第2244話、わたくし、『聖女』にして『魔物の女王』ですの★【解説編①】
ちょい悪令嬢「──と言うわけで、前回は久方振りの、【完全新作短編】でした☆」
メリーさん太「──いやいやいや、いきなり【完全新作】なんて、うちの作者どうしちゃったんだ⁉」
ちょい悪令嬢「ほら、本作の作者におきましても、先月で『不動産登記』も終わったことだし、一年近く続いた『相続問題』も一段落ついたので、そろそろWeb小説作成のほうも、『軌道修正』しようかと思いまして」
メリーさん太「……『軌道修正』、って?」
ちょい悪令嬢「ここ数年間の、この作品の『メインモチーフ』は、何ですっけ?」
メリーさん太「そりゃあ、こんなふうに【座談会】形式での、『アニメ談義』や『政治談義』だろ?」
ちょい悪令嬢「でしたら、そもそもこの作品自体の『テーマ』は、何でしたっけ?」
メリーさん太「そりゃあもちろん、『悪役令嬢』…………………あ」
ちょい悪令嬢「そうなんですよ、この作品はあくまでも『悪役令嬢モノ』なのに、相続問題発生以降どころか、作者の父親の介護が本格化した数年前からずっと、極力省力化した【座談会】形式となり、しかも本来のテーマとは関係の無い、『アニメ談義』や『政治談義』ばかりするようになったのです」
メリーさん太「──駄目じゃん⁉」
ちょい悪令嬢「いえいえ、それがそうとも言えないのですよ」
メリーさん太「へ?」
ちょい悪令嬢「前回の【完全新作短編】がまさにそうなのですが、『アニメ』と言う畑違いとはいえ、他人様の創作物を詳細に検証することによって、自分の作品づくりに役立たせると言うのは、当【座談会】においても何度も述べてきたことですしね」
メリーさん太「あ」
ちょい悪令嬢「それに『政治談義』についても、『社会情勢』を常に把握し、それなりの『自分の意見』を持つことも、『創作者』として必要不可欠なことでしょう」
メリーさん太「……なるほど、この数年間の連載は、まったく無駄では無かったと言うわけか」
ちょい悪令嬢「ええ、何よりも大切なのは、文字通り『継続は力なり』であって、父親の介護をしながらも、何と臨終の前日まで、毎日の小説投稿を欠かさなかったのですからね」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「いかにも『手抜きそのものの座談会形式での雑談三昧』と言っても、日々状態が悪化していく父親の介護を在宅でこなしながら、小説を書き続けることなんて、生半可なことでできるわけが無く、さすがに父親の死後はいろいろな理由で数ヶ月間ほど休載してしまいましたが、普通だったらできることでは無いでしょう」
メリーさん太「……ただ単に、親の介護をたった一人でつきっきりで行うこと自体、誰でもできることでは無く、ギブアップするやつも少なくは無いからな。親父さんの痴呆が悪化し始めた二、三年前の時点で、休載してもおかしくは無かったろう」
ちょい悪令嬢「丁度その頃、この作品のPV数が爆発的に跳ね上がったので、ここで休載するのが惜しかったってことも有るんですけどね」
メリーさん太「でも、介護と小説執筆の両立なんて、本当に可能なのか⁉ 肉体的にはもちろん、何よりも精神的に追い込まれて、小説のアイディアを練るのも難しくなるのでは⁉」
ちょい悪令嬢「これについても、何度も申しておりますが、むしろ本作の作者は、父親の介護をすることによって、『救われた』のです。それまでは過去の様々な諸事情のせいで、『私は誰にも世話にならないで生きていける!』と言った感じでしたが、父親の介護をすることで、それが『完全な間違い』だとわかったのです。──そりゃあ『他人の世話にならずに生きる』ことについては、勝手にやれって話ですが、実は人間と言うものは、むしろ『他人の役に立ってこそ、至上の喜びを感じる』ことを、初めて思い知ったのです!」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「それこそしつこいくらいに何度も繰り返して述べてきたことですが、年老いた親を介護していると言うよりも、『生まれたばかりの幼子を育児している母親』になったような気分でしたね。まさかうちの作者に、『母性本能』が有ったとはw」
メリーさん太「……まあ、人間年老いたら、『子供に返る』とも言われているからな」
ちょい悪令嬢「しかし、『介護』と『育児』の決定的な違いは、『育児』のほうは、だんだんと子供が育っていくのに対して、『介護』のほうは、親がどんどんと衰えていくのを、ただ見ているしか無いことですけどね」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「そう言うわけで、長年続いた介護においては、精神的負担よりもむしろ、肉体的負担のほうが大きかったですね。──特に、最近の『酷暑』は堪ったものでは無く、事実本作の作者は二年前に倒れてしまいましたし」
メリーさん太「──そういや、2023年の夏の終わりに、ほんの数日間とはいえ、連載が途切れたよな⁉」
ちょい悪令嬢「……何だか書いていて、当時の思い出がまざまざと甦ってきて、少々辛くなってきましたから、『介護』の話はこの辺にして、これよりは前回の【完全新作短編】の解説に移りたいかと思います」
メリーさん太「さっきの話では、あの【完全新作短編】こそ、これまでの『アニメ談義』が役立ったって言っていたよな?」
ちょい悪令嬢「ええ、本作の作者は『新作』を考案するに当たって、常々『無敵のチート』とは何かを、思案し続けておりましたの」
メリーさん太「……『無敵のチート』、だと?」
ちょい悪令嬢「──ただし、誤解して欲しくないのは、『最強』のチートでは無く、あくまでも『無敵』のチートと言うことなのです」
メリーさん太「どう違うんだよ?」
ちょい悪令嬢「何かと取り沙汰されている『最強のチート』って、文字通り他のチートよりも『強く』無ければならないですが、『無敵のチート』のほうは、『負けなければいい』のです。『最強のチート』のほうが、毎度お馴染みの『即死チート』みたいに、絶対に相手を殺してしまうのに対して、『無敵のチート』のほうは、『絶対防御チート』や『絶対逃走チート』みたいに、本人が『死ななければいい』のですよ」
メリーさん太「なるほど、『無敵のチート』のほうは、必ずしも相手に勝つ必要は無く、本人が必ず生き延びることができればいいのか」
ちょい悪令嬢「言わば『最強のチート』が、『攻撃スキル』の最高峰なのに対して、『無敵のチート』は、『防御スキル』の最高峰ってわけなのです」
メリーさん太「うん、大体のところは理解したけど、それで『無敵のチート』について、何か思いついたものが有るのか?」
ちょい悪令嬢「まずはほんのこの前【突発短編】において登場させた、『魔物を喰ってその魔力を取り込むスキル』と言うものを考えました」
メリーさん太「ああ、今期秋アニメの『悪食○嬢と狂○公爵』を見ていて思いついたやつか?」
ちょい悪令嬢「これって、どんどんと無尽蔵に魔力を高められるだけでは無く、そもそも『食べ物』である魔力攻撃をいくら受けても、まったく問題無いし、しかも『食物連鎖』上完全に格上なので、魔物どころか魔王すらビビってしまって、攻撃してくるどころか、戦う前に命乞いしてくるわで、ある意味『無敵』どころか『最強』のスキルとも申せましょう」
メリーさん太「だったら、もうそれでいいじゃんか?」
ちょい悪令嬢「でもこのスキルって、『対魔物特化』だから、人間からの物理攻撃に対しては、必ずしも『無敵』とは言えず、ひょんなことで命を落としてしまう場合も有り得るのですよ」
メリーさん太「──ッ」
(※次回に続きます)




