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第2066話、わたくし、『一夫多妻制』によってこそ、真に効果的な『少子高齢化』対策を実現できると宣言しますの!(その2)

メリーさん太「……こんないいこと尽くめの『一夫多妻制』に、頭の硬い連中の『心理的抵抗』以外に、何か欠点が有るとでも言うのかよ?」




ちょい悪令嬢「いやそもそも『一夫多妻制度』なんて、実際に実現可能なのですかね? さっき『一定の社会的地位と経済力が必要』って申しましたけど、そんなアラブの石油王やインドのマハラジャのような方が、この日本に一体何人おられると言うのです?」




メリーさん太「──うッ⁉」




ちょい悪令嬢「それに当然、こんなことを国家的に推奨されたのでは、元々結婚することが困難だった、『社会的地位も財力も無い』いわゆる『弱男』の皆様が、完全にあぶれてしまうことになり、当然彼らこそが『一夫多妻制度』成立に対する、最大の『抵抗勢力』となることでしょうよ」




メリーさん太「──ううッ⁉」




ちょい悪令嬢「実は問題は男性側だけでは無く、女性側も同様であって、戦前の大家族主義を復活するのは構いませんが、それで実現するのが中近東やインドの『ハーレム』みたいになって、女性は家庭に引きこもって子供を産み育てるだけの存在になると言う、文字通りの戦前の『家父長主義』の再来となり、優秀な女性の社会進出を阻害し、何よりも単純計算として、労働人口の半減なぞを招いたのでは、『少子高齢化』以前に、日本自体が経済崩壊しかねないし、そもそも女性のキャリアを尊重せずに済むのなら、『夫婦別姓制度』を導入する意味が無くなり、わざわざ『一夫多妻制度』なんて実施する必要も無く、まさしく『本末転倒』となってしまうのですよ」




メリーさん太「──うううッ⁉」




ちょい悪令嬢「これに対する必須かつ最大の解決策としては、政府は『一夫多妻制度』の導入に合わせて、女性の社会進出を今まで以上に後押ししていかねばならないのです!」




メリーさん太「たった今、『一夫多妻制度』と『女性の社会進出』とは、矛盾していると言ったばかりなのに、そんなこと可能なのか⁉」


ちょい悪令嬢「……『言ったばかり』と言うなら、そもそも現在の日本で、石油王やマハラジャのような『ハーレム』は、実現不可能だと申したばかりではございませんか?」


メリーさん太「あ、そうか、まず現代の日本で『ハーレム』とはいかないまでも、実際に『一夫多妻制』を実現しないと、話が始まらないわけか?」




ちょい悪令嬢「まず何と言っても、誰よりも経済負担が大きくのしかかる、複数の妻を持つことになる『夫』に対して、『一夫多妻制度』を推進し、『少子高齢化』の国家的コストを軽減するためにも、政府が手厚い援助をすべきで、現在の税制上の扶養控除などと言ったケチ臭いレベルでは無く、直接現金を大盤振る舞いする方向で、最初に誰かと結婚するだけで、多額の一時金を支給するのを始め、『妻』を一人増やすごとに、どんどんと増額していく一時金を与え、更には夫と『同姓』を選び基本的に同居する『本妻』に子供が産まれた場合は、一人ごとに多額の一時金を支給するのはもちろん、高校までの経費は給食費や制服費や教科書代等を含め完全に無償化し、大学の学費や医療費等の自己負担は一割のみとすると言った、子育てのコストを現在と比較して大幅に軽減させるのです!」




メリーさん太「え、そんなこと、可能なの⁉ それに『本妻の子供』と言うことは、その他に『妻』を迎えて子供が産まれた場合は、どうなるの?」




ちょい悪令嬢「最も肝心な政府の『財源』は、前回申しました『少子高齢化』対策の各家庭での自助化による、公的コストの大幅な軽減によるのは当然として、『税収の大幅な増加』を見込んでおります。この『大家族主義的一夫多妻制度』によって、子供の数が莫大的に増え、将来の『労働人口=納税者』の増加は確保されていますし、それに加えて『意識高い系』の労働意欲の有る女性を、率先して社会進出させてやればいいのです」




