第2023話、わたくし、今期冬アニメ覇権レース、ラストスパートですの☆(その5)
「……こんな設定なんて、私知らないッ。何でこんなキモい結末になるの⁉ 私の『終末のマスカレード』は、『滅びの美学』こそが至上。気色悪い『おじさま』キャラなんて、必要ないのよッ!」
「「「──ユニ○おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」」」
「い、いかん、ユニ○が暗黒面に堕ちかけているぞ⁉」
「……そりゃあ、自分自身が筋書きを書いた、『終末のマスカレード』の世界観をブチ壊されて、今にも最愛の主人公カップル(※女同士)の、オブリーとドロリー共々滅びようとしているのだからな」
「だからと言って、最終話直前になって、有ること無いことぶっちゃけるのは、どうなんだ?」
「だから、創作者にはSNSは御法度だと、あれ程」
「……仕方ありません、私が『全修』いたしますわ」
「柿子様⁉」
「『全修』、って⁉」
「最終話を目前にして、まさか!」
「いくら、『監督』を自認しているあなたでも、無茶だ!」
「しかし、今ここで私がやらなければ、この『終末のマスカレード』はバッドエンドの鬱アニメとして爆死し、今度こそユニ○さんは精神崩壊してしまわれますわ!」
「「「──ッ」」」
「──かけ! かくんだ! 柿子おおおおおおおお!!!!!」
「うおおおおおおおおおお! ここで前作の主人公たちである、『メイロ』たちを復活させただとお⁉」
「そうか! 今や『闇のガールズバンド』と化した『マスカレード』たちに、『光のガールズバンド』である『メイロ』たちをぶつけて浄化することによって、正気を取り戻させるわけか⁉」
「『迷ってもいい、迷いながら進め!』と言うのが、『メイロ』たちの『キャッチフレーズ』だからな!」
「おお、見ろ! 『なれ○れ』のメンバーたちも、ポンポンを振り回しながら『応援』してくれているぞ!」
「……ガチの『爆死アニメ』は、ご遠慮願います」
こうして、放映目前に監督自ら最終話を『全修』すると言う荒業によって、今世紀最大の鬱アニメになるかと思われた『終末のマスカレード』は、めでたくハッピーエンドにて終了し、大方の予想通りの爆死を免れ、ユニ○氏の精神崩壊を防げたのでした☆
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メリーさん太「──うおおおおおおおい! これって一体どういうことだよ⁉」
ちょい悪令嬢「……はて、『どういうこと』とは、何のことでしょう?」
メリーさん太「とぼけんじゃねえよ⁉ 『あの騒動』のことには言及しないって言っていたくせに、冒頭の【突発短編】は何なんだ⁉」
ちょい悪令嬢「だって、せっかく『ネタ』を思いついたんだから、使わないともったいないでしょうが? 何せ『BanG Dre○m! Ave Muj○ca』にも『全○。』にも、『ユニコーン』関連のキャラがいることだし」
メリーさん太「『全○。』のユニ○はともかく、『Ave Muj○ca』のゆに○氏を、『キャラ』扱いするな!」
ちょい悪令嬢「──とにかく、今度の騒動に『全○。』を絡めたら、むちゃくちゃ上手く嵌まりましたわ! 既に固まっていた既存の作品の世界観を、主人公の女性監督がぶち壊しにしようとして、その結果、本当は救われるはずの作品内の世界が崩壊しかけて、最終話直前のエピソードでは女性クリエータとユニ○と作中のヒロイン的存在(男)が、絶望のどん底に陥り精神崩壊しそうになったところで、『監督』である女性クリエーターが作品の世界観を『全修』することによって、すべてをハッピーエンドに導くなんて、まさしくついに今夜放映&配信される、『Ave Muj○ca』最終話の大団円的結末を、いかにも期待させてくれるではありませんかッ!」
メリーさん太「……確かに、全面的な『ライブ回』だと思われる最終話は、手放しの『ハッピーエンド』とまでは行かないまでも、ちゃんと視聴者を満足に至らせるものになると思われるけど、わざわざ『あの騒動』を思い起こさせることは無いだろうが⁉」
ちょい悪令嬢「しかも、作内の女監督の名前を『柿子』にすることで、キャッチフレーズの『かけ! かくんだ! 柿子!』と言ったふうに上手く嵌まったし、何より『Ave Muj○ca』のほうにも絡めることができましたしね」
メリーさん太「──だから、そういうところが『ヤバい』って言っているんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「大丈夫ですって、既に件のポストは謝罪した上で削除済みだし、今回の【突発短編】についても、作品や特定の関係者を誹謗中傷するものでもございませんので、何も問題ありませんわ♫」
