第2139話、わたくし、今期夏アニメ、いよいよ本番突入ですの☆(その1)
ちょい悪令嬢「──いよいよ作品が出揃って参りました、今期夏アニメですが、当座談会の推し作品が、またしてもやってくださいましたよ!」
メリーさん太「え、そうなの⁉ 一体どの作品だよ⁉」
ちょい悪令嬢「──『9ーn○neー Rulers Cr○wn』で、ございます!」
メリーさん太「…………………ほう、やはり、それが来たか」
ちょい悪令嬢「あれ? 驚きもしなければ、それ程意外にも思わないなんて、珍しい反応ですね? ──しかも、『やはり』とは?」
メリーさん太「『9ーn○neー』て、一見大昔の『エロゲのアニメ化版』そのまんまに、いかにも古臭いキャラデザやストーリー運びなんだけど、まさに『当時のエロゲアニメ』そのまんまに、実はヒロイン全員が『怪物』や『老○』だったりすると言った、衝撃的展開も有り得るんじゃ無いかと、この座談会でも予測していたじゃ無いか?」
ちょい悪令嬢「ああ、まさしく『マブ○ヴ』や『カオスチャイ○ド』のようにね」
メリーさん太「それで具体的には、どんな『衝撃的シーン』が有ったんだ? 実はヒロインたちは全員男で、『アーティフ○クト』を身に着けている間は美少女だけど、外すと本来の美少年に戻るとか?」
ちょい悪令嬢「衝撃的と言えば衝撃的ですが、いつもとは『逆パターン』だったのですよ」
メリーさん太「『逆』、って?」
ちょい悪令嬢「これまでの『エロゲアニメ』って、日常的なハーレムラブコメ作品が、いきなりグロ山盛りの異能バトル作品に、大転換するってパターンだったじゃ無いですか?」
メリーさん太「うん」
ちょい悪令嬢「でもこの作品て、元々『人間の石化事件』を中心に、異能を巡るバトル作品そのものですよね?」
メリーさん太「そういえば、そうだったな」
ちょい悪令嬢「それなのに、『9ーn○neー』の最新第4話においては、『石化事件』のことなんか完全に忘れ果てて、単なる『日常ラブコメ』に成り果ててしまったのですよ☆」
メリーさん太「──『逆』って、そう言う意味だったのかよ⁉」
ちょい悪令嬢「ほら、前回他の能力者の提案によって、メインヒロインの九條み○こちゃんの能力を使って、主人公の新海か○る君の記憶を一時的に『借りた』じゃ無いですか? それはあくまでも事件解決の手がかりを得るためだったのですけど、当然か○る君の、み○こちゃんに対する『秘めたる恋心』も、筒抜けになってしまうわけでして」
メリーさん太「あ」
ちょい悪令嬢「その結果第4話においては、冒頭からギクシャクした関係になってしまったりしてw」
メリーさん太「──思春期の少年少女としては、もはや『石化事件』なんかに構っている場合じゃ無いよな⁉」
ちょい悪令嬢「当然をそれを見たクラスメイトたちは不審がるのですよ、ついこの間まで結構親密だった二人が、急によそよそしく距離をとり出したりしたらね。そこでお節介なやつが、一計を案じるわけです」
メリーさん太「『一計』とは?」
ちょい悪令嬢「クラス全員でアミューズメント施設に行くと言う口実で、故意に二人っきりにさせて、お互いの本音を語らせようと言った寸法でございます」
メリーさん太「おお、『学園ラブコメ』作品では、有りがちな展開だな?」
ちょい悪令嬢「そこで何とみ○こちゃんの口から、実は自分もか○る君のことを憎からず思っていたことが、告げられるのですよ!」
メリーさん太「つまりそれって、『両思い』だったってことお⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、まだ一クールの三分の一しか終わっていないのに、めでたく主人公とメインヒロインの『カップル成立』と相成ったわけなのです!」
メリーさん太「確かにこれってもはや、単なる『ラブコメ』じゃん⁉ ──つうか、下手したら、ここで終わってしまいかねないんじゃ無いの⁉」
