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2062/2225

第2062話、わたくし、『一夫多妻制』によってこそ、誰もが納得の『夫婦別姓』を実現できると断言しますの!(その2)

メリーさん太「──いやいやいや、なにむちゃくちゃなこと言っているの⁉」




ちょい悪令嬢「……何が『むちゃくちゃ』ですか? むしろあらゆる意味で『正当な権利』であり、これについては『フェミ女』勢力も認めているところですよ?」


メリーさん太「『夫婦別姓』を選んだ女性が戸籍上『正妻』になれず、『愛妻』などと言った地位に甘んじなくてはならないのに、夫のほうは自分だけの一存で、新たに『正妻』を迎え入れることができるなんて、フェミで有ろうが無かろうが、そんなこと認められる女性なんかいるものか⁉」


ちょい悪令嬢「いえ、むしろ『フェミで有ろうが無かろうが』と言う意味では、このシステムこそあらゆる男女の要望を叶えるものであり、少なくとも『フェミ女』は一切の不満を述べることは許されないのです」


メリーさん太「──どうして⁉」




ちょい悪令嬢「元々『夫婦別姓』問題においては、反対派の意見としては、『姓を同じにすることこそが、これまでの家系の歴史ながれを守ることであり、別姓なんかにしたら家族の絆が壊れる』と主張し、それに対して賛成派は、『これからは個人の時代であり、特に女性の権利を守るべきで、家系の歴史ながれなぞ守る必要は無く、何よりも姓を同じにしなくても家族の絆が壊れることは無い』と主張していて、まったくの平行線状態であり、成立の見通しは無かったのです」




メリーさん太「うん、そうだな」


ちょい悪令嬢「そこで『逆転の発想』と言う意味では、世界最高峰の頭脳の持ち主である本作の作者が編み出したのが、この『選択的夫婦別姓制度』を内包した、『選択的一夫多妻制度』であって、これによってこそ完全に真逆な両者の主張を両立できるのです」


メリーさん太「──何でだよ⁉」




ちょい悪令嬢「このシステムのうちの『一夫多妻制度度』の部分では、『同姓派』の要望を実現することを優先しているので、たとえ『フェミ的主張』の強い女性を妻にして『夫婦別姓』状態になろうとも、家系の存続を守るために、新たに自分と同姓であることを望んでくれる女性を『正妻』に迎えれば、生まれてくる子供も全員父親と『同姓』になるので、『家系』も『姓』も脈々と次世代に受け継いでいくことができます」




メリーさん太「だからって、そのために先に結婚していた『別姓派』の奥さんの意見を聞くこと無く、独断で別の女性を妻として迎え入れられるなんて、そんなことが許されるわけが無いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「ええ、実際にこんなことが有ったとしたら、少なくとも『別姓派』の奥さんやそのお子さんとの間では、『家族崩壊』状態になってしまいますよね☆」


メリーさん太「当たり前だろ⁉………………って、ああっ、そう言うことか⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、あいつら『別姓派』の最大の主張であり、最大の『武器』であるのは、『たとえ夫婦親子が別姓になろうが、家族が崩壊することは無い』ってことなのですよ? だったら、たとえ『夫婦別姓制度』とともに『一夫多妻制度』を両立させて、別姓を選んだ奥さんを『側室』扱いにして、夫には独断で同姓の『正妻』を迎える権利を与えて、別姓を選んだ夫婦の間で、事実上の『家族崩壊』状態を招きかねないシステムを法律化しようとも、別に構いませんよね? 何せこの『一夫多妻制度』は『夫婦別姓制度』をも兼ねているのだから、あんたらの主張では『家族崩壊』は起こらないはずですしw」




メリーさん太「──いや、それはあくまでも『夫婦別姓制度』に限っての話であって、『一夫多妻制度』にも当て嵌めるのは、また話が違うのでは?」




ちょい悪令嬢「『一夫多妻制度』と言っても最初から申しておるように、『選択的』と言うのが頭につくので、『別姓派』が常々主張しているように、『嫌なら選択しなければいい』だけで、この点において『一夫多妻制度』の成立を反対する理由は無くなるのです。なぜか『別姓派』の女性の結婚相手の男性って、妻が自分の姓を選んでくれなくても鷹揚に受け容れることができる『理解の有る彼氏』君ばかりだそうですので、あくまでも『一夫多妻制度』は、『夫婦別姓』を実現するために利用すればいいのだし、将来『別姓の妻』以外の同姓を望む『正妻』を迎えることなんて、有り得るはずは無いんじゃないですかあ?」




