第2204話、わたくし、『なろう系の女四天王』ですの☆
正義の女神「──今日は、『なろう系の女四天王』を連れてきましたよ☆」
戦争の悪魔&見習いのメイド悪魔っ娘「「『なろう系の女四天王』⁉」」
正義の女神「まず彼女は、現在の『なろう系』の女性キャラ一番人気と言っても過言では無い、『聖女様』です」
『聖女様「──私は特に『ヒーリング』を得意としており、我が王国の兵士さんがいくら戦場等で傷つかれようとも、たちまちのうちに治してご覧に入れますわ☆」
正義の女神「こちらはまだまだ人気絶好調の、『悪役令嬢』です」
悪役令嬢「──一口に『悪役令嬢』と申しても、いろいろなタイプがおりまして、ある意味『悪の聖女』と言った感じで、『戦略的な大魔術』を駆使して、敵国を一夜にして滅ぼしたり、転生タイプの悪役令嬢だと、自ら近代兵器を操って戦場で無双したりもします☆」
正義の女神「そして彼女は、『なろう系』と言うよりは『都市伝説』として有名な、『メリーさん』です」
メリーさん「──ただ今ご紹介に与りました、メリーさんなの。『……何でおまえがこんな所に出しゃばってくるんだ?』とおっしゃる方もおられるかも知れないけど、まずは落ち着いて話を聞くの。実はあたしの『携帯端末さえ有れば、どこにでも現れることができる』と言う特殊性に目を付けて、最近異世界でも『スマホ』が使えるパターンも少なく無いことだし、あたしを異世界に転移させたり召喚したりする作品も結構有って、次世代の『人気キャラ』を密かに狙っていたりするの☆」
正義の女神「最後は皆さんよくご存じの、『なろう系』の作品冒頭に必ずと言っていいほど登場なされている、『女神様』──名付けて、『なろうの女神様』です」
なろうの女神様「──こんにちは、『なろう系』には付き物の、異世界転移や転生を司っている、『なろうの女神』デッス☆」
見習いのメイド悪魔っ娘「──何で前回同様に、いかにも『イロモノ』じみたキャラばかり連れてくるのよ⁉」
正義の女神「もちろんこの方々が、戦争の悪魔である、マルスさんのお役に立つからですよ」
見習いのメイド悪魔っ娘「……こんなやつらが、マスターの役に立つですって? ──特に『メリーさん』て、完全に場違いだと思うんですけど?」
正義の女神「いえいえ、この四人のそれぞれの力はメリーさんも含めて、実際の戦場はもちろん、後方支援や、平時の対外工作等々と、すべての局面において、大いに役立ってくださるのです。
まず『聖女様』は、先ほどもおっしゃったように、絶大なる『ヒーリング』の力によって、自軍の兵士がいくら戦場で傷つこうが疲労困憊しようが、瞬く間に傷を治し活力もみなぎらせるのはもちろん、まさしく『不死身の軍団』そのままに、死んだ者を蘇生させることすらも可能で、敵が根負けするまで無限に戦い続けさせることができます。
次に『悪役令嬢』は、これまたさっきも申したように、いろいろなタイプがおられますので、実際の戦場で大魔法や近代兵器をぶっ放したり、後方で軍師として指揮を執ったり、平時においても内政等で類い稀なる才を発揮して国力を増進させたり、むしろ逆に『悪役令嬢』としての本領を発揮して、わざと敵国に留学等をして騒ぎを起こして政情を乱したり等々と、戦争に関してだけでも、様々な活躍が期待できます。
そして問題の『メリーさん』については、『場違い』どころかむしろ『適材適所』と言えましょう。一兵卒に至るまでの『情報の伝達』の精度こそが、勝敗を分けると言っても過言では無い現代戦においては、昔ながらの無線装置からスターリンク対応の端末まで、一人一人の兵士が何らかの携帯機器を持っていると思われますが、『携帯あるところメリーさんあり』なのだからして、激戦の最中、敵軍の兵士の携帯が一斉に鳴り響いたかと思えば、『──あたし、メリーさん、今あなたの後ろにいるの』と言う、戦場には不似合いな幼い女の子の声とともに、背後から大振りのナイフによって喉元をかっ切られたりして★
最後の『なろうの女神』については、言うまでも無く異世界最強の存在と申しても過言では無く、戦争関係に限定しても、実際の戦場においては、『勇者』クラスの転移者を無限に召喚できるわ、平時においても、『仮想敵国』に強大なモンスターを無数に召喚して大混乱に陥れることができるわと、本当の意味での『反則』的存在でございましょう」
見習いのメイド悪魔っ娘「──ガチで『反則』なのは、どうなの⁉ こんな文字通り『何でもアリ』じゃ、いくら『なろう系』でも『お話にならない』のでは⁉」
正義の女神「でも、『戦争の悪魔』としては、非常に役に立つでしょう? どうやらマルスさん自身は『平和主義』のようだけど、悪魔としては戦争が起こらないと魔界の『業務査定』に響いてしまうから、『なろうの女神様』や『悪役令嬢』が、各国において火種をまき散らして、実際に戦争が始まってからは、『メリーさん』等の異能で大いに盛り上げつつ、『聖女様』の絶大なるヒーリングスキルで無限に戦わせることによって、戦争自体を延々と長引かせることができて、『戦争の悪魔』としては願ったり叶ったりではありませんか?」
見習いのメイド悪魔っ娘「……た、確かに、戦争が長引くほど、人々の『戦争に対する恐怖心』が増大していき、『戦争の悪魔』であるマスターは、多大なる力を得ることができますけど、いくら何でも『聖女様』のやり口は駄目でしょうが⁉」
正義の女神「どうしてです、どんなに傷つこうが命を失おうが、すべて回復して、また戦うことができるのだから、真に理想的な軍隊ではありませんか?」
見習いのメイド悪魔っ娘「一人一人の兵士にとっては、『死ななくて済む』のでは無くて、いつまで経っても『死ぬことができない』んでしょうが⁉ どんなに激痛を伴って傷つき死のうが、どんなに疲れ果てて倒れ込もうが、再び無理やり立ち上がらされて、延々と戦わされ続けるなんて、むしろ『地獄そのもの』じゃ無いの⁉」
正義の女神「……哀しいことに、戦争には、『犠牲』が付き物なんですよねえ」
見習いのメイド悪魔っ娘「まさにその、『犠牲』にもなることもできずに戦わされているから、『悲惨』だって言ってるんだよ⁉ ──そもそもマスター自身は、どうなんです⁉ こんな『無間地獄』そのまんまな戦争を実現させられて、本当に嬉しいのですか⁉」
戦争の悪魔「…………いえ、現在心底『ドン引き』しております」
見習いのメイド悪魔っ娘「ほうら、このどぐされ女神が! あんたはもう少し、常識と加減と言うものを弁えやがれ!」
正義の女神「そ、そんなあ〜」
悪役令嬢「……じゃあメリーさん、私たちは、本編のほうに帰りましょうか」
メリーさん太「そうするの。今回はレギュラーメンバーなのに、【突発短編】に出られて、楽しかったの」
なろうの女神様「私は作者の別作品の、『なろうの女神が支配する』に帰るわね……………て言うか、いつまで『休載』し続けているんだよ、あのヘボ作者」
聖女様「……実は私も、『小説家になろう』様の2021年の『夏のホラー』企画の、『【隠れ鬼】ウチの聖女様はブラックです⁉ 』と言う短編作品の主人公であることを、覚えてらっしゃる方はおられるのでしょうか?」




