第2276話、わたくし、今こそ『アジア四小龍』の復活の時ですの★
「──閣下、予想通り、中○人民共和国の人民解○軍が、台○への武力侵攻を開始しました!」
「……ついに、始まったか。──よし! こちらも『四小龍作戦』を発動する! 至急各方面に通達せよ!」
「「「──はっ!」」」
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「──国家主席同志! 香港で民主派市民が、一斉に武装蜂起!」
「──シンガポールが、我が国に宣戦布告!」
「──韓国軍も、シンガポール軍に呼応!」
「……こ、これは、一体どういうことだ⁉」
「なぜこのタイミングで、香港で暴動が起きる⁉」
「まずいぞ、シンガポールや韓国が動いたと言うことは、実質的には、米軍が武力介入するも同義だぞ!」
「既に台○海域には、韓国軍の艦艇や、シンガポールの空軍機が、割って入ってきておる!」
「これ以上、台○への攻撃を続行すると、彼らとも戦うことになるぞ⁉」
「香港のほうも、かつての『北京某広場騒擾』のように、人民解○軍を出動させて虐殺しようものなら、国際世論が一気に我が国から離れていくのでは⁉」
「──くそッ! こちらからは下手に手を出せず、台○侵攻も強行できなくなるなんてッ!」
「どうしてあいつらは、示し合わせたように、我々ヘの攻撃を開始したんだ⁉」
「……『華僑』、だよ。我らはついに、華僑に見捨てられたんだ」
「か、華僑ですって⁉」
「しかも華僑が、彼ら自身の故郷でもある、中○を見捨てたと?」
「──一体どういうことなのですか、国家主席同志⁉」
「……すべては香港における、致命的『失策』のせいだ。『国際的商人』である華僑にとって、一番の『魂の拠り所』は、下手すると中○本国よりも、香港のほうだと言っても過言では無く、香港を始め中華圏全体が経済的に発展するのを期待して、鄧小平同志による『改革解放政策』以来、市場原理を取り入れてきた我が中○人民共和国による、『一国二制度』を支持してきたのに、我々がそれを反故にして、しかも今度は香港と並ぶ中華圏最高峰の経済拠点の台○までも、武力侵攻するなどと言い出したために、香港や台○同様の『華僑立国』であるシンガポールとしては、『次に侵略されるのは自分の番』と思うのも当然で、同じ中○人でありながら、『共産主義』や『覇権主義(=中華思想)』にこだわるあまり、中○人からなる香港や台○等の『金の卵を産む鵞鳥』を、無為にくびり殺そうとしている中○本国を、もはや『中華圏の代表者失格』と断定し、世界中の華僑勢力が一致団結して、今回のシンガポールを中心とした、台○侵攻への武力介入の実行となったわけなのだよ」
「──そ、そんな⁉」
「華僑が、敵に回ったなんて!」
「ある意味、世界そのものを敵に回したようなものじゃ無いか⁉」
「それに対して台○のほうは、シンガポール等の華僑勢力の全面的支援を受けられて、軍事面のみならず、最も危惧されていた、食糧や燃料等の補給について、盤石の体制を確立したと言っても過言では無いぞ⁉」
「しかも、既に華僑が台○を新たなる『中華圏の頭目』として認めているとしたら、我ら共産党勢力に対して、何の遠慮も無く武力行使をしてくる怖れが有るってことか⁉」
「……欧米が動けば、必ず日本も動くし、華僑の影響力の強い東南アジアはもちろん、下手したらロシアすらも敵に回り、我らは文字通りに『四面楚歌』の状況になるのでは⁉」
「──国家主席同志、いかがなさいます⁉」
「このまま、台○侵攻を続けますか⁉」
「いやそれよりもまずは、香港の反乱分子を鎮圧すべきでは⁉」
「──駄目だ! その二つを強行すると、各国は嬉々として、中○を攻撃してくるに違いない! 下手すると、核攻撃も有り得るぞ!」
「「「──なッ⁉」」」
「今すぐ台○侵攻を中止して、派遣軍はすべて本国に引き揚げさせろ! 香港に対しては、軍隊はおろか公安機関にも手出しをさせず、本国共産党に関わる者は全員撤退し、すべてを民主派に引き渡せ!」
