表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2070/2226

第2070話、わたくし、結局本作の作者が『夫婦別姓』に賛成か反対か、わからなくなりましたの⁉

メリーさん太「……ええと、前回まで優に十話前後にわたって、今話題の『夫婦別姓』に端を発して、それを真に理想的に実現するためのまったく新しい『一夫多妻制度』に、その結果としての『少子高齢化』の根本的な解決について、詳細に述べてきたけど、そもそもの本源的な『疑問』が有るんだけど、聞いてもいいかな?」




ちょい悪令嬢「はい、何でしょうか?」




メリーさん太「今回の『一夫多妻制度』の導入によって、副次的に『夫婦別姓』も実現することになったんだけど、うちの作者ってこれまでどちらかと言えば、『夫婦別姓反対派』だったはずなんだが、これって『宗旨替え』して、『賛成派』に回ったわけ?」




ちょい悪令嬢「それに対する答えは、『YES』でもあり、『NO』でもある──って、ところでしょうか」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「今回の『選択的一夫多妻制度』こそ、すべてのイデオロギーを超えて、すべての国民が納得する『夫婦別姓制度』を実現した、『唯一の理想的な解決策』であって、すべての国会議員も高級官僚も一般庶民も、感涙を流しながら五体投地して、本作の作者こそをこの国の新たなるリーダーとして崇め奉らなければならないのです!」




メリーさん太「……後半の『たわ言』は無視するとして、何だと? 『唯一の解決策』だって? と言うことは──」




ちょい悪令嬢「そうです、そもそもこの『一夫多妻制度』以外で、『夫婦別姓』をすべての国民の合意のもとで実現することなぞ不可能であり、現在各政党が今回の国会に提出しようとしているやつはもちろん、その他すべての『夫婦別姓案』は、歯牙にもかける必要は無いのですよ」




メリーさん太「つまり、うちの作者以外の『夫婦別姓案』については、すべて『反対』と言うわけか?」


ちょい悪令嬢「『語るに値しない』と言うのが、正確なところですけどね」


メリーさん太「──余計悪いわ⁉ だったら『反対理由』について、詳しく教えてもらおうじゃ無いか⁉」




ちょい悪令嬢「いいでしょう、まず何と言っても今のままでは、『賛成派』と『反対派』の対立が絶対に解消されることは無く、このまま(選挙での勝利のため等の)政治的な理由で無理やり成立させたんじゃ、国民の分断等、将来禍根を残しかねないのですよ」




メリーさん太「──うッ⁉」




ちょい悪令嬢「特に酷いのが『ごり押し派』のやつらで、『常識的穏健派』が唱える『反対意見』を、いちゃもんレベルの反論で言論弾圧して、しまいには相手のことを勝手に、『右翼』とか『某宗教崇拝者』とかとレッテルを貼って、誹謗中傷し始める始末」




メリーさん太「──ううッ⁉」




ちょい悪令嬢「ていうか、むしろ自分たちのほうこそ、極左的政党を始めとして、活動家や工作員等々、その顔ぶれはいかにも胡散臭いやつらばかりで、下手に賛成したりするとどんどんと図に乗って、更にどんなむちゃくちゃな難題を押しつけてくるのか、わかったものじゃありませんわ!」




メリーさん太「──うううッ⁉」




ちょい悪令嬢「よって、今のままの有象無象発案の『夫婦別姓』を認めると、その結果『箍が外れて』、とんでもないことになりかねないのですよ☆」




メリーさん太「『箍が外れて』、って……」


ちょい悪令嬢「以前にも申しましたが、『夫婦別姓』への反対理由としては、『これまでの社会通念にそぐわない』や、『家族の絆を壊しかねない』や、『親子関係が複雑になる』や、『夫婦はそれでいいかも知れないが、何よりも子供が可哀想だ』や、『社会に要らぬ混乱を招きかねない』や、『戸籍制度の破壊に繋がる』や、『外国人の戸籍ロンダリングのための偽装結婚に使われやすい』──等々と言ったものが、主に挙げられますよね?」


メリーさん太「まあ、大体そんな感じだよな」


ちょい悪令嬢「でもこれまた既に申したように、これは(『夫婦別姓』とは方向性が真逆とも言える)『一夫多妻制度』に対する反対意見としても、ほぼすべて当てはまりますよね?」


メリーさん太「あ」




ちょい悪令嬢「つまりですね、『夫婦別姓推進派』が、これまでのように『反対派』の至極当然な意見を弾圧していって、ゴリ押しで法案を成立させてしまうと、どちらかと言うと自分たちに都合の悪い『一夫多妻制度』や、その他の現在の常識を覆しかねない予想外の法案に対しても、認めざるを得なくなるのですよ」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「まあわたくし──と言うか、うちの作者自身は、『一夫多妻制度』の樹立に大賛成ですからね。他のどんなとんでもないのが成立して、右派や左派が文字通りに『右往左往』しようが、知ったこっちゃありませんけどねw」