メリーさん太「と、言うと?」


ちょい悪令嬢「『本妻』以外の『妻』たちに対しては、『夫』と同レベルの手厚い政府助成を施すわけですよ」


メリーさん太「は?」


ちょい悪令嬢「以前も述べましたが、夫と同居し生活を共にし、『扶養者』としてその生活全般を見てもらえるのは、夫と『同姓』であることを選んだ『正妻』だけであり、『別姓』であることを選んだ『妻』は、原則的に夫とは住まいを別にして、子育てを含む生活費も別枠となります」


メリーさん太「ええっ、そんなことでやっていけるのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「いやだって、『別姓』を選ぶ人って、そう言う独立心が強く社会進出に意欲を持った女性ばかりなんでしょ? 何せ旦那と同じ姓を名乗り、完全に家庭に組み込まれて家事や子育てに専念するよりも、社会に進出して自分のキャリアを磨くことを優先したいわけなんだから」


メリーさん太「うん、現在の『夫婦別姓推進派』の言い分が、まさにそれだよな?」


ちょい悪令嬢「それだと『事実婚』でいいじゃないかと言うのが、『反対派』の意見なのですが、それを公的に実現しようと言うのが、今回の『選択的一夫多妻制度』なのです」


メリーさん太「……何だと?」




ちょい悪令嬢「夫と正式に結婚しつつも『別姓』を選び、生涯別居して一人で子育てをすることを決めた女性に対しては、ほぼ『夫』と同じ公的助成が行われて、結婚した時点で多額の一時金が支給されて、子供が産まれた場合は、一人ごとに多額の一時金を支給するのはもちろん、高校までの経費は給食費や制服費や教科書代を含め完全に無償化し、大学の学費や医療費等は一割のみ負担させると言った次第であります」




メリーさん太「本当に、夫と同等の手厚い助成をするわけか⁉ そんなのすべての『別姓妻』にやっていたら、いくら政府に予算が有っても足りないんじゃ無いのか?」


ちょい悪令嬢「何言っているんですか、彼女自身が積極的に実社会で働いて、企業の経済活動に貢献して、各種社会保障費を十分に納めてくれるし、将来の貴重な労働力となる子供をいっぱい産んでくれるしで、トータルで考えれば国家財政的にはウハウハでしょう」


メリーさん太「いやいや、キャリアウーマンと言うのなら、そんなに子供を妊娠したり産んだりはできないのでは?」


ちょい悪令嬢「だから、そのための『一夫多妻制度』だって言っているでしょうが? 基本的に無職の本妻さんや、何なら夫やすべての奥さんの親御さんなんかも、大挙して子育てを手伝ってくれるって寸法なんですよ」


メリーさん太「あ」




ちょい悪令嬢「つまりですね、『一夫多妻制度』と言っても、かつての『大奥』や『ハーレム』はもちろん、現在の『愛人関係』とかでも無く、もっとビジネスライクな『契約関係』になると思うのですよ」




メリーさん太「はあ? 『一夫多妻制度』──つまりは、『婚姻関係』そのものが、『契約』になるだと?」




ちょい悪令嬢「これは本作の作者の現状に基づいて申しますが、現在いい歳して結婚もしていない男女の数が、シャレにならないほど増え続けているのは、ぶっちゃけあらゆる意味で、『結婚しなくても生きていける』からであり、むしろ結婚や子育てなんて、『コスト』ばかりかかるので、する気が起こらなくなっているのです」




メリーさん太「なるほど、特に自活できているキャリアウーマンなんて、最たるものだろうな」




ちょい悪令嬢「でも、たとえ『意識高い系』だろうが、生物学的には人間である限りは、独り身を寂しく感じて、誰かパートナーを見つけて子供をなしたいと思うことも、けして有り得ないとは言えないでしょう。これまでは家事や子育て等の社会的コストはもちろん、『夫婦別姓』問題等、女性のみにのしかかる問題が多々有ったので、自立して働き続ける限りは『叶わぬ夢』であったのですが、まさに今回の『大家族主義的一夫多妻制度』を成立させれば、実質上、経済的にはもちろん、住居(=生活)的にも独立したままで、コストをほとんどかけずに、生涯のパートナーを得て、子供を産み育てることが可能となるのですよ!」




メリーさん太「──‼」







(※次回に続きます)

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