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第2112話、わたくし、今期春アニメ『私的覇権作』最終選考開始ですの☆(その2)

ちょい悪令嬢「──現在巷では、『機動戦士Gund○m GQuuu○uuX』の作品世界そのものが、『シャ○ンの薔薇』の中で眠り続けているラ○ァが見ている夢のようなもので、彼女を解放するためにも、この世界そのものを消し去らなくてはならないとか言う、トンデモ展開になったことで、ネット上を始めとして大騒ぎとなっておりますが、今回はこれについてできるだけ詳細に考察をしたいかと存じます!」




メリーさん太「……あれ、『GQuuu○uuX』はもちろんのこと、今期春アニメの他の作品に対しても、もう『考察』はしないんじゃ無かったのか?」




ちょい悪令嬢「『考察』と言っても、もはや最終話しか残っていない、『この先の予想』をするわけでも無いし、しかもこれは既に以前『考察』したモチーフでもあるので、今更なのですよ」


メリーさん太「……前に考察をした、だと?」




ちょい悪令嬢「ほら、『イ○マ・コロニー』においていろいろと事態が錯綜して、にっちもさっちもいかなくなった時に、シ○ウジが自分のウォールアートを見上げながら、『……この世界も書き換えなければならないね』とか何とか言っていたシーンについてですよ」




メリーさん太「ああ、そういえば、そんなことも言っていたよな⁉ ──つまりそれが、第11話の彼自身のあの、『意味深なセリフ』に繋がるわけか⁉」


ちょい悪令嬢「しかも驚いたことに、このパターンについては、今期春アニメの他の作品においても、採用されていたりするのです」


メリーさん太「このパターンて、『一個人が世界そのものを創出したり書き換えたりする』ことか? 一体どの作品だよ?」




ちょい悪令嬢「──『九○ジェネリックロマンス』です。あの既に取り壊されたはずの『第○九龍』を創出していたのは、主人公の工○(はじめ)だったのですよ」




メリーさん太「──はあああああああ⁉ あんなに巨大で複雑怪奇な都市を、一個人が丸ごと創り出していただとお⁉」


ちょい悪令嬢「てっきり、いつも空に浮かんでいる『第5使徒ラミ○ル(違う)』か、蛇○製薬謹製の『幻覚剤』か、九龍に固執し続けている大勢の人々の情念等々が創り出している、『実体を有する幻』とでも思っていたのですけどね」


メリーさん太「……工○さんて、そんな特殊な能力を持っていたわけ?」


ちょい悪令嬢「それに関しては、最終話にて解明されると思いますが、今回は『GQuuu○uuX』のラ○ァさんやシ○ウジ君も含めて、このような世界そのものや巨大な都市空間を、個人によって創出したり改変したりすることが、本当に理論的に可能なのか、詳細に考察していきたいかと思います」


メリーさん太「──だ・か・ら、個人が世界や大都市を創出するなんて、どう考えても無理だろうが⁉」


ちょい悪令嬢「いえいえ、少なくとも『第○九龍』のほうなら、十分可能なのです」


メリーさん太「はあ⁉」




ちょい悪令嬢「本作得意の『集合的無意識』論ですよ。自分や他者を任意に集合的無意識にアクセスさせる力さえ有していれば、他人に既に存在しないはずの『第○九龍』を認識させて、その中で生活させることだって、けして不可能では無いでしょう」




メリーさん太「──ホント好きだな、『集合的無意識』! それさえ出せば、『何でもアリ』かよ⁉」


ちょい悪令嬢「結局『五感』なんて、最終的に脳みそにおいて処理を施して、『知覚』が完成するわけで、『集合的無意識』に強制的にアクセスさせて脳みそに直接影響を及ぼすことによって、実際の視覚や聴覚や臭覚とは異なる『世界』を、『現実のもの』と思わせることも、十分可能なのですよ」


メリーさん太「いやいやいや、そもそも数ヶ月から下手したら数年間にもわたって、廃墟の中で暮らして『正体不明の何か』を飲み食いして生きていくなんて、どう考えても不可能だろうが⁉」


ちょい悪令嬢「……『数ヶ月から数年』? 一体何を言っているんですか? ちゃんと作品を見ていたのですか?」


メリーさん太「へ?」


ちょい悪令嬢「メインキャラの誰かさんが、言っていたでは無いですか? ──『第○九龍は、いつも真夏』だって」


メリーさん太「──そ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「まあ普通に考えて、『第○九龍』内は、『時間が止まっている』と見て、間違いないでしょうね☆」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「それこそそんなこと、『集合的無意識への強制的アクセス』によれば、十分に可能なのですよ。『第○九龍(の廃墟)』に近づいてきた、『一定の条件』に該当する人物に対して、一瞬にして『数ヶ月から数年間にわたって、第○九龍で暮らした記憶』を脳みそにインストールすれば、本人にとってそれが現実となるわけなのです」




メリーさん太「……そうか、『記憶』を与えるだけでいいんだから、本当に数ヶ月間も時間をかける必要なんて無いんだ。──それで、その『一定の条件』て、何なんだ?」


ちょい悪令嬢「そもそも『第○九龍』を認識することができる人には、文字通りに『一定の条件』が必要なのです。いくら『集合的無意識』にはありとあらゆる記憶や知識が存在しているからと言って、『第○九龍』に全然興味が無かったり、これまでの人生でまったく関わりが無かったり、それどころか『存在そのもの』を知らなかったりする人には、たとえ『集合的無意識』に強制的にアクセスさせて、数ヶ月以上の記憶を刷り込んだところで、それを現実のものと思わせるのは、かなり無理が有るのでは無いでしょうか?」