メリーさん太「……それならいいけど、そもそも初めから、各方面に無用な刺激を与えるような言動は、厳に慎んでもらいたいものだがな」
ちょい悪令嬢「まあまあ、あくまでも前座である【突発短編】の話題はこのくらいにして、そろそろ【本題】に入りましょうよ☆」
メリーさん太「──はあああああああああああ⁉ 何ソレ!」
ちょい悪令嬢「……メリーさん、いくら『お仕事』とはいえ、一話に二回も奇声を発したりしたら、『ケンコーニヨクナイ!』ですわよ?」
メリーさん太「だから『仕事』じゃねえよ! 後、『Ave Muj○ca』ネタしつこい! ──て言うか、今までのが【前座】だったら、【本題】ってのは一体何だよ⁉」
ちょい悪令嬢「そりゃあタイトル通りに、今期冬アニメの『覇権候補作』について語るわけですよ。【突発短編】の『全○。』の最終話は既に言及済みだし、『Ave Muj○ca』の最終話のほうはまだ放映前ですしね」
メリーさん太「……つまり、新たに最終話を迎えた別の作品について、語っていくわけか? それって、一体──」
ちょい悪令嬢「『グリザ○ア ファントムト○ガー』TV版最新ヴァージョンですわ!」
メリーさん太「……あれ、それって前回以前において、散々貶していなかったか?」
ちょい悪令嬢「ですから、何度も何度も申しておるでしょう? 最終的判断は、最終話を見てからにしろって」
メリーさん太「でも作者って、途中で視聴を切ったんじゃ無かったっけ?」
ちょい悪令嬢「本作の作者は、先行OVAに関してはすべて視聴済みなので、大体の流れは把握していますから、最終話だけ見てもちゃんと判断可能なのです」
メリーさん太「……まあ結局、主人公のハンドラーの少年の敵討ちが成就するか、敵役の野望が実現するかしか、問題になっていなかったからな」
ちょい悪令嬢「それについてはちゃんと決着がついたのですが、本作の作者自身においては、何ら感慨はございませんでした」
メリーさん太「──何でだよ⁉ 萌え美少女中心のキャラデザを始めとする作画も、戦闘アクションを始めとする演出も、ピカイチだったろうが⁉」
ちょい悪令嬢「『グリザ○ア』シリーズは元々エロゲであり、全年齢版の『ファントムト○ガー』も、ギャルゲに登場してもおかしくない萌えキャラばかりですが、そんな彼女たちに武骨な兵器を持たせてガチの戦争をさせて人を殺しまくらせるのに、多大なる違和感を覚えざるを得ないのですよ」
メリーさん太「……何を今更。そんなの『魔法少女リリカルな○は』シリーズを始めとして、『戦姫絶唱シンフ○ギア』や『クロスアンジ○ 天使と竜の輪舞』に『終○なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?』等々と、同じように萌えヒロインたちにガチの戦闘をやらせて、傑作の誉れをほしいままにしている作品なんて、枚挙にいとまが無いじゃ無いか?」
ちょい悪令嬢「そういうのってほとんどが、SFやファンタジー的な世界観の下に描かれており、ガチのリアルな戦争モノなんて皆無ではありませんか?」
メリーさん太「あ」
ちょい悪令嬢「世界観がリアルであればあるほど、むしろ『嘘っぽく』なるのは宿命なようなものであって、魔法少女でも超能力者でもサイボーグでも無い、ただちょっと訓練されただけの女の子が、デカくて重い武器を振り回して、情け容赦なく人間を殺していくなんて、無理が有るのは言うまでも無く、それが可愛らしい女の子であればあるほど、『嫌悪感』すら湧いてくるのですよ」
メリーさん太「な、なるほど、敵もファンタジー的存在である異世界を舞台にして、女の子たちがチートスキルを振るっていると言ったパターンだったら、いくら大量殺戮をしようが、ストーリーや演出次第では、ちゃんと視聴者に受け容れられるからな」
ちょい悪令嬢「……まあ、うちの作者が個人的に、最愛の肉親を亡くしたばかりですので、リアルな世界観で可愛い女の子に安易に人殺しをさせているのが、見るに堪えなかったと言った理由も有りますけどね」
メリーさん太「そもそも(平和ボケしきっている)日本人オタクに過ぎない制作陣のミリタリー知識なんて、たかが知れているのに、それをSFやファンタジー的な世界観でオブラートに包んでごまかさずに、リアルに勝負しようとしたんじゃ、ボロが出るのも当然だよな」
ちょい悪令嬢「──と言うわけで、あくまでも本作の作者の個人的見解として、今回の『グリザ○ア ファントムト○ガー』のTV版は、私的覇権候補作から外させていただきますが、『グリザ○ア』ファンの皆様におかれましては、どうぞご理解ご容赦のほど、切にお願いいたしますわ☆」