第2143話、わたくし、今期夏アニメ、いよいよ本番突入ですの☆(その4)
ちょい悪令嬢「……これはいけませんねえ、ここに来て、『急ブレーキ』ですわ」
メリーさん太「な、何だ、いきなりどうした?」
ちょい悪令嬢「いえね、今期夏アニメにおいて、特に当座談会が注目している期待作の一つの、『Turk○y!』についてなんですけど」
メリーさん太「おお、それか? 何か気になる動きでも、有ったのか?」
ちょい悪令嬢「いえ、何も無かったのです」
メリーさん太「え、無かったの?」
ちょい悪令嬢「むしろ、『無かった』からこそ、問題なのです!」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「今回は、特にオリジナルアニメにとって何よりも大事な、『第3話』だったのですよ⁉ それなのにこれと言った事件の起こらない、『日常回』で終始してしまうなんて。これでほとんどの視聴者が離れていっても、文句は言えないでしょう!」
メリーさん太「あ、『Turk○y!』は第3話だったんだ? そんなにまずい内容だったのか?」
ちょい悪令嬢「ですから、『まずい内容』だったほうがましなくらいに、ほとんど語るべき『内容』が無かったのですよ!」
メリーさん太「『ないよう』だけに?」
ちょい悪令嬢「やかましい!」
メリーさん太「まあでも、女子高生が戦国時代にタイムスリップしたと言うだけでも、この上なく『インパクト大』なのだから、たとえ『日常回』であったとしても、それなりに見所が有ったんじゃないのか?」
ちょい悪令嬢「いえね、料理の仕方によってはちゃんと盛り上がりそうなネタも、幾つか有ったのですよ、なのにそれを必ず潰すバカキャラがいたのです!」
メリーさん太「『バカキャラ』って、誰のことだよ?」
ちょい悪令嬢「メガネのやつですよ! あの現代女子高生のグループのほうの! あいつには『戦国時代』の知識が有って、物語の円滑な進行に役に立ってくれるかと思っていたら、『時代遅れの偏ったSF知識』しか無くて、むしろせっかくのネタを不発に終わらせてやがるのです!」
メリーさん太「『時代遅れの偏ったSF知識』って?」
ちょい悪令嬢「このメガネ、不用意に現代の知識を戦国時代の人間に与えると、歴史が変わってしまって、最悪の場合は自分たち現代人チームの存在自体が、消えてしまいかねないなんて言い出したのです!」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太&ちょい悪令嬢「「──いやいやいや、そんな馬鹿なこと、あり得るわけが無いだろ⁉」」
メリーさん太「……確かにこいつのSF知識は、『時代遅れ』だし、『偏っている』わ」
ちょい悪令嬢「現代日本から忽然と女子高生5人分と言う大質量が消去するだけでも、物理学的に大問題なのに、何の根拠も無しに戦国時代からも同じ質量が忽然と消えたりしたら、『質量保存の法則』が完全に否定されてしまうんですけど、メガネさんはその外見に反して、『科学的知識』は皆無なのでしょうか?」
メリーさん太「……本作において、これまで何度も何度も言ってきたけど、この『現在の世界』には、未来人も過去人もおらず、いるのは『現代人』だけなんだよな」
ちょい悪令嬢「逆に言えば、時間には過去も未来も無く、有るのは『現在』だけなのですよね」
メリーさん太「わかりやすく言うと、人間って『自分の一生』と言う『ワンセットの時間世界』の中で生きていて、『Turk○y!』の女子高生たちで言うと、そもそも最初から『人生の一部に戦国時代のパートが組み込まれていた』だけの話で、そのタイムスリップの期間も含めて、彼女たちの『ワンセットの人生』に過ぎないんだよな」
