第二十三話、わたくし、『放課後の社会科準備室で魔の手に迫られる女教師』になりましたの。
「──こんなところに新任講師である私を連れ込んで、一体何をなさるおつもりですの⁉」
すでにほぼすべての生徒が下校済みの放課後の、王立量子魔術学院の社会科準備室にて響き渡る、いまだ年若い女性特有の、甲高くも悲痛極まる叫び声。
──しかし、もとより人通りのほとんどない旧校舎の二階最奥にあっては、聞きとがめる者など、期待するだけ無駄かと思われた。
「げへへへへ、まんまとひっかかりやがって」
「まさか本当にのこのこと、こんなとこまでついてくるとはな」
「いくら学校の成績がよかろうが、しょせんは世間知らずのお嬢様だぜ」
「──これからここでたっぷりと、社会勉強を教え込んでやるよ」
「おまえと俺たちの身体を使った、実践教育でなあ」
「こんな日が来ることを夢見てしっかりと、AVの『女教師モノ』で予習してきたことだしよお」
私を取り囲んでいるのは、確かにこの王国の誉れとも謳われている、名門学院の高等部の制服を身にまとっていたものの、おのおのの顔には下卑た笑みが象られており、思春期(まっただ中)症候群ならではの、本性がむき出しとなっていた。
「──お、おやめなさい! 今なら間に合います! 私はこのホワンロン王国にあっても、一二を争う名家の娘なのですよ? こんなことをして、ただで済むと思っておられるのですか⁉ 前途ある若者が、浅慮なことをなさいますな!」
必死に相手の理性に訴えかけるものの、返ってきたのは予想以上に冷たい言葉であった。
「──けっ、その前途ある若者を、その気にさせたのは、どこのどいつだよ?」
「な、何ですって⁉」
「ただでさえ、俺たちにドストライクな、すこぶる付きの体つきをしているというのによ」
「妙に大人びた、タイトミニのスーツを着たりして」
「しかも長い髪の毛をアップにまとめて、艶めかしいうなじを見せつけたりして」
「目が悪いわけでもないくせに、いかにも男の願望の具現のテンプレ的に、インテリ度アップの縁無し眼鏡をかけたりして」
「とどめには、ただあるがままで俺たちの夢を凝縮したような、ちっちゃくてほっそりとして柔らかそうなおみ足に、黒の網タイツに、な、何と! ガータベルトまで装着したりして!」
「「「一体どこの、アダルトビデオから抜け出してきた、『いけないボクたちには☆いけない女教師の私が♡エッチなお仕置きをしてア・ゲ・ル』だよ⁉」」」
「──言いがかりも、甚だしいですわ⁉」
社会科準備室に響き渡る、私の心からの憤慨の声。
しかしそれは結局、生徒たちの嗜虐心に、火をつけただけであった。
「ええいっ、つべこべうるせえ! ──おまえら、構わないから、ヤッちまえ!」
「「「おおっ! 合点でえ‼」」」
「──きゃっ⁉ い、いやあああっ!」
リーダー格らしき生徒の一喝に応じ、たくさんの腕が掴みかかり、私の身体を机の上へと押さえつける。
たとえ講師と生徒といえども、思春期まっただ中にさしかかっている生徒たちの体格は、私に比べても大きくたくましく、それに何より多数に無勢でもあり、完全に自由を奪われてしまう。
──ああ、臨時講師として、愛着心たっぷりの母校に赴任して、初日にこんなことになるなんて。
私が一体、何をしたと言うのでしょう。
──こんな絶体絶命の大ピンチに、思い出されるのはなぜか、幼いみぎりの、『彼』との日々ばかり。
少し年上だった彼は、何かと子供じみてわがままだった私を、常に受けとめてくれる、大人な包容力を持っていた。
──そう。まさしく彼こそが、私にとっての『王子様』だったのだ。
……ああ、もしも彼がこの場にいたならば、きっと私のことを助けてくれるのに。
