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第2114話、わたくし、今期春アニメ『私的覇権作』最終選考開始ですの☆(その3)

おまわりさんA「──おい、そこの君、止まりなさい! 明らかな『交通法規違反』だぞ?」




幼いさん「………………? 私、歩道を歩いていただけですけど」




おまわりさんA「知らないのか、今年2030年の4月から、2026年の自転車に引き続いて、『歩行者の交通法規違反』にも、罰則と罰金が適用されるようになったんだぞ? ──ほら、あっちを見てみろ」




おまわりさんB「──君、止まりなさい! 悪質な交通法規違反の、現行犯だぞ!」


モブランナー「えっ、現行犯て、私はただ、歩道をランニングしていただけですけど⁉」


おまわりさんB「……やれやれ、君もかね? 今回の『春の取り締まり週間』が始まってから、一体何人目だ? あれだけ世間で騒がれた新法律について、『知らなかった』では済まされないんだぞ?」


モブランナー「いやだから、私は()()()()()()()()()()()()()、ちゃんと右側の歩道を走っていたではないですか⁉ 一体何を違反したと言うのです!」


おまわりさんB「うん、だから、『走っていた』のが、問題なんだよ」


モブランナー「はあ?」




おまわりさんB「おいおい、新法律はあくまでも、通行者がお互いに安全に歩行をすることを目的にしているのだから、歩道では平穏に『歩く』ことこそを堅持し、ランニングや火急の用事等で『走る』場合は、自転車同様に車道の『自転車専用レーン』を走らなければならないのだよ」




モブランナー「そんな! 生身で車道を走れだなんて、危ないじゃ無いか⁉ しかもここの車道には、『自転車専用レーン』なんて無いし!」


幼いさん「……どうやら私の違反は、進行方向に向かって左側の歩道を歩いていたからみたいだけど、ここの車道の反対側には、歩道なんて無いじゃないの?」


おまわりさんA「その場合は当然、歩行者にも車道を歩いてもらうことになるのだ」


幼いさん「………」


モブランナー「………」


幼いさん「………」


モブランナー「………」




幼いさん&モブランナー「「──そんな、むちゃくちゃな⁉」」




おまわりさんA「むちゃくちゃだろうが何だろうが、法律で決まったことだ。さあ青切符を切るから、身分証を出しなさい」


モブランナー「ランニングシャツに短パンと言う軽装で走っているのに、身分証なんて持っているか!」


おまわりさんB「……『マイナンバーカード』の携帯は、全国民の義務として定められていることを、知らぬとは言わさんぞ? 君は悪質な法令違反として、署まで同行してもらおう」


モブランナー「そ、そんなあ⁉」


幼いさん「私は学生証なら、持っていますけど」


おまわりさんA「えっ、君、大学生だったの⁉ 高校生どころか、中学生とばかり思っていたんだけど⁉(※彼女に対しては絶対的な『禁句』です★)」


幼いさん「……むっ」




おまわりさんB「しかも、京○生だと……………いや、ちょっと待て! 『小○内ゆき』って、まさかあの、『岐阜のモリアーティ教授』の、小○内ゆきか⁉」




おまわりさんA「な、何ですか先輩、『岐阜のモリアーティ』って?」


おまわりさんB「おまえ知らないのか⁉ 府警本部長直々の命令で、京○大学を管轄とする我が署においては、『小○内ゆき』に関する一切は、完全に『アンタッチャブル』であることを⁉」


おまわりさんA「──ああッ、あの噂の『歩く火薬庫』とか『すべての黒幕』とか『可愛い顔してラスボス』とか言われている、最重要『危険人物』のことですか⁉ こんな小さな子供が⁉」




幼いさん「……言いたい放題言ってくれるじゃ無い? しかも大学の学生証を見たくせに、『小さな子供』ですって? 久しぶりに私の『復讐魂』に火がつきそうだわ」




おまわりさんA&B「「──ひいッ⁉ これは大変なご無礼をいたしました! どうぞお怒りをお鎮めください! あなた様は、歩道を走ろうが逆走しようが、車道の真ん中を練り歩こうが、すべてご自由であり、御身の安全も、我ら京○府警が、全力でお守り申し上げます!!!」」




モブランナー「……何この、盛大なる『手のひら返し』は? 何でおまわりさんが二人も揃って、こんな小っちゃな子供にへりくだっているわけ?」


幼いさん「………『小っちゃな』………『子供』?」


おまわりさんA「──貴様あッ、何と言う暴言をッ⁉」


おまわりさんB「──この京都を、『血の海』に沈める気かあッ⁉」


モブランナー「ええっ、何ですか、それ⁉ 一体この子は、何者なんですか⁉」


おまわりさんA「そんなこと、おまえのような一般人が知る必要は無いッ!」


おまわりさんB「とにかく今年一年は、彼女の唯一の『ストッパー』であられる、小○常悟朗氏が晴れて大学に合格して、この地にやって来てくださるまでの、『空白の一年間』なのであり、非常に危険な状況にあるのだッ! 滅多なことをやらかして、彼女の勘気に触れてはならないのだッ!」


モブランナー「──ホント何なんですか、この子って⁉」




おまわりさんA&B「「そんなに知りたかったら、『小○民』シリーズの、原作かアニメ版でも見ろ!」」




モブランナー「──結局、宣伝《PR》かよ⁉」




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




メリーさん太「……何だこれ?」




ちょい悪令嬢「ほら、来年から新しい法律が施行されて、自転車に関する違反行為に『罰則や罰金』の規定が設けられて、いわゆる『青切符』が切られることになったでしょう?」


