第2169話、わたくし、今期夏アニメ、いよいよ本番突入ですの☆(その28)
ちょい悪令嬢「今回も今期夏アニメについてお話ししたいかと思いますが、少々趣向を変えまして、最近の各作品の動向を踏まえて、本作の作者による『私的覇権作レース』の、『中間的とりまとめ』を行いたいかと存じます」
メリーさん太「……何だよ、いきなりここに来て、『中間的取りまとめ』って?」
ちょい悪令嬢「以前から申しておりますが、今年の夏アニメに関してはかなり早期から、『Summer P○ckets』と『うたごえはミルフ○ーユ』と『タ○ピーの原罪』の三強によって、『私的覇権作』がほぼ決定していて、しかもこの三作品の間に優劣は無いと言うことでしたよね?」
メリーさん太「ああ確か、『サマ○ケ』が『最優秀覇権賞』で、『うた○ル』が『特別ダークホース賞』で、『タ○ピー』が『制作スタッフ賞』だったっけ?」
ちょい悪令嬢「基本的にその認識で構いませんが、三作品間の『バランス』が、ちょっと変わってきたのです」
メリーさん太「と、言うと?」
ちょい悪令嬢「まず『タ○ピー』についてですが、全六話の短期決戦で『先行逃げ切り』的に、『最優秀覇権作』レベルは確定だと思っていたのですが、やはりどんどんと面白くなっていくばかりの他の二作品と比べたら、どうしても見劣りするようになってきたのですよ」
メリーさん太「……あー、それはまあ、仕方ないよな。元々『タ○ピー』は原作付きなんだから、放映前から結末はわかっていたし、そう言う意味では『インパクトが弱い』ので、魅力的な『オリジナルアニメ』が出てきたら、かなり分が悪いよな」
ちょい悪令嬢「続いて『サマ○ケ』ですが、これに関してはあらゆる意味で、うちの作者の好みのど真ん中ストライクですので、まさに正当なる『私的覇権作』の地位は揺るがないと思っていたのですが、最近になって少々雲行きが怪しくなってきたのです」
メリーさん太「……何でだよ? 後半戦に突入してから、『ギャルゲ』から『家族愛』へと衣替えすると同時に、SFでもありファンタジーでもあり優しいホラーでもあると言う、『正統派サマードリーム』展開を見せつけてくれて、しかもうちの作者イチ押しの『う○ちゃん』をメインヒロインに据えていると言った最強ぶりで、まったく死角が無いじゃないか?」
ちょい悪令嬢「──その牙城を崩しつつあるのが他ならぬ、『うた○ル』なのですよ」
メリーさん太「なッ⁉」
ちょい悪令嬢「最初に『うた○ル』を見た時の印象としては、『かなり好感度の高い作品』と言った程度の評価でした。よって最終的には『サマ○ケ』や『タ○ピー』と並んで、『最優秀覇権作』の一角に位置づけるつもりであったものの、先行公開されている【オーディオドラマ版】の、アニメ対象範囲外の【番外編】等を見たり、アニメ本編においても、【オーディオドラマ版】とは異なる展開を見せ始めたりすることによって、この作品が本作の作者の想像以上のポテンシャルを秘めていることを、まざまざと思い知らされて、これからの展開を大いに期待するようになったのです」
メリーさん太「え、どういうこと? これから先の期待が大きいのは、『サマ○ケ』だって同じだろ?」
ちょい悪令嬢「もちろん『サマ○ケ』だって、これまで何度も申しましたようにクライマックスに向けて、『感動! 感動! また感動!』の連続になっていくとは思いますが、それはあくまでもある意味、『予定調和』の範疇に過ぎないでしょう」
メリーさん太「『予定調和』って、あの『サマ○ケ』がか?」
ちょい悪令嬢「オチとしては、う○ちゃんが文字通り自分を犠牲にして、羽○里君とし○はちゃんを結びつけるものの、将来彼女自身が生まれない未来を選択すると言った、『ビターエンド』を迎えるか、土壇場で羽○里君が『侠気』を発揮して、他の世界線でオトしたヒロインたちの力も借りて、あらゆる『運命』をぶっちぎって、し○はちゃんもう○ちゃんも幸せにすると言った、『完璧なハッピーエンド』を迎えるかの、どちらかでしょう☆」
