第五十九話、わたくし、『ちょい悪令嬢』になりましたの。【PV10000アクセス達成記念特別編】(その2)
ちょい悪令嬢「──さて、今回も前回に引き続き、作者の『小説家になろう』様初投稿一周年と、本作のPV10000アクセス達成を記念して、本作の成り立ちやこれまでの経緯についてはもちろんのこと、作者自身のこの一年間にわたるWeb小説創作活動全般についても詳細に振り返っていく、『ボイスチャット座談会特別編』の第2回目を、私こと『ちょい悪令嬢』を司会に、いつもの量子魔導チャットルームより、いつものメンバーでお送りいたします!」
かませ犬「……あー、やっぱりこれって、続くのかあ」
ちょい悪令嬢「──あ、え、ええ」
かませ犬「……そうなんだ」
ちょい悪令嬢「は、はい」
かませ犬「……」
ちょい悪令嬢「……」
かませ犬「……」
ちょい悪令嬢「──い、いえ、私もですね、本当は今回から、本編に戻るつもりではいたんですよ⁉」
かませ犬「……ほう、それがどうして結局、こうなったわけ?」
ちょい悪令嬢「実は、前回において、どうしても言及すべき議題が残っていたのを、後からになって気がついたのです!」
かませ犬「……へえ、そうなの?」
ちょい悪令嬢「──あっ、信用されていませんね? 何と、かませ犬さんにも、関わり合いがあるかも知れないんですよ?」
かませ犬「えっ」
ちょい悪令嬢「どうです、このように言われれば、確かめてみたくなるでしょう?」
かませ犬「そ、そりゃあ、そうだけど……」
ちょい悪令嬢「──ということで、毎度お馴染みの、いろいろとうるさい『クレーマー』もどうにか黙らせたので、さっさと今回の座談会を開始いたしましょう!」
かませ犬「誰が、クレーマーだ⁉」
ちょい悪令嬢「(無視)さて、今回取り上げる議題に合わせての、スペシャルゲストは、前回に引き続き、このお二方です!」
人形遣い「──どうも♡」
アグネス聖下「………………(ムスッ)」
ちょい悪令嬢「──そうです! 表面上笑顔ですが目だけが笑っていない、他称『海底の魔女』の、聖レーン転生教団枢機卿のご子息、マリオ=ネット=ワタツミ様と、見るからに不機嫌さを隠そうとはなさらない、聖レーン転生教団の現教皇、アグネス=チャネラー=サングリア聖下であらせられます!」
アグネス聖下「……のう」
ちょい悪令嬢「はい、何でしょうか、聖下?」
アグネス聖下「実は、前回から、ずうっと、考えておったのじゃが……」
ちょい悪令嬢「はい」
アグネス聖下「──我がここにいる意味は、本当にあるのかえ?」
ちょい悪令嬢「……」
かませ犬「……」
メイ道「……」
真王子様「……」
ジミー「……」
妹プリンセス「……」
人形遣い「……」
アグネス聖下「──な、何じゃその、いかにも『今頃気がついたの?』とでも言わんばかりの、あきれ果てた表情は⁉」
ちょい悪令嬢「あ、いえ、そんなこと、ありませんよ? 聖下だって、今回の座談会にとって、必要不可欠のゲストであらせられますよ?」
アグネス聖下「とってつけたような、おためごかしはよせ! 何で語尾がすべて、疑問形なんじゃ⁉」
ちょい悪令嬢「おためごかしなんて、けしてそのような。実はですねえ、先程申しました『前回どうしても言及すべきだった議題』って、ズバリ聖下に関わる事柄なのですよ!」
アグネス聖下「──むっ、そうなのか?」
ちょい悪令嬢「はい!」
アグネス聖下「……して、その議題とは、具体的には、どのようなものなのじゃ?」
ちょい悪令嬢「ほら、前回は、『海底の魔女』であられるマリオ様が、理論上『不老不死』となってまで、教団と共に歴史を刻んできたのは、ひとえに自ら死なせてしまった最愛の初代教皇であられる、『人魚姫』聖下を、代々の教皇様を憑坐として、甦らせようとしておられるからでしたよね?」
アグネス聖下「──っ。ま、まさか⁉」
ちょい悪令嬢「ええ、今回はまさにその対象であり、当代の教皇聖下であられるアグネス様自身の、『真に望まれていること』とは一体何なのか、直接ご本人に、お聞きしようかと思いまして」
アグネス聖下「──‼」
かませ犬「……た、確かに」
メイ道「教団の『裏の巫女姫』である『海底の魔女』が、遙かな時を超えて『悲願』をいだいているのなら、そんな彼女よりも更に『転生』のエキスパートである、転生教団最高の術者であられる教皇聖下が望まれることは、非常に気になりますよね」
真王子様「何せ、教皇聖下の『願い』は、教団そのものの『願い』とも、言い得るしな」
