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第2291話、わたくし、タイヴァーン海峡、大空中戦ですの☆

 ──皇紀2686年1月、




 ついに、エイジア大陸随一の魔導軍事大国『ホワンロン王国』による、極東の島国『タイヴァーン』への、武力侵攻が開始された。




『──こちらワルキューレ2、現在のところ異状無し!』


『──こちらワルキューレ3、眼下の艦隊の周囲に、敵影無し!』


『──こちらワルキューレ4、もうすぐタイヴァーンの領海内に到達!』


『──こちらワルキューレ5、敵空軍の機影も無し!』


「──こちらワルキューレ1、了解! 引き続き周囲の警戒に当たりたし!」


『『『『──ラジャー!!!』』』』




 ……よし、作戦は順調だ。


 これで我が『ホワンロン王国』の、長年の宿願が叶う。


 タイヴァーンこそは、我が国の不可分の領土であり、もはや誰にも文句は言わせないぞ!


 今こそ、我ら『魔導解放軍』の、底力を見せつける時だ!


 そのように、航空魔導士部隊『ワルキューレ』の隊長にして、ホワンロン王国筆頭公爵家令嬢たるわたくし、アルテミス=ツクヨミ=セレルーナが、愛機であるラムジェット型He162『ザラマンダー』のコクピット内で、決意を新たにした、




 まさに、その刹那であった。




『──こちらワルキューレ2! 艦隊の先頭部の数艦が、突如水没!』


「──いきなりどうした⁉ 敵の攻撃か⁉」


『──爆発等は、確認できず!』


『──それどころか、依然敵影無し!』


『──まるで、海の中から、引きずり込まれたかのようです!』


 ……見えない敵から、海の中に引きずり込まれただと?




「──全機、戦闘態勢! 敵は海底の魔女、『セイレーン』の可能性有り!」




『──「セイレーン」⁉』


『──そんな馬鹿な!』


『──よもや「神聖皇国旭光(ヒノモト)」が、武力介入したとでも言うのですか⁉』


『──有り得ません! だって、あの国は、』




 しかし次の瞬間、私のけして当たって欲しく無かった予測は、現実のものとなった。




『──こちらワルキューレ5! 皇国の『サンカク諸島』のほうから、所属不明の機影、多数接近!』


『──いや、違う! 「機」影では無いッ!』


『……あれは、あれは』




『『『『航空魔法少女隊⁉』』』』




『ウフフフフフフフ』


『クスクスクスクス』


『アハハハハハハハ』




 突然哄笑を上げながら超高速で迫ってきたのは、漆黒のゴスロリドレスに身を包み、空を飛ぶ箒の上に跨がった、いまだ十歳ほどのあどけない少女たちであった。




 ……くっ、セイレーンに、魔法少女隊となると、完全に旭光ヒノモトの軍事介入では無いか?


 しかし、そんなことはけして、有り得なかった。




 なぜなら、先の大戦で大敗を喫した皇国の魔女たちは、弓状列島の周囲に張り巡らされた、『九条の結界』に阻まれて、領海より外に出て武力行為を行うことなぞ不可能なのだから。




「──くそっ、事のいきさつはさておいて、とにかく今は味方の艦隊を守るのだ! このままでは全艦を、海底の魔女『セイレーン』どもに、沈められてしまうぞ⁉」


『──だ、駄目です! こちらより圧倒的に小回りが利く魔法少女隊に翻弄されて、艦隊の救援に向かうことができません!』


『──むしろ相手の魔法攻撃にこちらが墜とされないように、防戦だけで精一杯です!』


「そもそもどうして魔女や魔法少女どもは、『九条の結界』を突破して、タイヴァーンに助力することができているんだ⁉ ──いや待てよ! 確か航空魔法少女隊は、『サンカク諸島』のほうから飛来したと言ったな⁉」


『は、はい、確かに。今回の侵攻作戦は、一応サンカク諸島も攻撃対象となっておりましたので、本国の管制も常に警戒を怠らず監視しており、間違いなくそちらから飛来したことを確認したとのことです!』


 ……そうか、そういうことか。




「──通信兵! すぐさま本国に作戦の中止を具申し、艦隊を引き揚げさせて、主力である後続部隊の出動を止めさせろ!』




『──ええっ、どうしてです⁉』


「今回の作戦は、相手がタイヴァーンだけでも成功率は半々だったのに、旭光ヒノモトまでも本格参戦したのでは、分が悪すぎる! ──急げ、グズグズしていると、手遅れになるぞ!」


