第2004話、わたくし、作者の父親の転院が急に決まっててんやわんやですの⁉
ちょい悪令嬢「──と言うわけで、今回の【サブタイトル】の通り、このエピソードを執筆しているのが12月10日なのですが、現在隣町の病院に入院している本作の作者の父親の、12月12日での『転院』が急遽決まって、もはや小説作成している暇では無くなってしまったのですの⁉」
メリーさん太「12日って、リアルタイムの現在では明後日で、この作品を実際に公開した時点から、ほんの1日後じゃ無いか⁉」
ちょい悪令嬢「それで現在、その準備やら、各方面への根回しやらで、大わらわですの」
メリーさん太「何でいきなり、そんなことになったんだ? 作者の父親は、順調に回復傾向にあったんじゃ無いのか? むしろ『退院の報せ』が来ても、おかしく無いほどに」
ちょい悪令嬢「いくら元気になったからって、肝心の『肺炎』──具体的には、肺に膿が溜まっている状態である、『膿胸』が完治したわけでは無く、それの治療に少なくとも今年いっぱいかかるので、元々『退院』は有り得ないのです」
メリーさん太「じゃあ、何で『転院』するんだよ? その病院で最後まで面倒見てくれればいいじゃないか?」
ちょい悪令嬢「……それがそうはいかないのですよ、実はその病院て、この地域の『救急医療』を主に担っていて、作者の父親のように救急車で運ばれてくる重篤な状態の患者に対して、応急処置を施すのを主旨としていて、現在の父親のように病状がある程度安定した場合は、他の一般的な病院に移ることによって、より救急医療を必要としている新たなる患者さんに、場所を譲ってあげるべきなのですよ」
メリーさん太「なるほど、病院全体が『救急救命センター』みたいなものなのか? ──だったら、いっそのこと退院させて、以前のように在宅介護で面倒見てやればいいのでは?」
ちょい悪令嬢「それも今の段階では、非常に難しいですわね。先ほども申したように、主な病状である『膿胸』をある程度治しておかなきゃならないし、そもそも回復傾向にあると言っても、今回の入院以前よりも、体力は衰えているし、認知症のほうも進んでいるし、何よりも自力で食事を摂るための『嚥下能力』が格段に落ちており、生命維持に必要な分の食物を摂取できるか危ぶまれておりますからね。──後、新たな問題として、『痰切り』をどうするかと言うのもございます。自分で痰を切れなくなっている高齢者に対しては、一定の時間ごとに『痰の吸引』を行う必要が有り、それを同居中の作者がちゃんとやることができるのか、甚だ心配なところです」
メリーさん太「──駄目じゃん! そんなんでよく、退院させようと思ったな⁉」
ちょい悪令嬢「……何よりも父親自身が、自分の家に帰ることを、強く望んでいるのですよ」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「この作品を書いている前日の12月9日において、面会にきた作者に対して冗談交じりに、『このまま一緒に連れて帰ってくれ』とか、大きく腕を広げて、『俺を背負って病院から連れ出してくれ』とか、一生懸命せがんできて、そんな『強い意志』をまざまざと目の当たりにした作者自身も、『──絶対に父親を家に連れ帰ってやるッ!』と、決意を新たにしたところだったのです」
メリーさん太「……それなのに、まさにその翌日になって、『転院の報せ』が届いたわけか?」
ちょい悪令嬢「ええ、仕方ないこととはいえ、あれ程『回復傾向』にある父親の姿を見ていた分、どうにかならないものかと、非常に悩んでおりまして」
メリーさん太「でも、『転院』と言うからには、そこも病院等の医療施設なんだろ? そこで引き続き治療してもらえば、『膿胸』とやらも治って、リハビリも進んで、自分でベッドの上で寝起きできたり、車椅子に乗ってどこにでも行けるようになったり、ご飯もちゃんと必要な分食べられるようになるのでは?」
ちょい悪令嬢「忘れたのですか? 作者の父親がほんのつい最近、【余命半年】と宣告されていたことを。──つまり、そう言った患者が送られる医療機関とは、『終末医療』の専門の施設ってことなのですよ」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「特に『転院先』に予定されているところは、『認知症』専門の施設で、何と病室の入口には、常に『鍵がかかっている』そうです」
メリーさん太「──そ、それって⁉」
ちょい悪令嬢「何せ認知症も、『精神病』の一種ですからね」
メリーさん太「……ああ、うん、本作の作者が、今回のいきなりの『転院』を危惧している気持ちが、ようやくわかったよ」