メリーさん太「──身も蓋も無い言い方だけど、確かにそれ以外は考えられないよな⁉」
ちょい悪令嬢「それに対して、『うた○ル』は、根本的に『違う』のですよ」
メリーさん太「ち、『違う』って……」
ちょい悪令嬢「もちろん本作の作者も最初のうちは『うた○ル』のことを、少々変わっているものの『日常モノ』に過ぎないと認識しており、いかにも『ギスギス』しそうなキャラ関係でありながら、ギリギリのところで回避している、絶妙な脚本と演出に、『こう言う作品を待っていたんだ!』と、諸手を挙げて歓迎しておりました。──しかし、エピソードが進むにつれて、そんな『浅い評価』は間違いなのでは無いかと、疑念が生じるようになったのです」
メリーさん太「え、もしかして、やはり最近流行りの『ギスギス路線』だったりとか?」
ちょい悪令嬢「ですから、そんな『十把一絡げ』な作品では無かったのですよ」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「この作品のテーマの一つとして、『コンプレックス』が挙げられており、てっきりいろいろな問題を抱えている少女たちが、『アカペラ』と出会うことによって、自分の価値を見いだしていくと言ったパターンであり、『入部』すること自体で問題があらかた解決するものと思ったのですが、そんな甘いものでは無かったのです」
メリーさん太「で、でも、自分の声質に悩んでいた熊○ちゃんなんかは、『アカペラ部』に受け容れられることによって、もはや『コンプレックス』は解消されたのでは?」
ちょい悪令嬢「何言っているんですか、熊○ちゃんや○歌ちゃんは『重度のコミュ障』なのですよ? 確かに彼女たちには歌の才能が有るようですが、アカペラとは他人と『合わせる』ことが何よりも大事なのですから、彼女たちには『コミュ障克服』と言う、最大の問題がいまだ立ちはだかっているのです」
メリーさん太「──うッ⁉」
ちょい悪令嬢「それはウ○ルちゃんに『ズレている』と指摘されたム○ブちゃんも同様で、彼女の『コンプレックス』については、これから明かされていくものと思われますが、もしも唯一の取り柄と自認していた『音楽の才能』まで否定されてしまった時、彼女がどんな反応を示すのか、予想するだに恐ろしいですよね?」
メリーさん太「──ううッ⁉」
ちょい悪令嬢「更には、一年生の中にあって、何の悩みも無いように見えるウ○ルちゃんですけど、こういった手合いこそ、『抱える闇』が大きかったりするのです。既に熊○ちゃんに対して、『家庭に何か問題が有る』かのような素振りを見せておりますので、今後の展開には要注意でしょう」
メリーさん太「──うううッ⁉」
ちょい悪令嬢「そして、いかにも頼りがいの有ると言った感じの先輩お二人ですが、既に当座談会で何度も指摘しておりますように、彼女たちもかなり深刻な『コンプレックス』を抱えているようですし、もしそれが暴かれるとしたら、一年生たちなんか比較にならないほど、アカペラ部そのものに多大なる影響を及ぼすかも知れませんね」
メリーさん太「──ううううッ⁉」
ちょい悪令嬢「とまあ、このように『うた○ル』の今後の展開は、まったく予測不能であり、しかもそれが作品の魅力と直結しているので、ワクワク感が半端なく、こんなに先の展開が楽しみで仕方ない作品は、かの『BanG Dre○m! ITS MyG○!!!!!』以来とも言えて、場合によっては今期夏アニメの『私的覇権賞』の単独受賞どころか、年間最優秀賞の受賞すらも有り得たりして」
メリーさん太「──そこまでかよ⁉ うちの作者にとって『歴代トップクラス』と言っても過言では無い、『MyG○』と比肩し得るなんて、どんだけ高評価なんだ⁉」
ちょい悪令嬢「まあそれも、今後の展開次第ですわね。おそらく次回の第6話から登場すると思われる、とにかく癖の強い新キャラたちとの絡みによって、更にストーリーが面白くなっていくかどうかが、評価の分かれ道となることでしょう☆」