ちょい悪令嬢「……『め○ん一刻』のキャラ名をパクっているくせに、高○留美子先生の戦国時代SFの代表作である、『炎トリ○パー』を完全に理解していないのか? ちょっとネタバレになるけど、そもそもあの主人公とヒロインは、『現代人』なのか『戦国時代人』なのか、明確に言えないのに、どちらの世界にタイムスリップしようが、ちゃんと二人は生きていて消滅なんかしないし、自分の意思で自分の選んだ時代で生きていこうとしているだろうが⁉」
メリーさん太「まさに本作で言うところの、『その者にとっての「現在」は、今実際にいる時代なのだ』そのものであって、たとえ戦国時代にタイムスリップしても、メガネの似非SF知識によって邪魔されて、何もやろうとしないんじゃ、生きている意味無いじゃん?」
ちょい悪令嬢「同じ今期夏アニメの『9ーn○neー Rulers Cr○wn』のほうは、同じように『時間遡行』を実現しても、それはその時点の主人公に、別の世界線の主人公の記憶をインストールしただけだと言う、非常に論理的な裏設定が有るのですが、この差は一体何なんでしょうか?」
メリーさん太「問題は『ボウリングアニメ』としても『SF』としても、あまりにも中途半端で、現時点では『全然面白くない』ことなんだよ。どうせなら第3話で、『……どうして隣国から攻められないで済んでいるのですか?』と聞かれた時に、いきなり屋敷がまばゆい光に包まれて、夜空を見上げれば巨大な宇宙要塞の大群に埋め尽くされていて、御先祖様のほうのピンク髪が、『──それは、私たちがこんな辺境惑星の原始的な戦闘集団なんか相手にならないほど、科学技術が発展した、外宇宙から威力偵察にやって来た、銀河帝国の尖兵だからよ』──てな感じで、ぶちかましてくれれば良かったのによお」
ちょい悪令嬢「確かに、『タイムスリップ』が実現する世界観なら、『宇宙人』がいてもおかしくはありませんよね☆」
メリーさん太「しかも実は現代女子高生チームも、宇宙人の末裔だったりして」
ちょい悪令嬢「銀河系最高峰の武闘術である、『銀河ボウリング殺法』で、並み居る戦国武将どもを、バッタバッタとなぎ倒していくわけですね⁉」
メリーさん太「──それナイス! もううちの作者が脚本書けよ⁉ 絶対『Turk○y!』のプロの脚本家よりも、文句なしの面白い作品を創れるよ!」
ちょい悪令嬢「まあそれは冗談ですけど、『め○ん一刻』のキャラ名をパクるのなら、高○作品ならではの、ハチャメチャでシュールなSFマインドを踏襲して、もっと理屈抜きに面白い作品を目指してもらいたいものですわ。──その足を引っ張ってばかりいるメガネには、早急な『退場』を要求しますわ(怒)」
メリーさん太「……しかしまさか、『前○ウィッチーズ』よりも『下』の作品が、こうも早く出てくるとはねえ」
ちょい悪令嬢「本作の作者は『前○ウィッチーズ』はほとんど見ていませんけど、同じように『魔法』と言う『不思議現象』を扱った作風でありながら、こちらのほうはちゃんと『現代の女子高校生を取り巻く諸問題』を題材にしていましたからね。その分『地に足を着けた』しっかりとした作品だったと言えましょう」
メリーさん太「……よもや当座談会において、『前○ウィッチーズ』の再評価の機運が生まれるなんて」
ちょい悪令嬢「そもそも『戦国時代にただの女子高生がタイムスリップする』と言う、次の瞬間にでも戦闘に巻き込まれて死ぬか、飢え死にするか、伝染病で死ぬか等々、常に生命の危機に脅かされている状況だと言うのに、どうでもいい女子高生レベルの問題でギスギスを繰り返すなんて、見ていてあきれ果てて、いったんは視聴を切ったほどですわ!」
メリーさん太「……見始めた作品は、一応最後まで見るのが信条のうちの作者が、そこまでキレてしまうなんて、大概だろう」
ちょい悪令嬢「……まあとにかく、もう少しばかり視聴を継続するつもりですが、第5話あたりになっても面白くならなかったら、その時点で容赦なく切りますので、是非とも期待を裏切らないように、よろしくお願いいたしますわ★」