ジミー「下手したらこの座談会において、教団の真の目的が明らかになるかもよ?」
妹プリンセス「……いや、そんな本編にとっての『最重要事項』が、こんなところで明かされるわけがないのでは?」
人形遣い「──いやいや、皆さん、そんなこと別に、謎でも何でもないでしょう? 『人魚姫』が恋い焦がれるほどに求めるものといえば、『王子様』に決まっているではありませんか?」
ちょい悪令嬢「!」
メイ道「!」
真王子様「!」
ジミー「!」
妹プリンセス「!」
かませ犬「──おおっと、ははは、皆さん、どうして一斉に、ボクのほうを見るんだい? いやあ、まいったなあ、まさか聖下とボクとが、『相思相愛』だったなんて♡ 今日ほど自分が『王子様』であったことに、感謝したことはありませんよ〜」
かませ犬以外の全員「「「……うぜえ」」」
ちょい悪令嬢「……どう思われます?」
メイ道「まあ、それは、『人魚姫』とくれば、『王子様』に恋するものですけど……」
真王子様「いくら何でも、何の接点もなかった、聖レーン転生教団の教皇聖下と、我が弟ホワンロン王国第一王子との間で、恋愛感情なぞ生じるものか?」
ジミー「ていうか、王子は王子でも、実は『シン・オウジサマ』だったという、いつものオチでは?」
妹プリンセス「ま、そんなところでしょうね」
人形遣い「──いやいやいやいや、皆さんってばまたしても、こそこそ語り合ったりしていないで、直接ご本人に確かめてみればよろしいではないですか?」
ちょい悪令嬢「……それは、そうでしょうけど、基本的に敵対関係にある我々が、ご本人のキャラ設定の根幹に関わるようなことを伺って、果たして教えていただけるのでしょうか?」
人形遣い「言わばこの座談会は本編に対して『番外編』のようなものだから、ここでの発言等は本編的には『ノーカウント』ということにすれば、いいのでは?」
ちょい悪令嬢「はあ、では聖下、いわゆる『ここだけの話』ということで、どうでしょうか?」
アグネス聖下「……」
かませ犬「うんうん、アグネスたん。遠慮なんかせずに、思いの丈を、すべてぶちまけていいんだよ? ボクがすべて、受けとめてあげるからね♡」
アグネス聖下「………………」
人形遣い「殿下、その辺でやめておいたほうがいいよ? 聖下のお顔が、非常に不愉快そうになられてしまったじゃないか?」
かませ犬「ええっ、何で? ボク──いや、俺って、何かまずいことでも言ったっけ?」
アグネス聖下「構わん、どうせすべては、茶番に過ぎぬ。──そうだな? 『ユウ様』」
かませ犬「へ? 茶番って……」
ちょい悪令嬢「……『ユウ様』? そちらは私の専属メイドの、メイ──あ、いえ、この量子魔導ボイスチャットにおいては、『メイ道』ですけど」
メイ道「……」
アグネス聖下「そうか、この世界では、『メイ』と名乗っているのだな? ──まさにそのように、自分すらも含めて、誰も彼もを『女性』として書き換えてしまえば、『王子様』も何もないじゃろうが?」
ちょい悪令嬢「……書き換えた、って」
アグネス聖下「すでにこの座談会においても、何度も話題に上ったであろうが? 『作者』じゃよ、『作者』のユニークスキルによって、我にとっての『王子様』はおろか、主要なキャラクターはほぼすべて、女性化されておるのだ」
ちょい悪令嬢「え、でも、いかな『作者』とはいえ、男性を女性にするなどといった、『物理的改変』は不可能なはずじゃ?」
アグネス聖下「それは『内なる神』の話じゃろうが? もちろんここでいう『作者』とは、この世界の外側にいる、文字通りの『外なる神』のほうじゃ」
ちょい悪令嬢「……どうして『作者』の力を有している方が、わざわざそのようなことを? ──と申しますか、私たちって本来は、男性だったわけなのですか? 例えば、ずっと以前のエピソードにおいて、『びーえるドージンシ』の世界にTS転生した時みたいに?」
アグネス聖下「いや、あの世界もこの世界同様に、『メインヒロイン』の純潔を守るという意味では、むしろ同じく防波堤的な『囮の世界』と言えよう。例えば『乙女ゲーム』のプレイヤーの操作キャラである『メインヒロイン』に対して、たとえ『逆ハー』状態となってしまおうとも、あくまでも純潔を守らせるためには、いっそのこと、攻略キャラたちを全員女性化させようが、操作キャラ自身を男性化させようが、同じことだからな」
ちょい悪令嬢「……はー、本来『乙女ゲーのメインヒロイン』的存在でありながら、それほどまでに『純潔であること』を厳守させられるなんて、その『メインヒロイン』さんとやらは、一体どういったお方なのでしょうね」