ちょい悪令嬢「はあ? 何言っているんですか、メリーさん。『問題』は何も解決していないのに、終わったりするものですか」
メリーさん太「……主人公とメインヒロインが結ばれたと言うのに、一体何の『問題』が残っていると言うんだよ?」
ちょい悪令嬢「忘れてはなりません、この作品の目下最大の『問題』は、『石化事件』だと言うことを!」
メリーさん太「え?………………………………って、おい、まさか⁉」
ちょい悪令嬢「お互いの気持ちを確認した後、ハッピーな日々を過ごしていた二人ですが、ある日み○こちゃんが登校してこなくて、心配したか○る君が電話をしたりメッセージを送ったりしても、まったく反応が無くて、そんな時『今度の石化事件の被害者は、うちの学校の生徒だってよ』──と言った、噂を耳にするのです!」
メリーさん太「……あ」
ちょい悪令嬢「居ても立ってもいられなくなったか○る君は、すべての発端である九○九神社へと向かうのですが、そこで再びみ○こちゃんに連絡を取ろうとしたところ、何と『着信音』が、すぐ側から聞こえてきたのです!」
メリーさん太「……ああ」
ちょい悪令嬢「音のするほうに向かっていけば、境内の裏手にみ○こちゃんの携帯が落ちていて、その近くに彼女自身もいたのですが──」
メリーさん太「……あああ」
ちょい悪令嬢「その身体は既に石化していて、しかも高いところから落とされたかのようにして、全身バラバラとなっていたのです」
メリーさん太「──ああああああああああああああああああ!!!」
ちょい悪令嬢「そうなのですよ、この作品が単なる『日常ラブコメ』作品としてハッピーエンドを迎えるはずが無く、視聴者の誰もが油断しているところに、『衝撃的展開』をぶっ込んできたわけなのです」
メリーさん太「──いくら何でも『衝撃』的すぎるよ⁉ メインヒロインを退場させて、これから一体どうするつもりなんだ⁉」
ちょい悪令嬢「大丈夫です、もちろん主人公君自身もこの上ない衝撃を受けて、それを切っ掛けに『真の力』に目覚めて、見事に世界をみ○こちゃんが生きている時点に、巻き戻すことに成功するのですから!」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「──何ソノ『御都合主義』は⁉ しかもその『時間遡行』だか『ループ』だかのパターンて、『エロゲ』や『ギャルゲ』のアニメ化において、散々使い古されたネタじゃんか!」
ちょい悪令嬢「いえいえ、今回の『9ーn○neー』最新話に対する考察は、ここからが『本番』なのですよ」
メリーさん太「……『本番』、だと?」
ちょい悪令嬢「か○る君の能力は、『時間遡行』でも『ループ』でも無く、別の世界線の自分に『記憶』を移し替えるだけなのです。──しかもそれをやっているのは、彼自身では無く、更に上位の『すべての世界を観測できる』超常的存在が、複数の世界線のか○る君に、任意に『別の彼の記憶』をインストールしているのですよ」
メリーさん太「──そ、それって⁉」
ちょい悪令嬢「そうです、本作においてこれまで何度も提唱してきた、『集合的無意識とのアクセス』方式による、事実上の『時間遡行』や『ループ』の実現方法そのものなのですよ。しかも後半部分に至っては、『集合的無意識とのアクセス権の上位の者』による、下位の者に対する『強制的な集合的無意識とのアクセス』そのものですしね」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「まさか軽い気持ちで見ていた『9ーn○neー』が、これほどまでに本作とのシンクロ率が高いとはね。やはり『エロゲアニメ』は油断できませんわ。これは来る『ぬき○し』第1話の無料公開も楽しみですわね☆」
メリーさん太「……いや、さすがに『ぬき○し』には、『SF要素』は無いだろ?」