第2138話、わたくし、今期夏アニメ、ファーストインプレッションですの☆(その9)
ちょい悪令嬢「──さて、そろそろ今期夏アニメも各作品共出揃ってきて、早いのになると既に三、四話ほど放映済みのも有りますが、読者の皆様におかれましては、ご自分なりの『お気に入り』は見つかったでしょうか?」
メリーさん太「……だったら、このコーナーのサブタイトルの『ファーストインプレッション』って言うのも、そろそろ変え時じゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「肝心な作品が、まだ第1話さえも無料公開されておりませんので、それまではこのタイトルで行きます」
メリーさん太「『肝心な作品』、て?」
ちょい悪令嬢「もろちん、『ぬき○し』です!」
メリーさん太「──結局それかよ⁉ いかにも関心が無いように装いながら、この『好き者』が! それに最近になって、その『もろちん』ネタ、よく使うよな⁉」
ちょい悪令嬢「『ぬき○し』の話題には、ふさわしいかと思いましてw」
メリーさん太「──あんたはもう少し、筆頭公爵家令嬢である自覚を持てよ⁉」
ちょい悪令嬢「まあ、まだ全然見ていない『ぬき○し』の話はこのくらいにして、そろそろ【本題】に移ることにいたしましょう!」
メリーさん太「【本題】って、今回はどの作品について語るんだよ?」
ちょい悪令嬢「『タ○ピーの原罪』の、最新第4話についてです!」
メリーさん太「──まあた『タ○ピー』かよ⁉ あんた本当は大好きだろ、『タ○ピー』!」
ちょい悪令嬢「いえ、内容については、『イジメ』や『毒親』の描写があまりにも凄惨なので、それほど好ましくは思っておりません」
メリーさん太「だったらアニメ版が配信されて以来、何でこんなにも持ち上げるんだよ?」
ちょい悪令嬢「以前ちゃんと申し上げたではありませんか? ──『アニメだから』ですよ」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「第4話については、ニコ○コ動画での視聴者のコメントでも頻繁に指摘されていましたが、『アニメ』としての作画やアクションや演出等の『見せ方』が、『タ○ピーの原罪』と言う原作を完全に理解しているのはもちろん、それ以上に『アニメ』としてむちゃくちゃ『刺激的』になっており、見る者を惹きつけて放さないのですよ!」
メリーさん太「ああなるほど、うちの作者のような『アニメ好き』にとっては、原作に対する評価すら度外視するほど、『アニメ』として見逃せないわけか⁉」
ちょい悪令嬢「今回の内容はこれまでと違って、バイプレイヤーのあ○ま直樹君を中心に据えて、そのお母さんとお兄さんとの関係性を描いているのですが、あ○ま君の複雑極まる心理描写が、的確かつドラマチックに画面に反映されているところなんて、完全に脱帽しましたわ」
メリーさん太「シンプルな線画で構成されているあの原作漫画版を、アニメにおいてどう表現するのか、ちょっと心配していたんだけど、ほぼそのままのイメージでありながら、アニメとしての動きや外連味を加味して、魅力倍増にしたのは凄いよな⁉」
ちょい悪令嬢「特に注目したいのが、あ○ま君の目を通してのし○かちゃんの描写ですわね。視聴者の客観的な視点からは、ズタボロでいかにも貧相なし○かちゃんが、あ○ま君にはあんなに可愛く色っぽく見えていたんですね♡」
メリーさん太「……ニコ○コ動画では、『淫○の娘』とか呼ばれていたりして。あの母親譲りの手管で迫られたら、あ○ま君だって抗えないわな」
ちょい悪令嬢「そして最大の見所が、『ま○なちゃん殺人事件』の捜査が進むにつれて、あ○ま君がどんどんと闇に呑み込まれていって、勉強等が疎かになり、ついには母親からも見放されて、絶望のどん底に陥った際に、し○かちゃんに唆されるままに、彼女の代わりに犯人として自首することを決意したまさにその時、お兄さんがそんな弟の常ならざる様子に気づき、『俺はおまえのお兄ちゃんなんだから、何でも頼れ! どんなに大変なことを抱えていようとも、必ず力になってやるから、すべて打ち明けてくれ!』と、何の躊躇も無く手を差し伸べてくれたことで、最後の最後にあ○ま君が救われるシーンにおいて、これまで闇に閉ざされていた画面が、一気に光に包み込まれる演出は、むちゃくちゃグッドでしたわね!」
メリーさん太「ただひたすら『凄惨』なことばかりでは無く、このような『救済』もちゃんと描くところが、この作品の魅力でも有るよな」
ちょい悪令嬢「……こうなってくると、原作漫画版のほうも、『再評価』しなくてはならないかも知れませんねえ」
メリーさん太「と、言うと?」
ちょい悪令嬢「言うまでも無く、本作の作者としては、『イジメ』を扱った内容はもちろん、キャラ造形を始めとした作画面も、あまり好みじゃ無かったのですよ」
メリーさん太「確かに、うちの作者の趣味じゃ無いよな」
ちょい悪令嬢「でもですねえ、今回アニメ版を見て、その認識が抜本的に変わったのです」
メリーさん太「……『認識が変わった』って? しかも『抜本的に』だと?」
ちょい悪令嬢「アニメ版がこんなにも『魅力的』だと言うことは、当然原作漫画版も『魅力的』だったんじゃ無いかと言う、当たり前の結論に達したのです☆」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「キャラ造形を始めとするあのラフな作画だからこそ、『イジメ』を中心にした凄惨なる人間関係を、ある程度オブラートに包み込んで、更には『タ○ピー』と言うSF要素を絡めることによって、これまでに無い新機軸を実現して、あくまでも『漫画としての面白さ』によって、大勢の読者を惹きつけたのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「……つまり、『タ○ピーの原罪』が社会現象並みに話題になったのは、単に『センセーショナルなストーリー』による『インパクト勝負』では無く、ちゃんと『漫画作品』として、これまでに無く『魅力的』だったからと言うのか?」
ちょい悪令嬢「原作を読んでいる時はまったく気づきませんでしたが、今回アニメ版に触れることによって、これまでの認識を大幅に変えざるを得なくなったのですよ」
メリーさん太「へえ、『アニメ化』には、そんな『副次的効果』も有るんだ?」
ちょい悪令嬢「原作漫画版に対しては『アンチ』とまでは行かずとも、あまりいい印象は持っていなかった本作の作者ですが、今回アニメ版を見ることによって、原作版の魅力を再確認できたのは、僥倖と言えますわね♫」
メリーさん太「これは非常にいいことだよな。すべてはアニメ版の制作スタッフの皆様が、『タ○ピーの原罪』と言う作品を完璧に理解なさっているのはもちろん、おそらくその魅力に取り憑かれることによって、心底惚れ込んで、原作の魅力を絶対世に知らしめようと決意なされて、持てるアニメ技術を最大限に駆使して、アニメ作品としても超絶魅力的につくりあげてくださったお陰だろうよ」
ちょい悪令嬢「優れたクリエーターが、優れたクリエーターを刺激することによって、漫画作品がより魅力的なアニメ作品になると言う、理想的な展開ですわね!」
メリーさん太「すべての原作つきのアニメ作品が、こうなればいいんだけどなあ……」
ちょい悪令嬢「もちろん、すべてのアニメ制作スタッフ様は、常に全力を尽くされているのは間違い無く、やはり肝心なのは『原作自体が魅力的かどうか』であって、アニメ化を目指している漫画家や小説家の皆様は、とにかく自分の作品が魅力的かつ刺激的になるように、心掛けられることをお勧めいたしますわ☆」