存在でしかないですって?」


かませ犬「……気を落とすなよ、『わたくし、悪役令嬢()()』」


メイ道「そうですよ、都市伝説や精霊であると言うことは、これから年をとることがないと言うわけで、女性としてはむしろラッキーではないですか?」


真王子様「おおっ、つまりは、『永遠のロリ』ってわけか⁉(ジュルリ)」


ジミー「いや、都市伝説や精霊であられるのなら、不老不死だけではなく、TSくらい余裕でやってもらわなければ」


妹プリンセス「……また、自分の趣味に走って。──でも、アルテミスお姉様が、いつまでもそのお姿でおられるというのは、まさに願ったり叶ったりですわ♡」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「──やったね! これで君も、私たちの仲間だ! 歓迎するよ!」


アグネス聖下たん「……我も、自分が都市伝説や精霊の類いだなんて、認めたくはないのだがな」


おう陛下たん「右に同じ」


えろいか「いや、完全に人間である私まで、何で同じくくりに入れられているの?」




メリーさん太「というわけで、大方の意見は、歓迎の意を表しているの。──ようこそ、我々都市伝説の、クレイジーワールドへ♡──なの」




ちょい悪令嬢「誰がそんな世界に、行ってたまるものですか⁉ よってたかって人を馬鹿にして! ──いいでしょう、次回は私の大の信奉者である、『彼女たち』を召喚して、ぐうの音も出ないようにさせて差し上げますわ!」




えろいか「──ちょっと、まさか、『彼女たち』って⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、私の忠実なるしもべたる、『アラサーOL』のお二人ですわ」


えろいか「やめるんだ! (この作品の)世界(観)を、壊してしまう気か⁉」




ちょい悪令嬢「私のことを都市伝説なぞと決めつけようとする、こんな狂った小説セカイなぞ、滅び去ってしまえばいいのです! ──では、読者の皆様、次回より【魔王と勇者編】における、最大の核心に迫っていきますので、乞うご期待!」




えろいか「司会者が完全にへそを曲げて、勝手にコーナーを終わらせてしまった⁉ 一体どうするんだよ、メリーさん!」




メリーさん太「あたし、メリーさん。今緊急のメールが入ったから、失礼させてもらうの。田舎の父方のおばあちゃんが、危篤なの。今すぐ駆けつけなければならないの」




えろいか「何その、雑な言い訳⁉ しかも、ツッコミどころが多すぎるよ! ──てか、もうすでに、誰もいなくなった? ひどい、この薄情者どもが!」




えろいかの心の声①『──大丈夫、あなたには、()()()がいるじゃない?』




えろいか「……え、だ、誰?」




えろいかの心の声②『──私たちは、あなた』




えろいかの心の声①『──あなたの、本当の欲望の、具現』




えろいかの心の声②『──だからあなたは私たちに、身も心も明け渡せばいいの』




えろいかの心の声①&②『『──後のことはすべて、私たちがうまくやるから』』




えろいか「……ちょ、ちょっと待って! ──嫌っ、私をこれ以上、『浸食』しないで! ──やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめて────いやあああああああああああああああああ!」

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