第2330話、わたくし、伝説の『勇者パーティ』から追放された、『勇者』の伝説ですの⁉
「──イサミ=ブレイブ! 貴様を勇者パーティから追放する!」
………………………………………………へ?
いつものように、自分が所属しているクランの集会場に赴けば、既に俺以外のパーティメンバーが勢揃いして、いつに無く深刻な表情をしているので何事かと思えば、幼馴染みで大親友である、我が勇者パーティのまとめ役のサイフォンが、開口一番にとんでもないことを言い出した。
「ま、待てよ、サイフォン、俺を勇者パーティから追放するなんて、そんな馬鹿な⁉」
「……何が『馬鹿な』だ、もう俺たちは我慢の限界なんだ。──なあ、みんな!」
「ええ、もうあなたにはうんざりしているの、イサミ」
「そ、そんな、付与術士の、マリー!」
「おまえの猪突猛進ぶりは、もう俺にもカバーできねえぜ」
「盾役のガンツ、そんなことを思っていたのか⁉」
「……いくら私が治癒しても、何度でも無茶をするんだから」
「ヒーラーのアリアさん、ホント、ごめんなさい!」
「……ッたくよお、いつもいつも、俺の見せ場を奪いやがってッ」
「剣士のビリー、温厚なおまえが、そこまで怒っていたなんて⁉」
「ホント、天才のくせに天然で無神経だと、救いようがありませんよね……」
「パーティのマスコット枠の、ロリ魔術師のエミリーちゃんまで⁉ お兄ちゃん、ショック!」
「「「「「「──とにかくおまえがいたら、パーティの正常なる冒険活動ができなくなるから、いてもらっちゃ困るんだよ!!!」」」」」」
──そ、そんなあ〜。
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
「──ぶはははははは! 聞いたわよ、イサミ! あんた『勇者パーティ』を追い出されたんですってえ?」
その後、冒険者ギルドに併設されてある酒場で、憂さ晴らしに飲んだくれていると、クラン『プリンセス』のリーダーの、姫騎士のアリサが、いつものように馴れ馴れしく絡んできた。
「……何でもう、おまえが知っているんだよ?」
「何言っているの、もうギルド所属の冒険者は、ほとんど全員知っているわよ」
「へ?」
「──だって、『なろう系』には『追放モノ』はごまんと有れど、『勇者パーティ』から勇者本人が追放されるなんて、前代未聞じゃ無いのwww」
………………………………………………。
そうなのである。
本日めでたく(?)勇者パーティを追放された俺は、実は勇者以上の実力を隠し持っていた、付与術士でも、治癒術士でも、雑用係でも、女勇者の最愛の実兄でも、器用貧乏でも、ネットスーパー召喚術士でも無く、
──何と、『勇者』本人だったのだ!
……ちなみに、いかにも勇者然としていた、俺の幼馴染みのサイフォンは、あくまでもパーティのまとめ役であり、人望も指導力も無い俺なんかよりも、事実上のリーダーを担ってはいたが、ジョブは『勇者』では無く、『魔法剣士』なのであった。
「……まったく、わけがわからねえ。何で勇者の俺が、勇者パーティから追放されるんだよ⁉」
「最近、魚類最大派閥の『スズキ目』から、スズキそのものが除外されたとか言うから、同じようなものじゃないの?」
「──勇者を魚と、一緒にするなよ⁉」
「……だったらマジレスしますけど、あなたは確かに勇者だけど、あまりにも『独断専行』し過ぎたのよ。せっかくあなたに見合う実力者揃いのメンバーでパーティを組んだと言うのに、まったく連携をとろうとはせず、自分だけで力押しで万事解決しようとして、結局すべての『尻拭い』は仲間に任せて、『いいとこ取り』をするばかり。これじゃ『パーティ』の意味なんか無いから、『勇者パーティ』から最大の『邪魔者』である『勇者』を追放して、『パーティ』を正常なものにしようと思うのも、無理は無いわね」
「──うッ⁉」
……確かに、俺もちょっとばかり、『スタンドプレイ』をゴリ押しし過ぎたかも知れない。
だからって、『勇者パーティ』のうち、『パーティ』を優先するために、『勇者』のほうを排除するなんて、そんなのアリか⁉
「くそう、こうなったらこっちも新しいパーティを組んで、『勇者パーティ』を名乗ってやる! サイフォンたちのほうは、勇者である俺抜きで、これ以上『勇者パーティ』を名乗ることは許されないからな!」
「別にサイフォンたちは、『勇者』の看板なんかには、こだわっていないんじゃ無いの? 彼らの実力は折り紙付きだし。むしろ『厄介者』がいなくなって、清々していたりしてw」
「──『厄介者』とか、言うなよ⁉(マジ泣き)」