メリーさん太「誰が、うまいことを言えと言った⁉」


ちょい悪令嬢「何せ本作の『一夫多妻制度』は、左派の望み通りの『夫婦別姓制度』を実現しつつ、右派も納得の『安全弁』も、しっかりと考慮していますからね!」


メリーさん太「……『安全弁』、て?」




ちょい悪令嬢「既に詳細に述べました、新システム下の『戸籍』における、『正妻』と『愛妻』の分離記入方式ですよ。『愛妻』欄に記入すれば、『夫婦別姓』どころか、妻側は自分が産んだ子供をすべて自分と同じ姓にできるものの、夫側も、自分と同じ姓の奥さんと子供が欲しくなったら、『愛妻』には一切相談無しに、新たに『本妻』を迎え入れて、戸籍に記入させることができるので、一つの家庭で『夫婦同姓』と『夫婦別姓』を両立させることになり、右派も左派も文句のつけようが無いのですよ」




メリーさん太「え、『右派』って、現在の『夫婦同姓』状態を、完璧に維持したいのであって、どんな形でも『夫婦別姓』を認める気は無いんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「それと言うのも実は、本作の『一夫多妻制度』は、右派の皆様の望み通りに、現状を維持したまま『夫婦別姓』を実現しているのです!」


メリーさん太「へ? 『現状維持』なのに、『夫婦別姓』が可能になるだと?」




ちょい悪令嬢「つまりですね、本作の『一夫多妻制度』って、現状の『事実婚』を、きちんと法律化して戸籍に記入できるようにしたものの、実態上は何も変わっていないのですよ。──と言うのも、メリーさん、現時点における『事実婚』には、どのようなものが有りましたっけ?」




メリーさん太「『事実婚』と言うことは、ある意味『夫婦別姓』を実現している『非法律婚』状態なわけで、いわゆる『愛人関係』と、まさしく『夫婦別姓』の法律化を望みつつも現時点ではそれが叶わないから、実質上夫婦関係にありながら、あえて婚姻届を出していないカップルとか?」




ちょい悪令嬢「そうです、新システムにおいてはただ単に、彼女たちに戸籍の『愛妻』欄に記載してもらって、法的に晴れて『夫婦』と認められたものの、実質上は『別居』していたり、『経済的に独立』していたりして、『事実婚』状態なのは何ら変わらず、その上旦那のほうには同姓志望の本妻を迎え入れる余地が有るとしたら、『夫婦同姓派』にとって何ら失ったものは無く、新システムに対して反対する理由は無いのですよ」




メリーさん太「……なるほど、極論すれば『一夫多妻制度』においては、男性側はいつまでも『独身状態』にあるようなもので、いくら『夫婦別姓派』の女性と結婚しようが、それは『事実婚』を重ねているも同然で、いつでも同姓派の『本妻』と結婚して、自分の『姓』を──つまりは『家系』を、後々まで伝えることができるってことか?」




ちょい悪令嬢「まあ、これぞ『肉を切らせて骨を断つ』って、やつですね。『別姓推進派』には、一応名目上は『夫婦別姓』を認めつつも、本質的には『夫婦同姓』を維持しているわけなのです」


メリーさん太「……だったら今度は、『夫婦別姓派』が不満をいだいて、『一夫多妻制度』の成立に反対するんじゃ無いのか?」




ちょい悪令嬢「そんなことはありません、これも既に何度も申したことですが、彼女たちはどんな形であれ『夫婦別姓』が成立すれば良く、何よりも自分のキャリアを磨くことが第一で、そのくせ法的に結婚することで様々な恩恵に与ることを望んでいるのであり、今回の新システムでそのすべてが叶えられるどころか、夫の世話も『正妻』に任せっきりにもできるしで、むしろ『いいこと尽くめ』なのですよ」




メリーさん太「た、確かに……」




ちょい悪令嬢「いや実を言うと、本作の作者だって最初のうちは、『「夫婦別姓」を全国民的に賛意を得て実現させるには、「一夫多妻制度」の成立ことが必要であり、それが嫌なら「夫婦別姓」自体を諦めろ』と言う論法で叩き潰そうと思っていたのですが、何とこの新システムは、ようく熟考してみると『夫婦別姓』どころか、現在の全人類における最大の課題である、『少子高齢化』すらも最も理想的な形で解決できることを見いだしたので、もはや『夫婦別姓』の副次オマケ的な成立なぞ度外視して、『一夫多妻制度』の成立こそを全力で推奨することにしたのでございます♡」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