第2232話、わたくし、今期秋アニメ、ファーストインプレッションですの☆(その10)
ちょい悪令嬢「……さて、ついに前々から告知していました、『SPY×F○MILY』のロ○ドさんの【過去編】を、前後編共に視聴いたしましたので、今回はこの感想から参りたいかと存じます☆」
メリーさん太「おっ、ようやく見たのか⁉ ──それで、どうだった?」
ちょい悪令嬢「──そりゃあもちろん、サイコーでした♡」
メリーさん太「おおっ、つまり期待通りだったわけか!」
ちょい悪令嬢「いえいえむしろ、『期待以上』でしたよ!」
メリーさん太「と、言うと?」
ちょい悪令嬢「以前当座談会で述べたように、【過去編】をやるにしても、その内容のあまりのシリアスさが、これまでの『ファミリー路線』とはそぐわないので、作画や演出をある程度『マイルド』なものにするんじゃ無いかと思っておりましたが、そんなことはまったく無く、原作の作風や展開を忠実に再現しているのはもちろん、動きや音声が加味された分、更に容赦なくよりリアルにどぎつくなっていて、このエピソードに賭けるアニメ制作スタッフ陣の、『本気度』が十二分に感じられました!」
メリーさん太「うん、今まさに『ア○マTV』様の配信を視聴しているんだけど、特に全編戦争シーンの後編なんて、普段の『ファミリー路線』とは、まったくの『別世界』だよな」
ちょい悪令嬢「……でも、これも間違い無く、『SPY×F○MILY』を構成するエピソードの一つなのであり、むしろより明確に『テーマ』を誇示しているとも言えるのです」
メリーさん太「……『すべての子供が泣くことの無い世界』の実現か」
ちょい悪令嬢「それこそがロ○ドさんを始めとする、スパイや暗殺者や超能力者や国家的権力者──そして何よりも、その他大勢の『名も無き一般的庶民』の皆様にとっての、最大の宿願ですからね」
メリーさん太「そのためにこそ、ロ○ドさんは、スパイをやっているとも言えるしな」
ちょい悪令嬢「これは明確に意図されたものなのかどうかはともかく、原作者の遠○達哉先生における『信念』であるとともに、現在の世界情勢に対する『警鐘』でもあると思われるのです」
メリーさん太「……『信念』はともかく、『警鐘』って?」
ちょい悪令嬢「何度も申しておりますように、欧米を中心とした、庶民はもちろん国政レベルの『右傾化』と、それに伴う戦争の機運の高揚に、むしろその原因ともなっている、某国の実際の侵略行為や、某国の某国に対する『武力侵攻宣言』などに対する、『危惧の念』の表明ですわ」
メリーさん太「ああ、なるほど」
ちょい悪令嬢「確かに、この世から一切の『戦争』を無くすことなぞ、不可能でしょう。──でもだからこそ、この作品は訴え続けているのです。各国の指導者に、すべての軍人に、それらを裏から操っている、陰の権力者や大金持ちたちに、もう一度考え直してくれと。ひとたび戦争を起こせば、何の罪も無い『子供たち』が、無数に泣くことになってしまうのだと」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「この作品があえて『分断国家』を舞台にしたのも、せめて自分と『同族の子供』を、同じ民族同士の骨肉の争いによって、不幸にするのはやめようじゃ無いかと、提言しているのですよ」
メリーさん太「……うん、そうだな、世の中の戦争好きの糞共は、相手のことを非難するのは大好きだけど、自分自身についてはまったく反省しようとしやしねえから、ちゃんと言って聞かせないと駄目だよな」
ちょい悪令嬢「まったくその通りです。第二次世界大戦後、優に80年もの長きにわたって、一度も戦闘行為を行ったことの無い、世界一の平和国家である日本に対して、非難してばかりのやつら──例えば、某国は自分と同じ『東スラブ民族』であるウクライナに対して、実際に侵略戦争を行っているし、某国は自分同じ『漢民族』である台湾への、武力侵攻を計画しているし、某国と某国は同じ『朝鮮民族』でありながら、いまだ戦争状態にあるしで、むしろ結果的に東南アジアの多数の国家を独立に導いた日本国とは比べ物にならない、『同族殺しすらOKな戦争ジャンキー』ばかりだと申せましょう」
