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1976/2244

第1976話、わたくし、居眠り首相と不倫野党党首による国政運営は嫌ですの(怒)

「──ゲリ、起きなさい、ゲリ」




「……あ、あれ、叔父様?」




 深い眠りから目覚めてみれば、そこには大好きなアドルフ=スガットラー叔父様の顔が、私のほうを心配そうに見つめていた。




「喜ぶがいい、おまえの『宰相』就任が、今度こそ本当に決定したぞ!」


「──本当ですの、叔父様⁉」


 ああ、何と言うことでしょう!


 一度は『枢密院』のお偉方から猛反対されて諦めかけた、『女性初の宰相』への挑戦だったけど、


 現国王であられる、私の実の叔父のアドルフ陛下が、強引に枢密院を解散総選挙させることによって、再び『宰相指名選挙』が開かれることになり、もう一度チャンスが巡ってきたけれど、


 私が党首として率いていた『プロシア国家社会主義労働党』は、惜しくも過半数を獲れず、もはやこれまで──と、思っていた矢先に、


 王国第一王女である私の婚約者である、タマリヒ=ゲーリング侯爵が、新党『王国民民主党』を立ち上げて、彼自身の人気も相俟って、選挙では多数の議席を獲得して、ゆくゆくは我が党と連立内閣を組むことを密約することで、どうにか事無きを得たのであった。(………なんか某声優さんの信者ばかりで構成されているような党名だな?)


 ……それ程、女である私が宰相になるためには、この国の王侯貴族社会における『女性蔑視』は、根強かったのだ。




 ──だがこれで、『時代』が大きく動くであろう!




 何せ私は、王国において最大の権威を誇る枢密院での『宰相指名選挙』で、見事に勝利を収めたのだから!




 これからは王国初の『女性宰相』として、すべての差別を撤廃して、民の誰もが笑顔で暮らせる国造りに邁進するのだ!




 そのように意気揚々と、現在枢密院において私と最も反目している、保守派の重鎮のタウロ=アッソー枢密院議長のほうを見やれば、


 あ、あれえ?


 何で議長ってば、苦虫を噛み潰したような──と言うかむしろ、私のことをあきれ果てて哀れんでいるような表情で、こっちを見ているのだろう?


 ──そ、そういえば、


 私って、ついさっき、『深い眠りから目覚めた』んだっけ?


 と、言うことは……。




「……おいおい、しっかりしてくれよ? おまえにはこの先王位も譲って、『国王兼宰相』である初代『国家的指導者フューラー』として、この国を導いてもらうつもりなのに、自分の宰相就任が決定しようとしている枢密院の選挙中に、平然と『居眠り』なんかして。これではアッソー議長あたりから『異議申し立て』されて、『再選挙』なんてことにもなりかねないぞ? 何せ今回の投票においては、ギリギリの得票数での勝利だったのだからな」




 そのように同じくあきれ果てたかのように宣うのは、現国王のアドルフ叔父様であった。


 ま、マズい!


 ギリギリの得票数と言うことは、私のこの失態を見て心変わりした方がおられるとすれば、再投票なんかしたら、敗北決定じゃないの⁉


「──タマリヒ、タマリヒはどうしたの⁉ そういえば、彼の姿が見えないじゃなの⁉」


 そりゃあ、ギリギリになるはずだ。最大の支援者の姿が見えないのだから。




「ああ、あいつなら、ハニトラだか何だか知らないけど、宰相指名選挙そっちのけで、アラフォーの元グラドルの色仕掛けにまんまと乗って、ホテルにしけ込んでいるところを(枢密院議長の息のかかった)マスコミにすっぱ抜かれて、現在謝罪会見に追い込まれているぞ?」




「──私、宰相就任どころか、最愛の婚約者すらも、失いかけているじゃねえか⁉」




   ☀     ◑     ☀     ◑     ☀     ◑




ちょい悪令嬢「──皆さーん! 全世界40億の、『進○の巨人』のファンの皆さーん! 超ビッグニュースがございますよお!!!」




メリーさん太「……ああ、うん、今回の最終章の【劇場版】によって、これまでの長いシリーズの『千秋楽』にすると言うことで、大体の予想がついていたけど、まさかガチでやりやがるとは思わなかったぜ(呆れ)」




ちょい悪令嬢「もうすでに、公式様自らが発表なされていることでもありますし、『ネタバレ』を気にする必要は有りませんので、ここでもぶっちゃけます! ──何と、今回の【劇場版最終作】においては、最後の最後に【原作単行本版】同様に、『スクールカ○スト』三人衆による、『映画を見た上での感想の言い合い』と言う、『メタ的オチ』で締めくくられているのです!」




メリーさん太「──おいおい、大丈夫なのかそれって⁉ せっかくの超シリアス大作の最後がそんなんじゃ、作品の雰囲気ぶち壊しじゃんか!」




ちょい悪令嬢「大丈夫ですよ! このシーンは本編が終わってから、更に長い長いエンドロールが流れた後に、現実の観客席とまったく同じシチュエーションとして、『映画を見終わった主役三人組が、映画の内容について語る』と言う、本編に対する『メタ』であると同時に、観客の皆様とリアルタイムに『シンクロ』しているわけで、『拒絶感や嫌悪感』よりも『一体感』を覚えて、むしろ『感情移入』すらしかねないのでは無いでしょうか☆」




メリーさん太「い、一理ある………………下手すると、そもそも【原作単行本版】自体が、こうして最終的に劇場版になることを前提に仕組まれていたと言われても、納得しそうだぜ」