「──そんな!」
「それじゃまるで、『無条件降伏』も同然じゃ無いですか⁉」
「我らが人民解○軍は、まだ戦えます!」
「台○やシンガポールが束になってかかってこようが、いまだ戦力差は、圧倒的に我が方が有利では無いですか⁉」
「──馬鹿者! なぜわからん⁉ 明確な『外国』であるシンガポールが参戦してきた時点で、もはや『内政干渉』としてごまかすことなぞできず、これから以降の武力行使はすべて、共産主義者によって『中○軍が中○人を虐殺する』と言った、気が狂った『セルフ民族浄化』でしか無くなって、その非人道的行為に味方する者なぞ誰一人いなくなり、全世界が我らの敵になるのだぞ!」
「「「──‼」」」
「……くそう、『抗日戦争勝利80周年』などと浮かれていたら、あの当時に逆戻りして、単なる『共産ゲリラ』に成り下がってしまうとは。あの時日本国の総理大臣閣下の、親切心からなる『牽制の言葉』に従って、台○への武力侵攻なぞ放棄していれば良かったのに(泣)」
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メリーさん太「……今回の【突発短編】て、少々これまでとは趣が違ったけど、何でいきなり『シンガポール』が参戦してくるんだよ?」
ちょい悪令嬢「実は今回登場した、シンガポールを始め、香港に台○、そしておまけに韓国は、かつて『アジア四小龍』と呼ばれていたのですよ」
メリーさん太「ああ、既に経済大国だった日本に迫る経済成長を遂げていたから、そう言った呼び名をされていたよな」
ちょい悪令嬢「つまり、シンガポールって、香港や台○と、非常に似通った立ち位置にあるのです」
メリーさん太「まあ、韓国を除けば三つとも、いわゆる『中華圏』に属しているからな」
ちょい悪令嬢「それで、そのうちの香港と台○て、現在どうなっています?」
メリーさん太「……『どうなっている』、って」
ちょい悪令嬢「香港はイギリスから中○に返還された後は、当分の間その『民主制』を守るために、『一国二制度』を維持するはずでしたが、中○側が事実上一方的に破棄し、今や完全に『全体主義的監視社会』となり、言論の自由や集会の自由や政治結社の自由はほぼ完全に規制されて、少しでも民主的活動を行おうとすると、公安当局に検挙されると言う、ディストピアっぷりでございます」
メリーさん太「──うッ⁉」
ちょい悪令嬢「台○のほうは言うまでも無く、本来中○大陸の主権政府であり、国連の常任理事国であったと言うのに、共産党勢力に大陸を追われ、国際的にも孤立を余儀なくされていたものの、自由闊達な民主主義と資本主義のもと、経済的に大発展を遂げて、国交の無い日米欧等の先進国を含み、活発に経済交流が行われていますが、それに目を付けた『落ち目』の共産党政権が、香港の二の舞にしようと狙いをつけて、今にも軍事力による侵略を行おうとしている始末」
メリーさん太「──ううッ⁉」
ちょい悪令嬢「更には、中華圏には含まれない韓国についても、中○との経済的結びつきを強めるにつれ、どんどんと『浸食』を受けて、経済的どころか政治的にも影響を強めていき、今や韓国人を脅かすほどの『中○人犯罪』が横行し、現在においては大規模な『反中抗議運動』が展開されている有り様です」
メリーさん太「──うううッ⁉」
ちょい悪令嬢「……こうなると、シンガポールとしても、『香港や台○』の次に中○に呑み込まれ、自由を失い圧政下に置かれるかも知れないと、危惧するのは当然であり、更には世界中に散在する『華僑』勢力においても、もはや現在の共産党政権を、中華圏の頭目に据え続けることに疑問を覚え、華僑の勢力が強い東南アジア各国はもちろん、欧米先進国や日本に対しても、『もしも本当に台○に武力侵攻するなどと言った、中○の現政権が「中○人殺し」と言う、「人道にもとる」行為に手を染めようとしたならば、こちらも実力行使によって止めるべきだ!』と、檄を飛ばしたとしてもおかしくは無いでしょう★」