「……助けて、助けて、私の、王子様っ」
「げはは! おい、こいつ、『王子様』なんて、言ってやがるぜ!」
「そんな歳でもあるまいし、何を乙女チックなことほざいていやがるんだ!」
「どこぞの三流Web小説でもあるまいし、そんなに都合よく、助けなんて来るもんか!」
私のか細いつぶやきを聞き取るや、一斉にはやし立てる、今や暴徒と化した生徒たち。
──そして四方八方から伸びてくる、衣服を剥ぎ取ろうとする指先。
もはやすべてに絶望し、意識すらも手放そうとした、
まさに、その刹那であった。
「…………おまえら、一体何をしているんだ?」
その場の混乱を制するかのように響き渡る、年の割には威厳に満ちた少年の声。
生徒たち共々一斉に振り向けば、いつの間に開け放たれていたのか、入り口の手前には、一人の男子生徒の姿があった。
高等部の制服に包み込まれたすらりと伸びた長身に、わずかにウエーブのかかったブロンドの髪の毛に縁取られた、彫りが深く精悍な顔の中で輝いているサファイアの瞳という、まさしく誰もが思い浮かべる『王子様』そのものの彼こそは、一度は将来を誓い合ったことすらもある、私の幼なじみその人であった。
これぞ地獄に仏と安堵のため息をついた私は、嬉し涙ににじんだ目元を指先で拭いながら、花の蕾の唇を開いた。
「……何ですか、毎度お馴染み『かませ犬』ではありませんか? 私は王子様の登場を待ちかねていたのですよ? 肩すかしも甚だしいとは、まさにこのことですわ」
「──アル様の、おっしゃる通りですわ」
「ほんと、どこまでも空気の読めないお方ですこと」
「王子様と申せば、『シン・オウジサマ』こと、ソラリス第一王女殿下に決まっているではないですか?」
「それをいかに弟君とはいえ、せっかくの見せ場を奪うとは、まさかご自分のことを『王子様』であるとでも、勘違いなされているのではないでしょうね?」
せっかく盛り上がっていたところを、完全に空気を壊されてしまったことで、口々に非難する、私こと筆頭公爵家令嬢アルテミス=ツクヨミ=セレルーナと、暴漢改め取り巻きグループの女生徒たち。
それに対して、文字通りの招かれざる闖入者である少年は、声を荒げてまくし立てる。
「いやいやいやいやいや、ちょっと待って! 俺は間違いなく、ホワンロン王家の第一王子だろうが⁉ 何でお姫様である姉上に、『王子度』で負けているわけ? それにアル! どさくさに紛れて、『俺=かませ犬』の認識を定着させようとするんじゃない!」
「……いや、そんなに必死に言い張られているところを見るに、ご自身でも『王子様』であることに、自信がなくなられてきているのではありませんか?」
「そもそも我々女の子にとって『王子様』とは、あくまでも『自分にとって特別な存在』という意味であるからして」
「お血筋的に王子様でありながら、我ら女生徒のただ一人からも王子様として認識されないあなた様は、どなたにとっても『特別な存在』になれていないだけではございませんか?」
「それなのに、自分自身で闇雲に『王子様』であることを喧伝されていては、むしろ『自分だけの王子様』に恋い焦がれている女の子からは、『かませ犬』や『道化師』として見なされるばかりでありますよ?」
むしろ真剣極まる表情と声音で、取り巻きの方々から次々に諭されるあまりに、今やその場に膝をつきがっくりとうなだれている、第一王子ことルイ=クサナギ=イリノイ=ピヨケーク=ホワンロン殿下。
