第2173話、わたくし、『消費税』は減税や廃止よりも、まず『上限』を設けるべきだと思いますの☆
ちょい悪令嬢「──今回は久しぶりに、『政治談義』を行いたいかと思います!」
メリーさん太「おや珍しいな、『アニメ談義』のほうは、ネタが尽きたのか?」
ちょい悪令嬢「て言うか、相続問題が深刻化して、まともに小説を書いている暇が無くなっているのですよ」
メリーさん太「いやそれならむしろ、小説書くのを休めよ⁉」
ちょい悪令嬢「……でも今休んでしまうと、もうそれっきりになってしまいそうでして」
メリーさん太「あー、今年の夏もむちゃくちゃ酷暑だし、既に体力のほうは限界だと言うのに、精神的にもへばってしまったら、そこでおしまいかもな」
ちょい悪令嬢「それに『政治談義』と言っても、前々から気になっていたことですしね」
メリーさん太「……『気になっていたこと』、って?」
ちょい悪令嬢「『消費税』、です」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「──いやいやいや『消費税』なんて、むちゃくちゃありふれたネタだし、今更この座談会で語ることなんて無いだろ⁉」
ちょい悪令嬢「それがそうでも無いのですよ、何せ『一番肝心な点』──それもまさに、『大至急議論すべき点』について、語っている者が皆無なのですから」
メリーさん太「消費税に関して、『一番肝心』で、『大至急議論すべき点』だと?」
ちょい悪令嬢「消費税率の、『上限』ですよ」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「これまでの消費税の話題って、『減税』や、場合によっては『廃止』くらいなものですよね?」
メリーさん太「そりゃそうだろ、それこそが国民の大半の望みなんだから」
ちょい悪令嬢「でも実際には、この要望が一度たりとて聞き入れられたことなぞ無く、むしろ消費税は『増税』されるばかりですよね?」
メリーさん太「そ、それは──」
ちょい悪令嬢「衆参両議院で与党が過半数割れしている今こそ、全野党が大同団結して、とりあえず消費税の『上限』を法律で決定すべきなのです! そうしないと、消費税が増税することによってメリットが有る大企業団体と、その言いなりの財○省や、両者の太鼓持ちである政府与党によって、これから以降も消費税はどんどんと増税されていって、一般庶民の生活は困窮していくばかりなのですよ!」
メリーさん太「な、何で『上限』なんだ? 国会で野党が優勢なら、それこそ『減税』や『廃止』を狙ってもいいだろうが⁉」
ちょい悪令嬢「あなた、これまでの政局の動きを見ていなかったのですか? 消費税に限らず『減税』の話題が出た途端、『代替財源はどうする?』とか難癖をつけてくる、抵抗勢力による頑強な反対によって、阻止されてきたでしょうが?」
メリーさん太「──うッ⁉」
ちょい悪令嬢「それに消費税の大幅減税や廃止ともなると、野党内にも『慎重論』が出て、国会において与党側に賛同する勢力も無きにしも非ずで、法案の成立が覚束なくなりかねないのです」
メリーさん太「──ううッ⁉」
ちょい悪令嬢「それに比べて『上限の設定』であれば、比較的反対意見が出にくく、全野党が合意できて、とりあえずは法案が成立する可能性が高いのです」
メリーさん太「──うううッ⁉」
ちょい悪令嬢「──そもそもどうして国民の皆様は、消費税に『上限』を設けないで平気なのですか? このまま財○省や自○党に好きにさせていたら、そのうち15%、20%、30%と、どんどんと増税されてしまい、下手すると『消費税100%』とかになって、本体価格の二倍のお金を支払わなくてはならなくなってしまいますよ⁉」
メリーさん太「消費税が『100%』になるとか、そんな馬鹿な⁉」
ちょい悪令嬢「『馬鹿な』と言うのなら、現在の『10%』だって、十分『異常』ですよ! 十万円の買い物をしたら、税金を『一万円』も取られてしまうのですよ? 消費税なんて存在しなかった40年ほど前の日本人からしたら、買い物したらその場で一万円も余分に取られるとか、絶対信じてもらえないし、そんなことをさも当然のように許している現代の日本人に対して、『……馬鹿なのか?』と心底あきれ果てることでしょう」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「よってとりあえずは、消費税の上限は現在の『10%』として、それから大衆運動や更なる野党の議席増大を推し進めて、『減税』や『廃止』へと繋げていくべきなのです」