メリーさん太「そりゃそうだろうな⁉ たまたま昔の建物の廃墟を見物した際に、何だかわけのわからない『白昼夢』を、一瞬だけ見たくらいにしか認識しないよな!」


ちょい悪令嬢「逆に言えば、第○九龍に対して、並々ならぬ『執着心』が有ることこそが、必要と思われるのです」


メリーさん太「『執着心』て、何十年も住んでいて、愛着が有るとか?」


ちょい悪令嬢「そんなので良かったら、第○九龍は、『現実の人間』ばかりになっていますよ」


メリーさん太「じゃあ、どんな条件なら、いいんだよ?」


ちょい悪令嬢「公式発表では、第○九龍に対して、強く『後悔の念』をいだいている者が、該当するそうです」


メリーさん太「そ、それって──」




ちょい悪令嬢「そう、第○九龍を認識できるどころか、街を丸ごと作り出した工○さんは、とんでもない『後悔の念』をいだいていることになるのです★」




メリーさん太「……それがつまり、今は亡き『鯨井令○(B)』への思慕ってことか?」


ちょい悪令嬢「何せ他の『NPC』とは違って、ちゃんと実体の有る『鯨井令○』を、生み出したくらいですからね」


メリーさん太「……なるほど、『九○ジェネリックロマンス』が、『集合的無意識への強制的アクセス』によって説明できることは、十分に理解したけど、『GQuuu○uuX』のほうは、どうなんだ?」




ちょい悪令嬢「あっちは第11話の時点では、何が何やらはっきりしていないのですよ。そもそも『ラ○ァ』のことを把握しているはずの、シ○アとシ○ウジの意見が一致していないから、『GQuuu○uuX』の世界を無かったことにすればいいのか、それともすべての元凶の『シャ○ンの薔薇の中のラ○ァ』を、亡き者にすればいいのか、ただ目覚めさせればいいのか、元の世界に帰ってもらえばいいのか、今一つ判別しませんからねえ」




メリーさん太「……確かにそうだし、その中の一つが正解だったとしても、『集合的無意識との強制的アクセスによる記憶の操作』くらいでは、どうしようも無いしな」


ちょい悪令嬢「いえ、やろうと思えば、できなくも無いですよ?」


メリーさん太「──できるのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「かなり『禁じ手』になりますが、『集合的無意識とのアクセス』を使えば、できないことなぞあり得ないのです!」


メリーさん太「『禁じ手』、って……」


ちょい悪令嬢「『逆』に考えれば、いいのですよ」


メリーさん太「『逆』?」




ちょい悪令嬢「むしろこれまでの全12話が、単なる『集合的無意識』に与えられた『架空の記憶』に過ぎず、マチ○やニャ○ンやシ○ウジは、『イ○マ・コロニー』で平穏に暮らしている、ただのスペースノイドの子供たちだと言うことにすればいいのです」




メリーさん太「──それって、『夢オチ』そのものじゃん⁉ 絶対にやっちゃいけない『禁じ手中の禁じ手』だろうが⁉」




ちょい悪令嬢「……だから、そう言っているでは無いですか?」


メリーさん太「開き直りやがった⁉ ──ええい、駄目なものは、駄目なんだよ! 他に何か方法は無いのか⁉」


ちょい悪令嬢「後は、すべては『カ○スの館』で不治の病で眠り続けていたラ○ァの夢でしか無く、突然訪れた赤い軍服を身にまとったジ○ン軍の将校さんの口づけによって目覚めて、みんな拍手喝采のハッピーエンドで幕を閉じるとか?」


メリーさん太「──結局『夢オチ』じゃん⁉ しかも最後のほうは、『エヴ○』の元祖TV版の最終話みたいになっているし!」




ちょい悪令嬢「いや、そもそも『それまでの世界モノガタリそのものを無かったことにする』なんて『荒業』は、『夢オチ』以外には有り得ないのでは?」




メリーさん太「──うぐぅッ⁉……………言われてみれば、確かにッ!」




ちょい悪令嬢「過去の有名作品における、『ログアウト不可能なデスゲームへのフルダイブ』や、『勇者として召喚された異世界転移』や、『戦国時代へのタイムスリップ』等々が、結局最後には現代日本に帰還できたとしたら、それまでのすべてが『夢』に過ぎなかったことを、完全に肯定することも否定することも、不可能では無いでしょうか?」




メリーさん太「……しかもそれを人為的に可能とするのが、『集合的無意識への強制的アクセス』と言うことか?」


ちょい悪令嬢「『第○九龍』で数ヶ月暮らしていたと思っていても、それが実際には『一瞬』でしか無かったとしたら、普通の人なら『白昼夢』を見ただけだと結論づけるはずですしね」


メリーさん太「つまり、現在のアニメやWeb小説や漫画やゲームみたいに、異世界転移や転生や世界の創造や改変やタイムスリップやループを題材にする限りは、『夢オチ』を否定することはできなくなるわけかよ?」


ちょい悪令嬢「単なる『夢オチ』だと認めたくないのなら、本作における『集合的無意識へのアクセス方式』を受け容れるしか無いでしょう」


メリーさん太「なるほど、いかにも荒唐無稽な『集合的無意識へのアクセス方式』こそが、『夢オチ』を理論武装させて、SFやファンタジー作品において、『正当なるギミック』へと昇華させることができるわけか?」




ちょい悪令嬢「──と言う次第でして、『GQuuu○uuX』や『九○ジェネリックロマンス』が、実際の最終話でどういうふうに結論づけるのか、今から非常に楽しみでございます♡」

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