アグネス聖下「くくく、まさか他ならぬそなたが、そのようなことを言い出すとはな」
ちょい悪令嬢「えっ、ちょっと、まさか──」
アグネス聖下「『外なる神』である『ユウ様』によって創られた、絶対安全な『楽園』であり、また同時に絶対脱出不可能な『牢獄』でもある、まさにこの世界の『メインヒロイン』──それは、『過去詠みの巫女姫』であるそなたなのじゃよ」
ちょい悪令嬢「──‼」
アグネス聖下「何せそなたが『過去詠みの巫女姫』として覚醒する前に、純潔を失っては元も子もないからな。よってあえて、メインキャラクターのほとんどが女性である、このような歪んだ世界が創られたわけじゃよ」
ちょい悪令嬢「……じゃあ、あなたの率いる教団が、他国をけしかけて戦争を起こさせたり、直接『転生体』を操って大規模な魔物の暴走を促したりして、手を変え品を変え、私を巫女姫としての覚醒させようとしているのは」
アグネス聖下「ああ、いったん覚醒すれば、後は純潔かどうかは問題ではなくなるからな。我の『王子様』も、歪な世界の束縛から解放されるというものだ」
ちょい悪令嬢「……まさか、他ならぬこの私を焦点にして、そのようなとんでもない『裏設定』が存在していたなんて」
アグネス聖下「のう、ここは我を助けると思って、一日も早く、過去詠みの巫女姫として覚醒してはくれぬかのう?」
ちょい悪令嬢「……と申されましても、どうすれば覚醒できるかは、私自身わかりませんし」
アグネス聖下「その点については、教団が全面的にバックアップすることを約束しよう! それで、どうだね?」
ちょい悪令嬢「そう……です……ねえ」
アグネス聖下「頼む! ここは一つ、我の『人魚姫』としての、『王子様』との愛の成就という、唯一絶対の『願い』を叶えさせてくれ!」
ちょい悪令嬢「そ、そうですね、わかりまし──」
メイ道「お嬢様、騙されてはなりません。教皇聖下がおっしゃっているのは、単なる詭弁に過ぎないのですよ?」
ちょい悪令嬢「え、詭弁って……」
アグネス聖下「──ちっ、いいところで、邪魔をしおって」
メイ道「確かに『外なる神』は、何らかの作為に基づいて、自作の登場人物の性別を、歪に偏ったものにしたかも知れません。しかしそれはあくまでも小説の中の話に過ぎず、いくら『世界観』や『キャラ配置』がまったく同一であったとしても、『外なる神』の自作の小説と、この世界とは、まったくの別物なのであって、我々の性別を始めとする『属性』は、別に何者かによって仕組まれたものなぞではなく、普通に現実世界における現実の存在として、自然に設定されたものでしかないのですよ」
ちょい悪令嬢「……ああ、この作品のメインテーマの一つである、『たとえ小説やゲームそのものの世界観であろうとも、そこに存在している者にとっては、唯一絶対の「現実世界」に過ぎず、その者自身もあくまで「現実の存在」に過ぎないのだ』ってやつですね?」
メイ道「そうそう」
ちょい悪令嬢「危ない危ない、危うく騙されるところでしたわ」
アグネス聖下「むう、もう少しだったのに、『語り部』めが、邪魔をしおって」
メイ道「……いや、あなたも、こんな座談会で、作品の根幹に関わる設定をあっさり暴露しようとして、いきなり本編以上のシリアス展開に持ち込もうとなんてしないでください」
アグネス聖下「ふん、今回は惜しかったが、機会ならまだまだあるだろう。次こそは目に物を見せてやろうぞ。──のう、『ユウ様』?」
メイ道「……懲りないやつ。いや、むしろそれって、『次回も負けフラグ』じゃないの? ──それから人のこと、『ユウ様』って言うなって、言っているでしょうが?」
ちょい悪令嬢「──はい、もうちょっとで、危ないところでしたが、何とか乗り切れたということで、今回はこの辺にしておこうと思います! 次回は、いよいよ本編が再開されるのか、はたまた『特別座談会』の第三弾をお送りするのかは、まだ未定だったりするのですが、どちらにしろ『他にはない面白さ』については絶対に保証いたしますので、どなた様も、どうぞよろしくお願いいたします♡」
かませ犬「……あれ? 過去詠みの巫女姫の純潔を守らんがために、めぼしい男性キャラはみんな女性化させたって言うけど、何で俺自身は女性化していないんだ? ひょっとして俺って実のところは、『王子様とは名ばかりの、毒にも薬にもならない、本作の本筋的には、どうでもいいキャラクター』として、広く認識されていたりして⁉」




