第2199話、わたくし、今期夏アニメ『私的覇権レース』ラストスパートですの☆(その5)
ちょい悪令嬢「──さて、本日はついに本作の作者が全力で推してきた、今期夏アニメのダークホース作の筆頭たる、『うたごえはミルフ○ーユ』の最終話が放映&配信されたので、全力で語って参りますよ!」
メリーさん太「えっ、もう終わったの? 短期集中配信だった『タ○ピーの原罪』を除けば、今期の注目作のうちでは、一番乗りじゃ無いのか⁉」
ちょい悪令嬢「元々全10話しか無かったし、そもそも放映開始も遅かったし、まさしく『もう終わったの?』と言うのが、正直な感想ですわね」
メリーさん太「……おいおい、前回愛○部長と玲○先輩と言う、『共依存(ガチ百合)コンビ』に、破局の危機が訪れたと言うのに、たった一話だけで解決できるのかよ⁉」
ちょい悪令嬢「もちろん、それが最大の見所ですが、逆に『安心感』も有りますよね」
メリーさん太「へ? 『安心感』て……」
ちょい悪令嬢「前回までに、主人公の○歌ちゃんを始めとする、一年生サイドの問題は解決しているので、部長たち上級生の問題についても、彼女たちが力になってやることができるってわけなのですよ!」
メリーさん太「ええっ、これまでは教え導かれるばかりだった下級生たちが、上級生の問題を解決するだってえ⁉」
ちょい悪令嬢「それだけ彼女たちが、前回までに、『成長』したと言う証しなんですよ」
メリーさん太「そ、それって──」
ちょい悪令嬢「そうです、本作の作者が、アニメ作品に対する評価において、最も重要視しているファクターです」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「『うた○ル』は初期設定的に、一見いかにも『コミュ障の下級生を、優等生の上級生が導く』と言った感じでしたが、実は誰よりも『変化』を恐れていたのは愛○部長のほうで、『アカペラ部』で他の部員たちと様々な経験を積み重ねて、『成長』を遂げた主人公の○歌ちゃんが、『……確かに私たちは、変わり続けるかも知れません。高校を卒業したら、アカペラをやめるかも知れないし、進んでいく道もバラバラでしょう。──だけど、私はお婆ちゃんになっても、部長と友達でいたいです! 今と何ら変わらずに、縁側とかで笑い合いたいです! そう、「変わる」ものも有れば、「変わらない」ものだって有るのだから、私たちは「変化」を恐れないでいいのです!』と、愛○部長の心を解きほぐすことによって、彼女はやっと玲○先輩の『変化』を受け容れて、ついに二人揃って『成長』することを成し遂げたのです!」
メリーさん太「──うおおおおおおお! ○歌ちゃんてば最終回に来て、大活躍じゃ無いか⁉ さすがは主人公!」
ちょい悪令嬢「『成長』と言えば、前期春アニメにおいて本作の作者が『私的覇権作』に選んだ、『ある魔女○死ぬまで』ですけど、こちらが主に主人公のメ○=ラズベリー嬢の『成長』を描いていたのに対して、『うた○ル』のほうは○歌ちゃんだけでは無く、アカペラ部はもちろん、対立グループである『Parab○la』をも含めて、すべてのキャラが互いに影響を及ぼしながら、『成長』していったのが良かったですわね♡」
メリーさん太「……え、『Parab○la』にも、成長したメンバーがいたの? 一体誰よ?」
ちょい悪令嬢「もちろん、リーダーのみ○きさんです」
メリーさん太「──はあああああああああああ⁉ あの何事においても『自己完結』しているかのような御仁が、『成長』しただとおおおおおお!!!」
ちょい悪令嬢「実は最終話で『Parab○la』のメンバーの前で歌った、愛○部長作詞作曲の新曲が、まさしく彼女を含むすべての部員たちの、アカペラ部の活動を通しての『変化』と、それに対する現在の気持ちを、それぞれのリードパートで歌っておりまして、それを聴いているうちにみ○きさんの瞳に、いつしか涙が浮かんできたのですよ」
メリーさん太「何で⁉」
ちょい悪令嬢「御本人も、『……私、どうして泣いているの?』状態でしたが、いかにも『天上天下唯我独尊』を地で行き、自分が『アカペラ』によって音楽界を制覇するためには、平気で仲間を切り捨てることも辞さなかった彼女にしては、あるまじき姿ですけど、実は彼女の真の目的は、現在どマイナーな『アカペラ』をメジャーにして、『誰もが日常的にアカペラを楽しめる』世界にすることなので、目の前の純粋にアカペラを楽しんでいる普通の女子高生たちの姿こそが、彼女の夢を実現しているとも言えて、それに感動して思わず涙がこみ上げたわけなのです♫」
