第2016話、わたくし、父の死亡に泣き暮れている作者に成り代わって、連載再開のご挨拶をさせていただきますの。
──『小説家になろう』と『カクヨム』をご覧になっている読者の皆様、大変お久し振りでございます。
本作『わたくし、悪役令嬢ですの!』の作者の、881374でございます。
およそ三ヶ月もの長きにわたり、本作の連載を途切れさせてしまい、大変申し訳ございませんでした。
……でもそれも、致し方ないことなのであります。
既に『活動報告』と『近況ノート』にてお伝え済みですが、
──昨年末の某日にて、長らく闘病状態にあった作者の父親が、逝去したのでございます。
よってそれ以降は当然、役所への届け出や各種手続き、年金や国民健康保険や高齢者介護サービスやマイナンバーの解消手続、電気水道電話し尿処理等の支払いの作者への継承手続き、そして何よりも土地や資産の相続手続き等々と、早急にやらねばならぬことが山積みで、とても小説作成どころでは無かったのです。
更に現在においても、もう一人の相続人である姉との『遺産分割協議』や、それを終えた後での『相続税申告』に、私が相続した場合の土地と家屋の『相続登記』と言う、最も重要な手続きが、まだまだ目白押しと言った有り様なのです。
──だがしかし、実は一番の問題は、私の『精神状態』なのでした。
……はっきり申しまして、現在の私は、絶望のどん底に陥っています。
それ程、自分の想像以上に、父親に精神的に依存していたのでしょうか。
あれだけ大変だと思っていた父の介護ですが、実は知らぬ間に、己の『生き甲斐』そのものとなってしまっていたのです。
そのため現在完全に腑抜けた状態となってしまい、とても創作意欲が湧かず、場合によっては『断筆』も考えたのですが、最後の作品を掲載してから三ヶ月が過ぎようとしていることに気づき、このままズルズルと行くと本当に連載再開が不可能になりかねないので、とにかくご挨拶とお詫びがてらに、昨年末に書きかけていた作品を完成させて公開しようと思い立ったのです。
……それも何と、父が身罷る前日に作成したものであり、当時の錯乱状態が生々しく書きつづられており、読者の皆様にとってはお目汚しかも知れませんが、現在の作者の精神がどれ程追いつめられているかのご理解の一助になるかとも思われるので、よろしければどうぞ御一読なさってください。
──もしも創作意欲が復活し連載を本格的に再開することがあれば、作者の私的な事情をくどくどと述べるのは今回限りとし、これ以降はできるだけ控えさせていただきたいかと存じます。
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ちょい悪令嬢「……読者の皆様、大変申し訳ございません、もうガチで作者が精神崩壊しそうで、この連載も近日中に途絶えるかも知れません」
メリーさん太「──いきなり、どうした⁉」
ちょい悪令嬢「いや、いきなりも何も、ここ最近本作においては、ついに実家の父親が末期医療施設に収容されてしまった作者が、心身共に参っていることを、詳細にお伝えしてきたではありませんか?」
メリーさん太「……作者の親父さんは、今のところ一応『小康状態』と言うことで、それ程毎日のように気に病む必要は無かったんじゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「──何言っているんですか⁉ 作者の父親は満91歳のガチの後期高齢者なのですよ⁉ いつ容態が急変するかも知れないじゃ無いですか! それでなくても今患っているのは、高齢者にとって大敵の『肺炎』ですからね!」
メリーさん太「そういや、最近発表された高齢の有名人の死因て、ほとんど『肺炎』だったっけ⁉」
ちょい悪令嬢「実は肺炎て、それ程重い病気では無いんですけどね。本来なら日本人の死因としては、『癌』や『脳血管疾患』や『心臓病』あたりがメインとなるでしょう。これらは『不治の病』だったり、突然『脳梗塞』や『心不全』によって、手の施しようも無く命を奪われたりしますが、肺炎は『体力次第』では十分快復可能で、けして『致死の病』では無いのです」
メリーさん太「だ、だったら──」
ちょい悪令嬢「つまり、体力の有る若い世代においては、油断は禁物であるものの、それ程重篤な病気では無いのですが、もはや体力の無い後期高齢者にとっては、快復がまったく見込めない、事実上の『死に至る病』に他ならないのですよ」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「しかもこの寒さだし、いつ病院から『危篤』等の急報が届くかも知れないわけで、本作の作者は常に戦々恐々としており、何も手につかず、ご飯も喉に通らず、入浴もほとんどサボっていると言った状況なのです」