ちょい悪令嬢「作者が何よりも危惧しているのは、『認知症』と言うよりもむしろ、『リハビリ』面ですね。もはや『終末医療』を主旨としている施設において、現在のような『前向き』な施術をしていただけるのか、非常に心許ない思いでおるそうです」
メリーさん太「──いやいやいや、一応『医療施設』なんだから、ちゃんと治療をしてくれるだろうよ⁉」
ちょい悪令嬢「と言うか、現在入院中の病院が、むちゃくちゃ『良過ぎた』のですよ。これまで父親は認知症を始めとして、いろいろな病気や怪我で何度も入退院を繰り返してきましたが、そのたびに認知症が進行し、体は痩せ細り、体力は衰え続けたのです」
メリーさん太「──何で病院に入院して、心身共に悪化するんだよ⁉」
ちょい悪令嬢「それが『後期高齢者』と言うものなのですよ。認知症は『環境』が大きく変わると、不安感等によるストレスによって進行し、むしろ看護師さんによる上げ膳据え膳の看護のため、食物の嚥下力等の生活能力が低下し、当然ベッドで寝たきりなので、筋力が著しく低下してしまうのです」
メリーさん太「な、なるほど」
ちょい悪令嬢「それに何と言っても、こういった『終末医療』専門の施設を転院先に選ぶと言うことは、もはや『退院』を考慮せずに、最期まで面倒を見てもらうことが前提となっておりますからね」
メリーさん太「……何せ、現在のところの診断結果が、【余命半年】だからな」
ちょい悪令嬢「ただし、既にお伝えしているように、最近の父の様子が、とても【余命半年】とは思えないほど、奇跡的な回復傾向にあるのは間違い無く、何としても少しでもいい方向に、事態を進めていきたいと言うのが、本作の作者の偽らざる心境なのでございます」
メリーさん太「でも、素人がいくら言ったところで、プロの医師やソーシャルワーカーさんが決められたことを覆すのは、もはや不可能って言っていいほど、非常に困難なんじゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「──ええ、作者のほうも重々承知しており、この作品が書き終わったら本日にでも、病院で先生に直にお会いして、こちらの意見をお聞きいただき、何らかの前向きな対応をしていただこうと思っております」
ちょい悪令嬢「──とか何とか言っているうちに、このエピソードを改稿中の12月10日夕刻にて、現在入院中の病院の『緩和ケア』担当の主治医の先生から、ようやくお電話がありましたよ!」
メリーさん太「ほう、それでどうなった?」
ちょい悪令嬢「まず、最近作者の父親が『奇跡のリカバリー』を果たしたのは、何と言っても現在の病院のスタッフの皆様のお陰ですので、その点について全力で『感謝の念』をお伝えしました」
メリーさん太「ほうほう」
ちょい悪令嬢「続いて、『そんな素晴らしいスタッフだからこそ、もうしばらく父を診ていただきたい』とお願いしてみました」
メリーさん太「──なるほど! 上手い繋ぎ方だな⁉」
ちょい悪令嬢「……でもやはり、病院のシステム上、もはや『急を要する』状態では無い患者を、いつまでも置いておくわけにはいかず、転院は変更できないとのことでした」
メリーさん太「あー、そううまくはいかないかあ」
ちょい悪令嬢「一応今回の本編で述べました、『不安な点』や『疑問点』を伺ってみたところ、『「終末医療」の施設といえども、絶対退院できないわけでは無く、それはすべて作者の父親の病状次第であり、現在順調である、身体能力のリハビリや食物摂取能力のリハビリについても、転院先でも引き続き行ってもらえるよう、依頼することになっている』とのことでした」
メリーさん太「ああまあ、『医療施設』であることには、現在の病院と変わりはしないんだしな、治療内容も極端に違ったりはしないだろうよ」
ちょい悪令嬢「でも逆に言うと、父親の(主に認知症の)病状が悪化した場合、閉鎖病棟に閉じ込められて、面会も許されなくなる可能性も有るそうです」
メリーさん太「……何か、『鍵のかかる病棟』に収容されるそうだからな」
ちょい悪令嬢「──とはいえ、うだうだ言っても仕方ありません! 後は新しい病院の医療スタッフの皆様にすべてを委ねて、本作の作者自身は、父親がいつ帰ってきてもいいように、いろいろと準備をしておくだけですわ!」
メリーさん太「ああ、もう既に、『転院すること』自体は、受け入れたわけか?」
ちょい悪令嬢「そりゃあ、素人の作者がいくら異議を申し立てても、何の意味もございませんからね」
メリーさん太「……まあ、あいつにできることは、毎日面会に行くことくらいか」
ちょい悪令嬢「その点に関しては、現在の病院よりも若干距離が近くなることが、数少ない利点ですわね。──後は、できるだけ『面会謝絶』にならぬよう、祈り続けるしかありませんわ!」