メリーさん太「そりゃあ、権力者や金持ち同士で殺し合うのなら、勝手にしろって話だけど、いったん戦争を起こせば、自分と同じ、無数の東スラブ民族や、漢民族や、朝鮮民族の、『子供たち』が泣くはめになるんだ。つまりこいつらの国の権力者どもは、『自分の餓鬼を自分の手でぶち殺しても平気』であると言う、『鬼畜』そのまんまの人でなしってわけだ」
ちょい悪令嬢「周りの側近の皆様は、少しも諫めようとしないのですかね、『……あなたが戦争を起こすと、我々と同じ、数えきれないほどの、東スラブ民族や漢民族や朝鮮民族の「子供たち」が、死んでしまうのですよ』と」
メリーさん太「……おいおい、そんなことできるわけ無いだろ? 全体主義国家で独裁者に意見をしたりしたら、即刻『粛正』の憂き目に遭うだけだろうよ」
ちょい悪令嬢「結局、教育も報道も法律さえも、国家自体が指導者ごと『狂い』始めれば、何の抑止力にもなりはしないのであって、せめてこんな時代だからこそ、一つでも多くの創作物が、『どんな理由が有ろうとも、戦争は間違いである』ことを訴えて、絶対に自分たちの子供がただの一人も泣くことの無いように、現在の『平和』を守るべきなのですわ!」
メリーさん太「一見たわいの無い『娯楽作品』だからこそ、人々の胸を打つことさえもできるんだしな。基本的にファミリー向けの『SPY×F○MILY』が、今回のようなエピソードを全力でアニメ化してくれたのも、非常に意味が有ったと思うぜ☆」
ちょい悪令嬢「確かに、原作自体の素晴らしさやメッセージ性もずば抜けていますが、これほどまでに見事にアニメ化してくださった、制作スタッフの皆様には、最大級の賛辞を捧げたいかと思いますわ♡」
メリーさん太「──お、すると、ちょっと早いけど、今期秋アニメの本作の作者における、『私的覇権賞』決定か?」
ちょい悪令嬢「少なくとも、前期夏アニメにおける『タ○ピーの原罪』同様の、『最優秀アニメ版制作スタッフ賞』は間違いないですわね♫」
メリーさん太「どっちみち、『最優秀覇権賞』と同レベルってことか」
ちょい悪令嬢「と言うわけで、『SPY×F○MILY』の話はいったんここまでとして、実は今回は何ともう一つ、『最優秀覇権候補作』が現れましたの!」
メリーさん太「──この時期でもう二つも確定されるなんて、いくら何でも早過ぎだろう⁉ 一体どの作品なんだ⁉」
ちょい悪令嬢「何を隠そう、『東○丹三郎は仮面ラ○ダーになりたい』、です」
メリーさん太「あ、そうだ、それって前回、むちゃくちゃ気になるシーンで終わっていたんだっけ⁉ 実際、どうなったわけ⁉」
ちょい悪令嬢「どうなったもこうなったも、本作の作者自身、大興奮の『超展開』ですよ!」
メリーさん太「──なッ⁉」
ちょい悪令嬢「もうね、『世界観の切り換えテクニック』が、惚れ惚れするほど凄いんです!」
メリーさん太「……『世界観の切り換えテクニック』、って?」
ちょい悪令嬢「第2話までは、作内の架空のテレビ番組として、『仮面ラ○ダー』シリーズが存在しているのだから、作品自体はある意味『現実の世界』であると言うのが、基本設定のはずでしたが、何と第2話のラストに登場した『ショ○カーの戦闘員』は、『本物』だったのです!」
メリーさん太「そ、それって⁉」
ちょい悪令嬢「ええ、これまで『現実世界』と思われていたものが、その瞬間に、『フィクション』へと一変してしまったのですよ」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「いやあ、凄いですねえ。この『作品の中の作品』的なメタ的『二重構造』って、『勇気爆発バーンブ○イバーン』以来でしょうか? ここまで自作の世界観を的確にコントロールしつつ、しかも毎回『面白く』て、見ていて全然『飽きない』のは、原作者様やアニメ制作スタッフ様の、類い稀なる『創作力』や『演出力』の賜物でしょう!」
メリーさん太「──すげえ、これまた諸手を挙げての、大絶賛じゃん!」
ちょい悪令嬢「ほんの先日、『今期秋アニメは不作だ』などと言ったばかりですが、前言を撤回いたします! 他にも少なからず注目作が有ることだし、今後の推移によっては下手すると、今期も『大豊作』となるかも知れませんね♡」