メリーさん太「……それってまさに『寒さ』のせいも有るのでは? 台所や浴室が完全に冷え切っていて、料理も入浴もしたくないって感じで」
ちょい悪令嬢「毎日自転車で見舞いに行っているのも、大きいですわね。帰り道に一時間以上もかけて、買い物やその他所要を片づけたら、既に日が落ち寒さも厳しくなり、体力もごそっと奪われて、家にたどり着いたら着替えもせずに、ベッドに潜り込むのが関の山となっておりますの」
メリーさん太「いや、風呂に入るのはともかく、三食ちゃんと食べずに、毎日のように自転車を乗り回したりしたら、そのうちガチで倒れるぞ⁉」
ちょい悪令嬢「もう既にヘロヘロ状態なんですけどね。『食べる』以前に、料理を『作る』気力自体、もはや尽きてしまったのです」
メリーさん太「人間の三大欲求を失いかけているって、それもう『死にかけ』じゃん⁉」
ちょい悪令嬢「だって、前にも申しましたが、既に父親を失うことが決定した今、作者の『生きる意味』が無くなってしまったのですよ。何せこの数年間、父親の世話だけに人生のすべてを費やしてきたのですからね」
メリーさん太「いや、まさにこの『Web小説作成』だって、れっきとした生き甲斐だろ⁉ そうでなくても普通に『ネット閲覧』することだって、大切な『社会との繋がり』なんだし!」
ちょい悪令嬢「そんなもの、単なる『息抜き』に過ぎないのですよ。さすがに父親の世話ばかりやっていたら、心身共に保ちませんからね。──逆に言うと、肝心の父親の世話から解放されれば、もう『息抜き』なんてする必要が無くなるのですよ」
メリーさん太「……つまりその延長上で、自分自身の飲食等の『生命維持』さえも、必要なくなるってことか?」
ちょい悪令嬢「文字通り、『生き甲斐』が無くなってしまうのですからね」
メリーさん太「い、いや、確かに親父さんがお亡くなりになったら、あいつむちゃくちゃショックを受けるだろうけど、そんなの時が解決してくれるんじゃないのか⁉」
ちょい悪令嬢「それはあくまでも、父親が死んだ後の話でしょう? 問題は『今』なんですよ。既に本作の作者は、『何も』やる気を無くしてしまっているのです。この『何も』には、『食事や入浴』と言う、自身の『生命維持活動』すら含まれているのですよ」
メリーさん太「──なッ⁉」
ちょい悪令嬢「唯一の救いは、まさに『奇跡』でも起こって、父親が肺炎を克服して、痴呆状態も軽減して、自宅に戻ってきて、ある程度作者とコミュニケーションがとれるようになることですけど、それはもはや絶望的と申しても過言では無いでしょう」
メリーさん太「……だったら、一体どうするんだよ?」
ちょい悪令嬢「もう布団を被って現実逃避するか、このまま栄養失調とか精神疾患とかを患って、自分自身入院するしか無いのでは?」
メリーさん太「──父親の世話は、どうするんだよ⁉ しかも『もしもの時』には、いろいろとやることが山積みとなるんだから、家とか病院とかで寝ている場合じゃ無いだろう⁉」
ちょい悪令嬢「まあ、現実的対処としては、何日か見舞いに行かずに何もかも忘れて、じっくりと休養を取ることですね。──実際、一昨日は一日中大雨で、しかも終日非常に寒かったから、見舞いに行かずにずっと布団を被って寝ていました」
メリーさん太「……ああ、まあ、一週間に一日ぐらいは、そう言う日も必要かもな」
ちょい悪令嬢「でもこれって、結局さっき言った、『現実逃避』そのものなんですけどね。以前も申したように、最悪の場合父親は年を越せないかも知れないのですから、今のうちにいろいろと手続きを行っておかなければならず、作者は寝込んでいる暇なんて無いのですよ」
メリーさん太「うわあ、ガチで『追いつめられている』のか、あいつ? つまりもはや『逃げ道が無い』わけで、情緒不安定にもなるはずだ」
ちょい悪令嬢「後食事については、機能性栄養ゼリーとかドリンク等で、賄おうかと思っています」
メリーさん太「──むしろ作者のほうが、完全に『末期』じゃん⁉ 本当に大丈夫なのか⁉」
ちょい悪令嬢「──最後に、読者の皆様にお詫び申し上げます。こんな作者の個人的事情ばかりでお目汚しして、誠に申し訳ございません。それだけ現在ガチで追いつめられており、こうして窮状を文章にしてネット上で公開するだけでも、少しは気が晴れて前向きになれそうですので、何よりも本人が極限状態にいることを汲み取っていただき、どうぞご容赦のほどよろしくお願いいたします」




