第2067話、わたくし、『一夫多妻制』によってこそ、真に効果的な『少子高齢化』対策を実現できると宣言しますの!(その3)
ちょい悪令嬢「実は本作の作者としては、実際に『一夫多妻制度』が成立した暁には、『夫』の男性と『別姓を選んだ』女性との、『契約』によって結ばれた、それぞれ別居独立した『夫婦』ばかりになるのでは無いかと、予想しているのですよ」
メリーさん太「──それって、結婚する意味有るの⁉」
ちょい悪令嬢「もちろん有りますよ。男性のほうは結婚していないも同然な、自由気ままな一人暮らしをずっと続けられるし、ほとんど金銭的負担無しに、子供をどんどんと作っていけるのですしね」
メリーさん太「……ああ、別姓を選んだ妻には、政府が子育てのために手厚い助成をするのだから、一人で何人でも子育てできるわけか? でもそれってそもそも、『一夫多妻制』と言えるのか?」
ちょい悪令嬢「現在の妻が更年期に入った以降に、夫のほうは新たな妻を迎えて、更に子作りに励んでいけば、むちゃくちゃ『少子化問題』に対応した、『一夫多妻制度』を実現することになるのでは?」
メリーさん太「──何ソノいきなりの、『問題発言』は⁉ そんなの現在の奥さんが許すわけ無いだろ⁉」
ちょい悪令嬢「許すも何も、別に気にもしないんじゃ無いですか? 何と言っても『別姓派』の女性って、旦那や家庭よりも自分の『キャリア』を優先しておられるのですからね。むしろこれから夫の世話を別の女性がやり始めて、自分に関わってこないようになるのなら、新しい奥さんをもらったほうが望むところだったりして」
メリーさん太「……家族って、夫婦って、結婚って、一体何だっけ?」
ちょい悪令嬢「それにそもそも先日も申したではありませんか? 結婚は憲法第二四条第一項によって、『両性の合意のみに基いて成立する』ので、たとえ自分の夫とはいえ、公に認められた『一夫多妻制度』の下では、別の女性と正式に婚姻を結ぶのを邪魔することはできないと」
メリーさん太「……た、確かに」
ちょい悪令嬢「このように、男性にとっても、『別姓派』の女性にとっても、『同姓派』の女性にとっても、真に理想的で、おまけに『少子高齢化』すら完璧に解決できる、『大家族主義的一夫多妻制度』は、他のどんな案件よりも今すぐ成立させるべきですので、本作の作者の百分の一でも、知能と国を憂える気持ちが有るのなら、今回の国会で全政治家が一致団結して、是非とも成立させるべきでしょう☆」
メリーさん太「……あれ? この最後のほうの書き方では、独立してワンオペで仕事と家事をこなしている、『別姓の奥さん』では、どんどんと子供を産み育てるなんて、どだい無理な話なのでは?」
ちょい悪令嬢「ああ、まったくの新システムである『一夫多妻制度』が、しっかりと実効性を上げるためには、それなりの『段階』を踏まなければならないのですよ」
メリーさん太「『段階』って?」
ちょい悪令嬢「わかりやすく言えば、まず最初の段階としては、ただ単純に『選択的夫婦別姓制度』を導入した社会って感じですかね? もちろんその一方でこれまで通りに、夫婦が同姓となって同居して子育てをするカップルもいて、この場合公的助成が格段に向上しているから、妻のほうは働きに出る必要なく育児に専念でき、しかも一人頭の助成金も増えていくので、率先して複数の子供を産み育てていくようになり、この段階でもある程度、『少子化対策』としての効果が表れるものと思われます」
メリーさん太「でも『別姓婚』して別居している妻の場合は、むしろせっかく正式に結婚したのに、子育てどころか出産自体を、あまり期待できないのでは?」
ちょい悪令嬢「ええ、そうですね、そう言った『猶予期間』がある程度必要かと思います。しかしこれではまさに結婚した意味が無いから、特に女性よりも己の子孫を残すことを欲する男性のほうが、いろいろとアクションを起こすものと思われるのです」
メリーさん太「『アクション』とは?」
ちょい悪令嬢「『別姓婚』であっても、他に奥さんがいない状況であれば、必ずしも別居する必要なく、同居して奥さんに子供を産んでもらって、夫のほうも協力をして家事や子育てを分担すると言った、現在とほぼ同様のパターンですが、子供を産むだけでも大枚の一時金をもらえたり、育児や学校教育についてもこれまで以上の助成が施されるのだから、かなり楽になるでしょう」
