第2156話、わたくし、今期夏アニメ、いよいよ本番突入ですの☆(その16)
ちょい悪令嬢「……今期夏アニメも、そろそろ折り返し地点に差しかかりつつあり、各作品共いよいよ本番を迎えておりますが、ここで重大発表を行わせていただきます。
本作の作者による、夏アニメの『私的覇権作』が、決定いたしました!」
メリーさん太「──うおおおおおおおおおい! いきなり何言ってんの⁉」
ちょい悪令嬢「……いや、メリーさん、そちらこそいきなり奇声を発したりして、いくらお約束とはいえ、びっくりするではありませんか?」
メリーさん太「びっくりしたのは、こっちだよ⁉ 何でまだ各作品共折り返し地点にも達していないと言うのに、覇権作が決定できるんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「まあ確かに、他の作品の展開次第ではどうなるかわかりませんから、今のところ『暫定一位』としても構いませんけど、最終的に『覇権』を獲るのは、ほぼ間違いないでしょう」
メリーさん太「……この時点で、そこまで断言できる作品て、一体何だ? ──ああ、もしかして全六話で既に完結して、うちの作者も大絶賛した、『タ○ピーの原罪』か?」
ちょい悪令嬢「確かに『タ○ピーの原罪』は素晴らしかった! もしも『覇権賞』が獲れなくても、以前申したように、『最優秀アニメスタッフ賞』を進呈し、『覇権賞』と同列に扱うことをお約束いたしましょう!」
メリーさん太「『タ○ピー』でも無いとすると、一体どの作品だよ⁉ 最近本作の作者がやけに推している、『クレ○テスー魔獣の王と赤子と屍の勇者ー』か、『うたごえはミルフ○ーユ』か、『神○市建設中。』かの、どれかかよ⁉」
ちょい悪令嬢「前期から続く二クールアニメ、『サマ○ケ』こと『Summer P○ckets』でございます☆」
メリーさん太「……え、『サマ○ケ』? よりによって、それなの?」
ちょい悪令嬢「……何ですか、『よりによって』って? ちゃんと先日の【中間発表】の際には、『覇権最有力候補』の一つに挙げていたではないですか?」
メリーさん太「だって他の候補作が、今や世界規模で大絶賛の『タ○ピーの原罪』と、本作の作者の個人的趣味に完全合致の『クレ○テス』なんだから、むしろ作者の苦手ジャンルの『ギャルゲ原作』の『サマ○ケ』は、若干見劣りすると思っていたんだけど?」
ちょい悪令嬢「それが何と! 『サマ○ケ』は今回の新章に突入してから、『ギャルゲ』では無くなると同時に、この季節において本作の作者が最も好きなジャンルへと様変わりしたのです!」
メリーさん太「『サマ○ケ』が『ギャルゲ』では無くなったって、そんな馬鹿な! しかも、うちの作者が『大好きなジャンル』って、何のことだ⁉」
ちょい悪令嬢「『サマードリーム』、ですよ」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「『サマ○ケ』のような離島や山奥の片田舎等を訪れた少年が、一人の少女との運命的な出会いによって、夢のような夏休みを過ごすんですけど、実は彼女は、人外だったり幽霊だったり人身御供の巫女姫だったり未来人だったりして、最後には悲しき別れを迎えてしまうと言う、『切なきボーイミーツガール』の物語なのです」
メリーさん太「ああ、特にラノベ界隈においては夏の風物詩とも言える、ファンタジーでもあり、ホラーでもあり、SFでもあり──ってやつか?」
ちょい悪令嬢「もうね、少なくとも季節が夏の間は、本作の作者が最も愛するジャンルと言えるでしょう!」
メリーさん太「……しかも、本来苦手としていた『ギャルゲ』でも無くなったと言うのは、どういうことなんだ?」
ちょい悪令嬢「何と新章である『AL○A』ルートからは、加藤う○ちゃん改め『羽○ちゃん』が、新ヒロインとなったのですよ!」
メリーさん太「……うわあ、それって先行発売のノーマルヴァージョンでは攻略対象外だった、『実妹』キャラや『ロリ』キャラが、追加ヴァージョンにおいては、新たに攻略対象になったってわけ? むしろ『ギャルゲ』や『エロゲ』の悪しき伝統そのものじゃん!」