「……五、六名ほどの挙動不審な男女の生徒たちが、旧校舎へと入っていくのを見かけたから、後をつけたところ、なぜかこの社会科準備室の前で立ちつくしてしまい、怖々と室内を覗いていたところを、思いきって声をかけたら、なぜか大慌てで脱兎のごとく逃げ出していってしまって、仕方がないので俺も準備室の中を覗き込んで見ると、アルと取り巻き連中がわけのわからない猿芝居をしているといった、カオス状態ときたもんだ。──いやあ、今となっては、この有り様を見て逃げ出した連中の気持ちが、よくわかるよ。俺も下手に声をかけずに、立ち去れば良かったんだ」
とうとう膝を抱えて、いかにも情けないことを言い出すその様は、もはや『王子様』どころか、『男らしさ』の微塵もなかった。
──しかしそこには、どうしても聞き逃せないこともあったのだ。
「この部屋を覗いている方がおられたのですか? クラスメイトの方でした?」
「いや、あまり見かけない生徒ばかりだったし、下手するとクラスどころか学年もバラバラだったんじゃないか?」
「とすると、どこかのクラブの部員同士とかであられるのでしょうか? でもこの旧校舎の二階には、文化系体育会系を問わずに、クラブ活動に使われている場所なぞなかったはずですけど……」
「もしかして、彼らも別にお互いに顔見知りというわけでなく、最初あのうちの何人かが、おまえらが妙な小芝居をしているのを偶然目の当たりにして、呆然と立ちつくしていたところに、次々と人が加わってきたといったところじゃないのか?」
「……確かに、そういうこともあり得るでしょうけど、何か腑に落ちないのですよねえ」
お互いににらめっこするように、真面目な表情で考え込む、元婚約者の二人。
その二人だけの世界(w)をぶち壊すように声をかけてきたのは、私の取り巻きの方々であった。
「──ちょっと、殿下、小芝居とは、失礼な!」
「我々取り巻き一同は、本気でアル様を襲っていたのですよ⁉」
「それを邪魔したあげくに、何という言い草」
「事によれば、直接王室のほうへ、厳重に注意させていただきますからね!」
「──さっきのが本気のほうが、ヤバいだろうが⁉ 何なのおまえら、本当にアルの親衛隊的取り巻きなの⁉」
「すべては、ロリ美少女のくせに、いきなり女教師のコスプレなんかなさった、アル様が悪いのです」
「あのギャップ萌えは、反則でしょう」
「むしろ……尊い……尊い……」
「それに、取り巻きの者たちが、お仕えする悪役令嬢に対して、性的欲求を持っていて、何が悪いとおっしゃるのです?」
「むしろそれこそが、滅私奉公の原動力になっているのですよ?」
「誰がご褒美もなしに、下手すると身の破滅に繋がるかも知れない、『悪役令嬢の恋敵への嫌がらせ』に手を染めたりしますか」
「すべては、悪役令嬢の覚えめでたくなることで、いつの日か悪役令嬢を自分だけのものとするためなのです!」
「──大概の取り巻きグループは、こういった理由があってこそ、悪役令嬢に仕えているのですよ?」
「謝れ! 変な下心なしに『悪役令嬢の恋敵への嫌がらせ』に励んでいる、すべての真っ当な取り巻きグループの皆さんに、誠心誠意、謝るんだ!」
その王子様(仮?)の怒鳴り声は、社会科準備室の外へも鳴り響いていって、
当然のごとく、廊下の曲がり角に隠れながら様子を窺っていた、件の謎の生徒たちのグループの耳にも届いていた。
「──くそっ、一体何をやっているんだ、あいつら!」
「せっかく『ボス』が、例の女王直属の秘密諮問会議の席で、あの過去詠みの巫女姫候補の小娘をこの学院の臨時講師にするように仕向けてくださり、いつもは常に側につきまとっていた、実は超一級の護衛技術を隠し持つ取り巻き連中を引き離し、絶好の暗殺のチャンスが舞い込んだと思ったのに!」
「……ま、まさか、我々の正体が、ばれてしまったんじゃないだろうな?」
「それはあり得んだろう。何せまったく共通点のない生徒たちをピックアップして、こうして憑依しているのだからな」