メリーさん太「いやいやいや、消費税は主に『社会福祉』の財源として使われているのであって、これからますます『少子高齢化』が進んでいく現状を鑑みれば、消費税率のアップも必要なんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「それは『論点ズラし』と言うものですよ。今回はあくまでも、このまま手をこまねいて消費税の増税を許して、税率が『20%』や『30%』になったら、とても庶民の生活が立ち行かなくなるから、今のうちに『上限』を法律的に確立させましょう──と言うことなのであって、そもそも庶民の生活が重税に耐え切れず崩壊してしまったら、社会福祉も何も無くなるでしょうが?」
メリーさん太「……た、確かに、消費税が『20%』とか『30%』になったら、とてもじゃ無いが生きていけなくなるよな」
ちょい悪令嬢「だからこそ、早急に『歯止め』を設ける必要が有るのですよ。現在の『10%』だって、取り過ぎかと思いますが、一応これを『上限』として、それからたとえ時間がかかろうとも、減税や廃止に向けて努力していけばいいのです」
メリーさん太「……まあ、減税や廃止に比べれば、『上限』を法律で確定するほうが、実現可能性が高いわな」
ちょい悪令嬢「むしろ『上限』の設定に反対するやつがいたとしたら、そいつは明確に『国民の敵』であることを自白しているようなものですから、徹底的に叩き潰すべきでしょうね。別に減税したり廃止したりするのでは無く、ただ単に『上限』を設定するだけで、今すぐ政府の『財政』や、企業の『経済活動』──つまりは、市場の『景気』に、悪影響を及ぼすものでは無いのですからね」
メリーさん太「でもしつこいようだが、これからどんどん進んでいく『少子高齢化』の、対策費用はどうするんだ?」
ちょい悪令嬢「そこは税率を上げるのでは無く、全国民の消費活動自体を向上させることで、最終的に税収を上げればいいのです。つまり、賃上げやそれこそ減税等の様々な施策によって、『好景気』な社会を実現するのですよ」
メリーさん太「……それって、『インフレ』も生むのでは?」
ちょい悪令嬢「そこは庶民の生活を圧迫しない範囲に限定するように抑えて、むしろ消費税の増収を生むと言うことで、プラスに捉えればいいのです」
メリーさん太「そんなにうまく行くかねえ?」
ちょい悪令嬢「ですから当座談会で前々から申しておりますように、消費税を地方自治体独自の財源にして、しかも各自治体で0%から10%までの税率を自由に設定できるようにして、東京のような黙っていても人や企業や大規模商業施設が集まってくるところは、消費税10%とし、過疎の自治体では0%に設定して、大規模商業施設を呼び込んで、新規の定住者や近隣の買い物客が新たに消費活動を行ってくれることで、結果的に財政が豊かになるって寸法ですよ」
メリーさん太「ああ、自治体ごとの『消費税率の可変制度』による、国内の『タックスヘブン』化か⁉」
ちょい悪令嬢「しかも東京等の大都市の消費税の税収のうちの一定割合は、『地方交付税交付金』みたいに、過疎の自治体に再配分すると言った制度も、併設したりしてね」
メリーさん太「……なるほど、国から地方に主体を移すことで、消費税をダイレクトに、地域住民のための政策の財源にできるわけか」
ちょい悪令嬢「ねえ、これなら消費税率が10%以下でも、十分やっていけるでしょう?」
メリーさん太「しかもこの『変動制』なら、実質的に『消費税の減税や廃止』も実現しているようなものだからな」
ちょい悪令嬢「現在の消費税システムって、『家庭会計』を犠牲にして、『企業会計』や『行政会計』を儲けさせているようなもので、歪極まりなく、国民の生活を苦しめるだけの『悪税』であって、大幅な減税や廃止は今すぐ無理だとしても、何らかの『改善』を施すことは急務でありましょう☆」
ちょい悪令嬢「──後、付け加えるとしたら、『……消費税を10%に固定しても、景気が良くなれば税収が増えると言うけど、逆に言えば不景気が続けば税収が伸びなくなるので、そう言う時は消費税を増税しないと、国家の活動のための財源が不足するから、上限を決めるべきでは無いのだ!』とか言い出す輩がいたら、『国民の敵』決定ですので、その場で即刻『死刑』にいたしましょう!」
メリーさん太「何で⁉ 言っていることはそんなに間違っていないのに、『死刑』は無いだろ⁉」
ちょい悪令嬢「……何言っているんですか、このクズ野郎は『たとえ世の中が不景気で、庶民の生活が救いようも無く困窮していようとも、政府の財源を確保するためには、消費税を増税して、庶民から搾り取るべきだ!』とほざいているも同然なのですよ⁉」
メリーさん太「──なッ⁉」
ちょい悪令嬢「そもそも消費税の性格自体が、『どんなに不景気であろうとも、たとえ庶民を苦しめようが、政府にとって必要十分な財源を確保すべき』ための税制ですからね。一刻も早く『上限』を設定するとともに、大幅減税や抜本的廃止を目指していくべきなのです!」