『結界に閉じ込められているはずの旭光ヒノモトが、本格的に参戦て、そんな馬鹿な⁉』




「──『サンカク諸島』だ! 旭光ヒノモト固有の領土でありながら、タイヴァーンも領有権を主張している、『量子論』で言えば、『重ね合わせ』状態の島! 領有権が最終的に確定しない限りは、『旭光ヒノモトの領土としてのサンカク諸島』と、『タイヴァーンの領土としてのサンカク諸島』が、可能性的には同時に存在することになって、この状況において旭光ヒノモトの一部の部隊を『サンカク諸島守備隊』と言うことで配属させると、その瞬間その部隊に対してのみは、『九条の結界』の効力が曖昧になって、サンカク諸島の防衛のためならば、結界の境界線を越えて、軍事行動が可能となるのだ!」




『──何と!』


『──「尖閣諸島」は、「シュレディンガーの猫」のようなものだったのか⁉』


『──「台○有事は日本有事」を、「量子力学」によって証明してみせるなんて!』


『──この作品の作者は、天才か⁉』




「──そんな毎度お馴染みの自画自賛はいいから、艦隊もろとも今すぐ撤退をしないと、そのうち旭光ヒノモト&タイヴァーンの主力部隊がやって来て、全滅させられてしまうぞ!」




『『『『ら、ラジャー!!!』』』




 こうして、我が侵攻部隊は這々の体で本国へと引き揚げたのであるが、世界有数の海軍力を誇る神聖皇国旭光(ヒノモト)を敵に回した今、タイヴァーン侵攻は、事実上不可能となってしまったのだ。




 ……もちろん、我が王国首脳部の怒りっぷりは目も当てられないほどで、旭光ヒノモトに対しては、渡航自粛や留学の停止やSNS上での嫌がらせや告げ口外交等々を行ったものの、そのすべてがあまりにもショボかったので、旭光ヒノモトのほうはノーダメージであるばかりか、世界中で我が国の信用はどん底まで落ちぶれてしまったであった(トホホ)。




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




ちょい悪令嬢「……何ですか、これ?」


メリーさん太「あはは、久し振りに本格的な【本編】の登場で、びっくりしたよな?」


ちょい悪令嬢「これが【本編】と呼べるかは甚だ疑問ですが、それよりも何よりも、まるでわたくしが『悪役』みたいになっているのは、どうしてですか⁉」




メリーさん太「……いやあんた、『悪役』令嬢だろうが?」




ちょい悪令嬢「──そういえば、そうでした‼」




メリーさん太「いくら久方振りの【本編】とはいえ、主人公のあんた自身が忘れるなよ?」


ちょい悪令嬢「でもこれではまるでわたくしは、今をときめく糞ザコ『中○空軍』のパイロットみたいじゃ無いですかあ⁉」


メリーさん太「『レーダー照射』をしたまでは勇ましかったけど、その後は必死に言い訳しかしないと言う、ヘタレっぷりだもんなwww」


ちょい悪令嬢「だったら最初から、『レーダー照射』なんかするなって言うんだよ⁉ 頭『韓○海軍』かよ⁉」


メリーさん太「まあまあ、お怒りはごもっともだけど、そろそろ内容の説明に移ろうや」




ちょい悪令嬢「作成意図については、見ての通りですよ。台○や中○が『尖閣諸島は台○に帰属している』と言い張っている限りは、中○が台○に侵攻開始した際には、日本の固有の領土である尖閣への武力行使がなされたと見なされて、『専守防衛権』が発動されるわけで、これこそが『台○有事は日本有事』の論理的根拠となっているのです」




メリーさん太「……つまり日本に武力介入をして欲しく無かったら、中○は自ら尖閣諸島の領有権を放棄すべきってことか?」


ちょい悪令嬢「それをやっても無駄です。何せ台○のほうは、絶対に領有権を手放したりしませんからね」


メリーさん太「そこが不思議なんだよな、自他共に認める『親日国』だと言うのに。やはり『領土問題』となると、話は別なのか?」


ちょい悪令嬢「いえいえ、そこが台○の『したたかさ』と言うものですよ!」


メリーさん太「『したたかさ』?」




ちょい悪令嬢「ですから、さっきも言ったじゃ無いですか? 尖閣諸島が台○の領土だと主張されている限り、『台○有事は日本有事』だと」




メリーさん太「──ああっ、そうか! 台○にとっての『尖閣領有宣言』は、領土的野心と言うよりも、『日本の軍事介入を誘い込む』ための、『頼みの綱』であるわけか⁉」


ちょい悪令嬢「ね、したたかなものでしょう♫」


メリーさん太「……領土争いをしている相手を、紛争時において強引に味方につけようなんて、すげえ『軍師様』もいたものだな⁉ さすがは『真の中○』! 『三国志』の正統なる後継者!」




ちょい悪令嬢「──まあこれに気がつくことができて、しかもそれを『量子論』に基づいてエンターテインメント化してのけた、本作の作者自身も、大したものですけどね☆」










メリーさん太「……その余計な『自画自賛』さえ無かったら、綺麗にオチがついたのにな(呆れ)」

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