メリーさん太「でもそれじゃ、『一夫多妻制』の意味が無いじゃないか?」
ちょい悪令嬢「ですから、『段階』を踏む必要が有るわけですよ。これが最初期段階だったら、次はついに『重婚』段階に入ります」
メリーさん太「『重婚』て、現在でも子育てが大変なのに、大丈夫なのか?」
ちょい悪令嬢「ていうか、そもそも現代日本の庶民の男性が、たとえ法律的に『一夫多妻制』が許されたとして、一挙に二人以上の女性と結婚できると思いますか?」
メリーさん太「──こ、こいつ、ここまで来ておいて、一気にすべてをひっくり返しやがった⁉」
ちょい悪令嬢「落ち着いてください、ただ単に『同姓婚』と『別姓婚』は、まったく別なものだと申しているだけですので。──言うなれば、『同姓婚』が『お見合い結婚』なら、『別姓婚』が『恋愛結婚』なのですよ」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「現在の『結婚難』時代においては、家庭生活にふさわしいかどうかは別にして、お互いに能力的に対等に付き合える伴侶は、『大学』か『職場』で知り合うことになるのですよ」
メリーさん太「まあそりゃ、同じレベルの大学に入学できたり、同じレベルの企業に就職できると言うことは、人間としても同レベルであるはずだよな」
ちょい悪令嬢「人生において男女が真に平等でいられるのは、公務員にでもならない限りは、大学時代だけですからね。──つまり、『意識高い系』の女性が、自分にふさわしいパートナーを見つけるとしたら、大学の同期か先輩か後輩か、就職した企業におけるエリート候補の同期か、既に出世の階段を上り始めた若手の上司くらいしかいないのです」
メリーさん太「知的で目的意識を持った女性は、男性の目から見ても魅力的に見えるから、お互いに惹かれ合うのも当然か」
ちょい悪令嬢「そのような、友人意識や同僚意識が恋愛感情に発展していって、そのままスムーズに結婚するのも珍しく無く、しかも『選択的一夫多妻制』の新システム下であれば、結婚後も別居して、お互いに自由を保たれるんですから、結婚の障壁もかなり低くなりますよね」
メリーさん太「……でもそれだと、女性はあまり子供を産んでくれないのでは?」
ちょい悪令嬢「女性のほうはそうかも知れませんが、男性のほうは女性よりも我が子を欲する傾向が強いので、結婚後長きにわたって子供ができない場合は、『一夫多妻制度』下の正当な権利として、新たに自分との同姓と同居を受け容れてくれる、『本妻』を迎え入れる可能性は、大いに高まるのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「──うおッ、確かに否定できねえ⁉ しかも、本人が乗り気が無くても、孫見たさに両親がお節介を焼いてくるかも知れないしな!」
ちょい悪令嬢「これに対して先妻の『別姓妻』のほうはどうするかと言うと、先に述べたように『むしろ肩の荷が下りた』と言った感じで、我知らずを貫くか、いっそのこと自分が将来産む子供も『本宅』で面倒を見てもらうことを目論んで、積極的に祝福したりして」
メリーさん太「まあ、『一夫多妻制度』が正式に成立しているんだから、文句は言えないよな」
ちょい悪令嬢「更に年齢を重ねて、先妻も本妻も出産適齢期を過ぎた時点で、旦那が新たなる若い『別姓妻』と婚姻関係を結んで、健康な母体にどんどんと子供を産ませて、それを本妻や既に仕事を退職して隠居した先妻に育てさせたりしてね」
メリーさん太「ああ、なるほど! 『一夫多妻制度』と言っても、いっぺんに複数の奥さんをもらうわけでは無く、だんだんと段階を踏んで適切な婚姻関係を結んでいって、最も効率的に子育てや仕事を両立させるわけか⁉」
ちょい悪令嬢「そして当然老後の自分たち夫婦の介護は、たくさん産み育ててきた子供たちに、しっかりと面倒見させると言う」
メリーさん太「──完璧だ! まさしくこの『選択的一夫多妻制度』こそ、『少子高齢化』対策として、完璧なる決め手だ!」
ちょい悪令嬢「と言うわけですので、世間の保守派もフェミ派も男女を問わず、すべての国民の皆様のお役に立てること請け合いの、この『選択的一夫多妻制度』を、挙国一致体制で早急に成立させましょう♡」