「もし気づけるとしたら、この世界の書き換え能力を有する『巫女姫』や『女神』や『語り部』以外だと、『境界線の守護者』くらいなものだろう」
「──おや、呼んだかい?」
突然の聞き覚えのない声に、ぎょっとなり振り向く謎の生徒一団。
そこには男子生徒の制服を着込んだ、長身の麗人が、一振りの剣を手にして立ちはだかっていた。
「……それは……まさか……神剣……『トリックスター』⁉」
「──さあ、薄汚き『転生者』どもの、狩りの時間を始めようか?」
それから後に繰り広げられたのは、一方的な虐殺であった。
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
「──以上が、ホワンロン王立量子魔術学院と王城スノウホワイトに忍び込ませていた、密偵専従転生者からの報告でございますよ」
メツボシ帝国玉座の間にて、現皇帝である私の足下に跪き言上する、補佐官にして懐刀でもある美丈夫の青年、ヨシュア=エフライムを見下ろしながら、いかにもどうでもいいと言わんばかりにため息をついた。
「……そうか、学院の生徒だけでなく、例のホワンロン女王直属の秘密諮問会議に潜り込ませていた、幕僚府兵部人事課長までもが挙げられてしまったか。ふんっ、さすがは過去詠みの巫女姫のお膝元、一筋縄ではいかんか。まあ、いい。どうせ直接に武力でたたきのめせばいいだけだ、焦る必要はなかろう。──それよりも、『後始末』のほうは、万全であろうな?」
「はい、それはもう! 学院の生徒たちはもちろん、実はホワンロン王国における総元締めであった人事課長についても、遅滞なく『転生者としての記憶と知識』は削除しましたので、たとえ抜け殻のほうをいかに拷問しようが、我々にたどり着くことはできないものと思われます」
「……いつもながらの、抜け目なさなことで」
「お褒めにあずかり、恐悦至極でございます」
胸に手を当てて畏まる黒髪黒瞳に漆黒のスーツ姿の、文字通り影そのものの男だったが、その瞳だけはまるで己以外の万物を見下すかのような、絶対的な威厳が垣間見られた。
あたかも天上の神が、ほんのひとときの気まぐれに、人の形を借りて地上に降り立っているかのように。
……そういえば、いかに私が女王の地位を得る際に力になってくれたとは言え、こいつも身上がまったく不明な、謎だらけの男だよな。
そのように私が胸中で、疑念をどんどんと膨らませていたところ、
「──おお、怖い怖い。つまり俺たち『転生者』は、常にあんたらに、生殺与奪権を握られているわけだ」
不意に聞こえてきた、どこかこちらを揶揄するかのようなふざけた声に振り向けば、
そこにはツインテールの可憐な少女が、髪の長い美少女を腰元に抱きつかせながら、どこか偉そうにふんぞり返るように仁王立ちしていた。
「……『死に戻り』隊の、隊長か? おいおい、まだその姿をしていたのか」
「いや、俺が別の身体に転生し直すには、この子を殺さなくてはならなくなるけど、それはまずいんだろ?」
「あ、ああ、『百合姉妹の悪役令嬢』のお気に入りを殺してしまったんじゃ、後々面倒だからな──って、何でおまえはその、当の『百合姉妹の悪役令嬢』を連れ回しているのだ⁉」
「いやあ、いろいろと男女間のテクニックを駆使しているうちに、気がつけば片時も離してくれなくなってねえ。うひひっ、『女同士』ってのも、案外おつなものだよな」
「……そのようなことを、私に言われても困るのだが、隊長のおまえがそんな体たらくで、部隊のほうは大丈夫なのか?」
「俺がいなくても問題ないっていうか、むしろ敵さんに全然歯ごたえがないってことで、隊員どもから非難囂々なんだが、善処してはくれませんかねえ、皇帝陛下?」