「それよりもさあ、あんたは自分のことを、心配したほうがいいんじゃないのお? 新しいパーティを組もうにも、『勇者パーティを追放された勇者』なんて、『難有り』以外の何物でも無いんだから、誰も仲間になってくれないと思うけど?」
………………………………え。
「ちょっ、まさかッ⁉」
慌ててギルドの広大なラウンジ内を見回してみたら、みんな一斉に視線を逸らしやがったのであった。
「……そ、そんな、これから俺は一体、どうすればいいんだ?」
「いっそ、『俺だけ』路線を突き進んで、ソロでレベリングしたら? それとも『追放仲間』の鈴木さんと組む?」
「──魚をまるで、人間(それも日本からの転生者)みたいに言うんじゃ無いよ⁉」
「だったら、私たちのパーティに、加入する?」
──ッ。
「……おまえらのパーティって、クラン『プリンセス』にか?」
「ええ、何と言っても、この国の第一王女である私を始めとして、全員本物の『お姫様』なんだから、モテモテになるわよ。──やっぱ追放されたら、ハーレムをつくらなくっちゃね♡」
「──本物の『お姫様』ばかりだから、嫌なんだよ⁉ おまえら世間知らずのくせに権力は有るから、俺なんかよりもよほどむちゃくちゃやっているだろうが⁉」
「……いくら権力やお金が有ろうが、『勇者パーティ』にはなれないのよ?」
「俺を加入させたい理由は、それか⁉」
「いいじゃない、これぞ『WinーWin』の関係でしょ?」
「どこがだよ⁉」
「だってこの分では、あなたを引き取ってくれるパーティなんて、他には無いわよ?」
──うぐぅッ!
「と言うわけで、勇者様はめでたく、『姫騎士パーティ』に、拾われたとさ♡」
「……ううう、これからどうぞ、よろしくお願いいたしますッ」
「あんたは新参者だから、一番の下っ端として、雑用係や荷物持ちをやってもらうわ」
「──仰せのままに、ユアハイネス!」
「それから、リーダーの私のことは、『女王様』とお呼びッ!」
「……いや、おまえは、『第一王女』だろうが?」
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メリーさん太「──おいおいおい、またいきなりすげえ【突発短編】を、ぶっ込んできたな⁉」
ちょい悪令嬢「ふふふ、びっくりしたでしょう?」
メリーさん太「……まさか、『勇者パーティ』を追放されるのが、『勇者本人』だなんて、ホント、うちの作者って、どうしてこんなことを考えつけるんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「何かさあ、今期冬アニメの感想スレを見ていたら、『アンチ』どもがうぜえんですよ。確かに最近は『追放』モノが流行っていますが、それぞれちゃんとそれなりに魅力が有るのに、『なろう系』と言うだけで全否定しやがって。だったらおまえら自身が、独創的な作品を創ってみやがれって言うんだよ⁉ これまで何十年も無駄に生きてきただけの、何も成し遂げることのできない、思考停止の能無しどもが!」
メリーさん太「……うわあ、そこまで言うこと無いじゃ無いwww」
ちょい悪令嬢「何せ、少なくとも本作の作者は、『独創性』に関しては、誰にも負けませんからね」
メリーさん太「それが今回の【突発短編】の、『勇者パーティを追放される勇者』ってわけか?」
ちょい悪令嬢「そうです、ちょっと発想を転換するだけで、いくらでもユニークな作品を創ることができるんですよ」
メリーさん太「それをしようともしないで、他人の作品にイチャモンをつけてばかりいるなんて、みっともないにも程が有るよなw」
ちょい悪令嬢「『負け犬』って言葉は、アンチどものためにあるようなものですよねw」
メリーさん太「ちょっと言い過ぎな感じもするけど、悔しかったらおまえらも、何か『成し遂げて』みろってことか」
ちょい悪令嬢「そうです、今期冬アニメにおいても、『追放系』の『勇者パーティ○追い出された器用貧乏』や、『「お前ごときが魔王に勝てる○思うな」と勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』や、『お気楽領主○楽しい領地防衛』を始めとして、その他『勇者刑○処す』も、『エ○スの聖杯』も、『魔術師クノン○見えている』も、『貴族転生 ~恵まれた生まれから最強○力を得る~』も、『29歳独身中堅冒険者○日常』も、『勇者パーティーにかわいい子○いたので、告白してみた。』も、『ヘ○モード』も、確かに基本的には『テンプレ』通りのようでありながら、ちゃんとそれぞれ『個性』が有り、しっかりと視聴者を楽しませてくれる内容となっておりますので、下手な先入観なんか投げ捨てて、一度ご視聴なされることをお勧めいたしますわ☆」