メリーさん太「……なるほど、確かに主人公の○歌ちゃんにしろ、熊○ちゃんにしろ、ウ○ルちゃんにしろ、元々はアカペラなんかに興味の無い、普通の女子高生だったのに、今はこうして仲間たちと、何の力みもてらいも無く、美しい『ハーモニー』を奏でているんだからな。まさにみ○きさんの『理想の体現』そのものと言っても、過言じゃ無いだろうよ」
ちょい悪令嬢「そうなんですよ、何と言っても重要なのは、主人公一人だけとかでは無く、仲間たち全員一緒に『成長』することなのであって、他のメンバーとの協調性が何よりも大切な、『アカペラ』を題材にしたこの作品の最大の『テーマ』であり、そのことは最終話のサブタイトルにして、アカペラ部のバンド名でもある、『全員で手を繋いで歌おう!』を意味する、『テトテ』と言う言葉がすべてを表しているでしょう!」
メリーさん太「おお、最終回にあえて、『うたごえはミルフ○ーユ』と言うサブタイトルを使わなかったのは、そう言う狙いが有ったからなのか⁉」
ちょい悪令嬢「『成長』と『協調』。高校生たちの『部活』を扱った作品にとって、これほどふさわしいテーマは無いでしょう」
メリーさん太「……確かにな」
ちょい悪令嬢「中学高校レベルの『部活』なんて、本気でその道を究めようとしている人たちからしたら、単なる『学生のお遊び』に見えるかも知れません。しかし、そこでしか学んだり楽しんだりできないものが有るのも、厳然とした事実であり、何よりも単なる競争相手では無い、得がたい仲間と出会うことができることを、この作品は訴えたかったのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「こうしてみると、『部活モノ』って、料理の仕方によっては、いくらでも面白くできるものなんだな」
ちょい悪令嬢「同じマイナージャンルである、ボウリング部を題材にした作品だって、わざわざ戦国時代にタイムスリップするとか言った、奇をてらった展開にしなくても良かったのにねw」
メリーさん太「──おいッ、ヤメロ⁉」
ちょい悪令嬢「……いえね、私だって、たとえ実写系でフェミニストの女性脚本家であろうが、面白い作品を作ってくだされば、全然文句は無いのですよ? でもおまえらの作った千曲川や前橋や下北沢等のご当地作品は、全然面白くなかったくせに、平気でアニメや原作漫画を見下したようなことをほざきやがるから、許せないのであり、もう二度とアニメ界に関わってくるなと言いたくなるんだよ!」
メリーさん太「──ねえ、それってあくまでも、『Turk○y!』の脚本家のことを言っているんだよね⁉ 『虎に翼を付けたって、物理的に空を飛べるはずが無いのに、何馬鹿なことをほざいているんだ⁉』と言いたくなるような、某実写系フェミニスト脚本家のことを言っているんじゃ無いよね⁉」
ちょい悪令嬢「まあとにかく、今回の『うたごえはミルフ○ーユ』が教えてくださったのは、アニメと言う表現手段には、まだまだ無限の可能性が有り、これからも素晴らしい作品をどんどんと生み出してくれるであろうと、期待できることであり、我々『アニメウォッチャー』としては、心から嬉しい限りでございます♡ 確かにこの作品は客観的に見れば、あくまでも『佳作』レベルとは思いますが、少なくとも本作の作者に与えた影響は、『覇権作レベル』と申しても、過言ではありませんわ♫」
ちょい悪令嬢「……とはいえ私、愛○部長さんの気持ちも、わかるんですけどね」
メリーさん太「と、言うと?」
ちょい悪令嬢「いえね、本作の作者はかれこれ七年間、父親の介護をしたわけですが、高齢な父親のこと、いつかはお別れしなければならないことはわかっていながらも、ずっとこの時間が続いていって、一緒にいられたらいいなと、思っていたのですよ」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「それで現在、実際に『父親がいなくなった』状態となることで、まさに玲○先輩から捨てられて、独りっきりになってしまうかも知れないと恐れていた、愛○部長の気持ちが、痛いほど良くわかったりして★」