メリーさん太「ああ、そうらしいな」


ちょい悪令嬢「これってかなり『やり過ぎ』だと思うんですよね。何と歩道を走っただけで、『六千円』も罰金を取られたりするそうだし」


メリーさん太「それは仕方ないんじゃ無いのか? 最近の自転車の利用者って、『スマホを見ながら』とか『傘差し』とか『歩道での危険な速度の走行』とかと、やりたい放題やっているし。それにちゃんと理由が有って安全走行をすれば、絶対に歩道を走ってはいけないわけでも無いし」


ちょい悪令嬢「でも、『自由にどこでも走れる』ことこそが、自転車の最大の利点なんじゃ無いですか? このように『何をやっても罰金』を取られるようになったんじゃ、そもそも自転車なんて乗ってられなくなるのでは?」


メリーさん太「それだけ『違反行為』をするやつが、多くなったんじゃ無いのか? 事実、歩道においても車道においても、危険な乗り方をしている自転車は、歩行者にとっても車の運転手にとっても、むちゃくちゃ迷惑だしな」




ちょい悪令嬢「そうなんですよね(怒)。絶対的に正しい立場の歩行者様は構わないのですが、『殺人鬼予備軍』の低脳な『車カス』どもときたら、この新法律の施行を知って鬼の首を取ったかのようにして、一斉に自転車愛好家に対して攻撃のし放題となっておりますが、こいつら次は『自分たちの番』だと言うことを、まったくわかっちゃいないんでやんのwww」




メリーさん太「な、何だよ、『自分たちの番』て?」


ちょい悪令嬢「……ったく、結局愚かな人民は、知らぬうちに、『ナ○ス』を受け容れることになるんですよね」


メリーさん太「何でここで急に、『ナ○ス』なんかが出てくるんだよ⁉」




ちょい悪令嬢「『──政府が、「自動車」に対する交通法規を厳格化した時には、私は自動車に乗っていなかったから、反対しなかった。


 ──政府が、「自転車」に対する交通法規を厳格化した時には、私は自転車に乗っていなかったから、反対しなかった。


 ──そしてついに政府が、すべての「歩行者」に対する交通法規を厳格化した時、もはやすべては手遅れになってしまっていて、みんなが必死に反対しても無駄だった』」




メリーさん太「──それって⁉」







ちょい悪令嬢「ナ○スや日本政府を始めとする、悪質な支配者どもの『常套手段』ですよ。国民の大多数が反対しないような『特殊な例』から規制を強めていき、気がつけばすべての国民が雁字搦めに縛りつけられていて、もはや反対行動などできない状況に陥れられてしまうのです」







メリーさん太「──ッ」







ちょい悪令嬢「小さな子供の頃から誰もが慣れ親しんでいる、極普通の『生活手段』に過ぎず、当然『免許』も必要の無い自転車に、原付や自動車並みの罰則や罰金を設けるなんて、どう考えても『やり過ぎ』だし、次の『矛先』が単なる『歩行者』に向かないとは、一体誰が断言できると言うのです?」




メリーさん太「……確かに、十年前の自分に、『近い将来自転車にも原付並みの罰則や罰金が設けられるようになる』と言っても、絶対信用しないよな」


ちょい悪令嬢「いやいや、自転車ならまだマシなのですよ、こんなに罰金ばかり取られるようなら、『乗らなければいい』のですから。事実本作の作者は来年の新法律の施行とともに、自転車の利用をやめて、日々の買い物等に関しては、散歩がてらに徒歩に切り換えるつもりだそうです」


メリーさん太「──あんなに『電動アシスト自転車』を愛していた、あいつがか⁉」


ちょい悪令嬢「だって歩道を走っていただけで、一回につき六千円も取られたんじゃ、一週間分の食費がぶっ飛んでしまい、やってられませんよ」


メリーさん太「た、確かに……」




ちょい悪令嬢「だけど、この有無を言わさぬ法規制が、『歩行者』にまで及んだら、皆さんどうするんでしょうね? 単に歩道を左側通行しただけで、一回につき数千円も取られたんじゃ、おちおち道も歩けなくなったりして。──よって、まだ遅くありませんから、今こそ国民が一丸となって、『自転車の法規制の厳格化』に反対を表明して、あんなふざけた法案なんか廃案に追い込むべきなのです!」




メリーさん太「……なるほど、自転車に対する法規制の厳格化無しに、一足飛びに歩行者に対する厳格化は有り得ないからな。何だか一見『自転車乗りのエゴ』のようでいて、しっかりと理に適っているじゃ無いか!」













ちょい悪令嬢「──ちなみに、今回の【突発短編】のモチーフは言うまでも無く、『小○民』シリーズでございます」




メリーさん太「そういや、めでたく最終回を迎えたんだっけ? どうだ、『覇権』はとれそうか?」


ちょい悪令嬢「この作品にはむちゃくちゃ楽しませていただいたし、覇権をとれる水準は十分クリアしていると思いますが、残念ながら既に覇権が決定している『ある魔女○死ぬまで』のレベルには、今一つ届かなかったようです」


メリーさん太「……そうか、結構いい線いくと思ったんだけどな」




ちょい悪令嬢「ただし、既にお伝えした通り、作中屈指の『かませ犬(w)』の瓜○高彦君の、今期春アニメにおける『最優秀助演男優賞』は確定しており、場合によっては小○内さんの『最優秀主演女優賞』も有るかも知れませんので、彼女のファンの皆様におかれましては、どうぞご期待のほどを☆」

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― 新着の感想 ―
自転車法案に関しては終わってますからねぇ。 少し前に県警の交通指導的な物を授業でやったんですがまぁ大分人によって解釈の仕方が変わる無茶苦茶な法なのでびっくりですよ。 …いい加減学びませんかねぇ? …
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