「──ほう、さすがは事実上不死ゆえに文字通り無敵の、『死に戻り』の軍団ですな。しかし、次の標的は、どうでしょうね?」
そのように唐突に口を挟んできたのは、寡黙な彼には珍しく、ヨシュアその人であった。
「何だよ、腰巾着さんも、たまには自分の意見を言うんだな? ──それで、その次の標的ってのは、どんな悪役令嬢サマが、おられるわけなんだ?」
「実は、私のような補佐官──あなたの言うところの腰巾着が、どうやら『転生者』らしいのですよ」
「ほう、そいつはいいじゃないか。──で、どんなチートを持っているんだい?」
「それが何と、あなた方の世界の大国の軍隊の『特殊部隊』に、在籍の経験がお有りなそうなのです」
「……てことは、『グリーンベレー』や『SAS』や『シールズ』ってところか?」
「ええ、そうです。あくまでも『シールズ』であって、同じアメリカ海軍陸戦隊とはいえ、『海兵隊』ではないのです。いいですか、『海兵隊』ではないのですよ?」
「わ、わかったよ。何だい、『海兵隊』だったら、何かまずいのかよ?」
「激マズですので、二度とその名前を出さないように」
「……ううむ、確かにこれまで闘ってきた、魔法軍団や冒険者や勇者パーティなんかとは、比べものにならないくらい、手強そうな連中だよな」
「おお、わかりますか」
「そんなの常識だろう? 本来俺たち軍隊というのは人殺し集団なんだが、それに比べてここのようなファンタジー異世界に登場してくる、魔法軍団や冒険者や勇者パーティなんてのは、基本的には魔王やドラゴン等の人外を相手に特化された戦闘集団なのであって、卑劣な盗賊なんかは討伐することはあっても、個人的には犯罪行為等を犯しているわけではない一般兵士等を相手にした、対人戦闘の経験が圧倒的に少なく、当然のように人間を殺すことに慣れてねえ。そこいらこそが、異世界人を殺すことを何とも思っていない、俺たち『死に戻り』にとっての付け入る隙だったんだが、少なくとも精神的には元の世界の特殊部隊で、人殺しの経験を豊富にお持ちのやつが相手となると、確かに油断は禁物だよな」
「おや、そうおっしゃっている割には、余裕綽々のご様子ですな? 相手はすでに特殊部隊の技術と精神を、軍隊の隅々まで行き渡らせて、しかも大量生産に成功した、あなたの世界の『現代兵器』を装備させているとのことですよ?」
「へっ、これが実際の戦争なら、間違っても特殊部隊なんて相手にする気はないが、残念ながらこの世界は『ゲーム』そのまんまのクレイジーワールドなんだ。むしろ俺たちのような現代日本のゲームしか能がない社会不適合者のヒキニートのほうが、遙かにアドバンテージがあるってもんだよ。──それよりも例の物、用意してくれたかい?」
台詞の最後だけは、どうやら私へ向けての質問らしかったが、もちろん心当たりはあった。
「あ、ああ。すでにメツボシ重工のほうで、最終調整に入っているところだ。──しかし、本当にあの設計でいいのか? 『ゼロセン』とか言ったか、曲芸飛行には向いているようだが、とても戦闘用航空機としては使いようがないぞ? 速力や高高度能力がすでに二世代ほど時代遅れの低性能なのは言うに及ばず、あの紙のようなペラペラの防御装甲は何なんだ? おまえの国の軍隊は、自軍の兵士に対する人命尊重の精神も持たないのか?」
「いいんだよ、そもそも兵隊なんてどこの国だって、『使い捨て』がデフォルトなんだからさ。それにあれは史実通りに『特攻機』としてしか使うつもりがないんだから、身軽のほうが都合がいいし、ノープロブレムさ」
「……特攻機、だと?」
「──ああ、別にご先祖様の仇討ちってわけでもないが、英米の特殊部隊の皆様には、『死に戻り』ならではの『カミカゼアタック』を、存分に味わってもらおうじゃないの♡」