ちょい悪令嬢「──はてさて、本当に『劇場版ならではの憎い演出』なのか、それともやはりメリーさんがおっしゃっていたように『興ざめ』に終わるのか、ご興味のお有りの方は、今すぐ劇場にGO!」




メリーさん太「……何か最近、なりふり構わなくなってきたな? もはやス○マと言うよりもダ○マだぜ? ──それで、肝心のうちの作者は、観に行かないかのか?」







ちょい悪令嬢「──観に行けるわけが無いじゃないですか⁉ この一ヶ月と言うもの、誇張でも何でも無くガチで四六時中、『要介護5』レベルの父親に張り付いて介護をしていて、映画館に行くどころか、散髪等の自分の身だしなみに時間をかけられないのはもちろん、ろくにお風呂にさえも入れない状態で、こうしてWeb小説を書き続けていること自体が、『奇跡』と言っても過言では無いのにッ⁉」







メリーさん太「あ」







ちょい悪令嬢「そりゃあうちの作者だって、できることなら自分の目で実際に確かめたいですよ! でも、それができないからこそ、こうして自作内で大々的に告知することで、せめて同じ『進○ファン』の同志たちに、自分の代わりに観劇を促しているのでは無いですか⁉」




メリーさん太「──わかった、わかった、あたしが悪かったよ!」




ちょい悪令嬢「『無念』の観劇断念と言えば、『チ○ンソーマン』の藤○タツキ先生の超問題作、『ルックバ○ク』の【劇場版】もそうですが、既に『アマ○ラ』あたりでWeb配信が始まった今更になって、『驚愕の事実』に気がついて、己の無知さ加減に悔し涙を流しているところでございます」




メリーさん太「……『ルックバ○ク』の『驚愕の事実』って、何のことだよ?」


ちょい悪令嬢「この作品の【アニメ版】については、その特異なる『制作過程』が、公開前から何かと話題になっていたでは無いですか?」


メリーさん太「……ああ、何でも【原作漫画版】に惚れ込んだ監督さん自らが、絵コンテや脚本はもちろん、キャラデザや作画の大半を自ら行うと言う、超『ワンマン』ぶりを発揮されているそうだな?」


ちょい悪令嬢「その方のお名前は、何とおっしゃるか、ご存じですの?」


メリーさん太「さ、さあ? 少なくとも、『中』とか『竜』とかは、付かなかったと思うけど……」


ちょい悪令嬢「『押○清高』様、です」


メリーさん太「ああっ、それって、まさか──」







ちょい悪令嬢「そうです、いよいよ『全話無料配信』が今月末までとなった、本作の作者ゲキ推しの超カルトオリジナルアニメ、『フリップフラッパ○ズ』の監督さんであられたのです!!!」







メリーさん太「──‼」







ちょい悪令嬢「そんな方が、【原作漫画版】においてもセンセーショナル過ぎた『ルックバ○ク』をアニメ化なされるのだから、ただで済むわけがございません! これを大迫力の【劇場版】で観なかったことに、現在本作の作者は血の涙を流しながら後悔しているところであります!」




メリーさん太「『フリップフラッパ○ズ』の監督が、『ルックバ○ク』を手がけると言うと、一見『ミスマッチ』とも思えるけど、これって下手すると、『ガチでハマる』んじゃ無いか?」


ちょい悪令嬢「『ルックバ○ク』の世界観だったら、普通に『フリップフラッパ○ズ』の(ワン)エピソードとして有り得そうですからね」


メリーさん太「『女の子二人組が、不思議な世界に放り込まれて、己の深層心理を暴き出される』と言うのが、毎回のパターンだったからな」


ちょい悪令嬢「事実、『絵描き』をテーマにしたエピソードも、ございましたしね」


メリーさん太「……うん、確かに『押○版ルックバ○ク』は、見てみたかったよな」




ちょい悪令嬢「もちろん、円盤が発売されたら絶対に購入するつもりですが、これは今回の『進○の巨人』同様に、『臨場感』こそが何よりも重要なので、劇場において見ることができなかったのが、返す返す悔やまれるところであります」




メリーさん太「なるほど、そんな後悔を自分以外の方々にして欲しくないからこその、今回の『進○の巨人』ネタってことか? 納得したぜ」




ちょい悪令嬢「これをお読みの読者の皆様も、少しでも興味の有る作品が【劇場化】した場合は、後々後悔すること無く、是非とも観に行かれることを推奨いたしますわ☆」












メリーさん太「──いやちょっと待て⁉ 完全にあんたのガチの『私情の暴走』に流されてしまっていたけど、そもそも冒頭の【突発短編】は、一体何なんだ⁉」




ちょい悪令嬢「……見ての通りですよ、本作の作者はどちらかと言うと、これまで通りの『自○党政権』が続いて、経済界やキャリア官僚を抑えつつ、庶民のための政治を実行していくべきであり、そのためにも国○民主党の協力は不可欠だと思っておりましたが、今回の両党の党首の体たらくを目の当たりにして、やはり『政権交代は必要』だと思い直しましたところであります」




メリーさん太「──うッ」




ちょい悪令嬢「もはや既存の政治家なぞ、誰一人信じられません! 本作は真に庶民の暮らしを守るために、これまで以上に完全主権国家『シン・ニッポン』の樹立を目指して参りますので、皆様の温かい応援を期待しております!」







メリーさん太「……何ソノ、『選挙公報』みたいなオチは?」

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