ちょい悪令嬢「いやだから、もはや『ギャルゲ』では無いと、申しておるでしょう?」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「実は羽○ちゃんは、今は亡き『お母さん』を求めてこの島にやって来たのであり、それを不憫に思った主人公の鷹原羽○里君が、前回までの『ルートヒロイン』である鳴瀬し○はちゃんに頼み込んで、一夏だけの『お母さん』役を演じてもらうことになって、名付けて『親子ごっこルート』の爆誕であり、これまでの『ギャルゲ』や『エロゲ』のように、特定のヒロインを攻略していくわけでは無いのです」
メリーさん太「そりゃあ、自分が『お父さん役』をやるのが前提なのに、初手からヒロインが『お母さん役』を演じるんだったら、攻略する必要は無いからな!」
ちょい悪令嬢「今後羽○里君とし○はちゃんの関係がどうなっていくかは定かではありませんが、『ルートヒロイン』である羽○ちゃんに対しては、あくまでも『微笑ましい家族愛』で終始するものと思われます」
メリーさん太「……なるほど、これじゃもはや『ギャルゲ』でも『エロゲ』でも無いわ。──とはいえ、こんなあからさまな感動的『親子ごっこ』ストーリーもののどこが、ファンタジーでもありホラーでもありSFでもあり得る、『サマードリーム』だと言うんだ?」
ちょい悪令嬢「実は未来人だか別の世界からの闖入者だかである羽○ちゃんは、立派に『SF世界』の住人だし、その羽○ちゃんから見れば『死人』のようなものであるし○はちゃんは、『優しいホラーファンタジー世界』の住人と言えるのですよ」
メリーさん太「へ? 羽○ちゃんが『SF』で、し○はちゃんが『ホラーファンタジー』だと?」
ちょい悪令嬢「しかも今回の最新話の冒頭シーンからすると、羽○里君自身も何だか怪しくなってきましたしね」
メリーさん太「え」
ちょい悪令嬢「……と言いますか、むしろこの作品の舞台である『鳥○島』自体が、本当に存在している現実の世界かどうか、断言できなくなったりして」
メリーさん太「──うおいッ⁉ 何さっきから、とんでもないことばかり言っているんだよ⁉ あたしや読者様にもわかるように、ちゃんと説明しろ!」
ちょい悪令嬢「今回の新章冒頭において、羽○里君や羽○ちゃんの逗留先の家主である京○さんが、蔵の中で『七○蝶』としゃべっていて、『もうすぐ女の子が訪ねてくるから面倒を見てあげて』と言われて、何の躊躇も無く『わかった』と返事をしたのです」
メリーさん太「ああ、それって羽○ちゃんのことだろ? 彼女って未来人だか異世界人だかで、本来身分保障が不可能なんだけど、ここで受け容れてやらないと話が始まらないから、御都合主義的に『遠縁の子』と言うことに設定されたわけか?」
ちょい悪令嬢「それが何と、羽○里君も御同様だったのです!」
メリーさん太「え、羽○里君は間違い無く、京○さんの親戚なんだろ?」
ちょい悪令嬢「いえ、やはり冒頭シーンで、『七○蝶』が京○さんに、『その後男の子も訪ねてくるから、無条件で受け容れてやって』と頼んでました」
メリーさん太「……ええと、それって、どういうことになるの?」
ちょい悪令嬢「京○さんのことを親戚だと思っているのは、羽○里君の妄想みたいなもので、そもそも彼は『鳥○島』なんかに来るつもりは無かったのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「──だったら何で羽○里君は、今現在鳥○島にいるんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「これは本作の作者の仮説なのですが、『鳥○島』ってかの『マヨヒガ』のように、現実世界とは少しズレた時空間に在って、何かの理由で現実世界から『逃げたい』と思っている人々が、記憶や時間感覚を失ってたどり着く、『不思議空間』なのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「──なッ⁉」
ちょい悪令嬢「もうね、新章突入とともに、完全にうちの作者の『大好物』のジャンルそのものと成り果てた『サマ○ケ』は、今やどなた様にも超お薦めの『サイコーな☆夏アニメ』でありますので、興味を惹かれた方は是非ともご視聴なさってくださいませ♡」