メリーさん太「──そんなことは断言できないだろうが⁉ ただでさえこの世の男はチャンスさえ有れば『浮気する確率100%』と言われており、それで無くても結婚して数十年も経てば『貞操観念』だって変わるだろうし、出自が古い家系だったりしたら、本人にその意思が無くても親戚連中が家系の存続のために、『同姓許諾派』の女性を無理やり正妻に迎えさせることだって有り得るし!」




ちょい悪令嬢「それはただ単に、『別姓派』の女性に、『男の見る目が無かった』だけであり、より端的に言うと、『世の中を舐めていた』わけなのですよ」




メリーさん太「──なッ⁉」




ちょい悪令嬢「今メリーさんがおっしゃったように──て言うか、本作において何度も何度も主張しているように、物理学の根本原理である『量子論』に則るまでも無く、『未来には無限の可能性が有り、何が起こるのか誰も予測できない』のであって、『たとえ夫婦別姓制度を導入しようが、家族の崩壊が増加することなんてあり得ない』なんて、誰にも言えないのです。何よりも純粋に『確率論』で言えば、『同姓』よりも『別姓』のほうが崩壊しやすいし、男性のみならず女性においても『気が変わって』、別の異性と不倫するかも知れないし、夫婦以外の親戚等の横槍が入る可能性も否定できないでしょう」




メリーさん太「──うッ⁉」




ちょい悪令嬢「実は、もしも政治状況の変化により『夫婦別姓制度』を導入しなければならなくなった場合に対する『安全弁』こそが、この『一夫多妻制度』であって、『不倫』問題に端を発して、『家族崩壊』を招き、『お家騒動』にまでも発展しかねないところを、『別姓派』の奥さんを家庭から切り離すことによって、法的にも社会的にも安定を図ろうとしているのです」




メリーさん太「……『切り離す』、て」




ちょい悪令嬢「『一夫多妻制度』と言っても、夫と正式に住居を共にできるのは『正妻』だけなのであり、その他の『愛妻』たちは一人ずつ『別宅』に住まうことになり、それは『正妻』不在のまま結婚以来ずっと夫と同居していた『愛妻』も同様で、新たに『正妻』を迎え入れた時点で、我が子共々家を出て行かなければならないのです」




メリーさん太「──何ソレ⁉ もはや昭和どころか、明治大正レベルの時代錯誤だろうが⁉ そんなのこの令和の世で許されて堪るか!」


ちょい悪令嬢「うん? その代わりに『愛妻』たちには、『別姓』を名乗る権利が与えられているのだから、公平と言って構わないのでは?」


メリーさん太「構うよ! たかが『別姓を名乗る権利』程度で、まるで大昔の『お妾さん』同様に、正妻と圧倒的な差をつけられて、文字通り『妾宅』暮らしを余儀なくされるなんて⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、『同姓派』からしたら、『たかが別姓を名乗るか名乗らないか』と言う、ちっぽけな主張に過ぎないのです。それなのに現在の『別姓派』の言い様はどうでしょうか? まるでどんなに愛する相手であろうと、夫とは別姓を名乗らなければ、自分のアイデンティティは消失し、これまでのキャリアが無駄になってしまうし、銀行の預金通帳やパスポートの名義変更がむちゃくちゃ手間がかかるので、たとえ世の中が大混乱し、大勢の反対を黙殺し、戸籍の大改正を始めとする法律自体を変えようとも、何が何でも『夫婦別姓制度』を実現しようとしているのでは無いですか? だったらこれからも『同姓』を守り続けようとする女性に対しても、相応の便宜を図るべきであり、本作の作者考案の『選択的一夫多妻制度』が成立して、晴れて別姓を名乗ることができたのなら、『同姓』を甘んじ続けて自らのアイデンティティを放棄すると言った耐えがたき苦難の道を歩き始めた、『正妻』の女性におかれましては、『妻』として圧倒的なアドバンテージが与えられたとしても、『別姓派』たちには文句を言う資格は無いわけなのですよ」




メリーさん太「──ホントだ! この制度の趣旨からすると、『別姓派のフェミ女』については、すべて完璧に『身から出た錆』じゃねえか⁉」







(※次回に続きます)

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