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1947/2227

第1947話、わたくし、神様(作者)によって、『幼女』にされた悪役令嬢ですの⁉

「──むううッ! もう我慢できん、貴音、行こう!」




「……行くって、お母さんをどこに連れて行って、ナニをするつもりだよ?」







「もちろん、僕らの『愛の巣』となる予定の、彼女の寝室だよ! そこでこの奇跡の再会を喜び合い、積年の思いを遂げるのだ!」







「──実の娘の前で『愛の巣』とか、気色の悪いことを言うなよ⁉ この腐れ勇者、一体何しに来たんだ⁉ 魔族の本拠地『魔城』の中で、そのあるじである『魔女王』を口説き落とすつもりか⁉」







「むっ、魔女王を打ち倒しに来た勇者が、魔女王を押し倒して何が悪い?………………悲しいことだが、これが『敗戦国の指導者』の末路なんだよ」


「──さにもっともらしいことを言ってるけど、残念ながらまだ負けてねえよ! そう言うでかい口は、魔族軍最高幹部である、この私を倒してからにしな!」


「……何だい君は、自分の母親の幸せを、素直に喜ぶことができないのか⁉」


「お母さんの元ボーイフレンドとか自称しているけど、あんたには何か、まともな女性が関わっちゃならない、『危ない匂い』がするんだよ⁉ そんなのを自分の母親に近づけられるかってえの⁉ ──何せ『勇者パーティ』だと言うのに、『なろう系』のテンプレそのまんまに、あんた以外全員がうら若き美少女ばかりだったしな⁉」


「…………くくく、貴音との再会の前に、上手いこと『知られたくない過去の清算』をしてくれて、心から感謝しているぜえ?」


「──考えられ得る限り、最悪のセリフが返ってきた⁉」







「……雅人君、駄目なの、私とあなたが結ばれることは、けして許されないの」







「──なっ⁉」


「──お母さん、よく言った! それでこそ、全魔族のおさ!」


「どうしてだ! まさか、君が自分だけ歳をとって、人妻になってしまったからとか、言い出すつもりじゃ無いだろうな⁉」


「……それもあるわ、こんなオバサンになってしまったし、何よりも『清い身体』じゃ無くなったんだから、あなたに申し訳ないし」


「──いやむしろ、自分と同じ年頃の娘のいる、超絶『美魔女』の未亡人なんて、大好物です!」


「……お母さん、こいつつまみ出していい? ──それから、貴様! お母さんは『魔女王』であって、『美魔女』では無いわ!」







「……たとえあなたが構わなくても、私のほうが受け容れられないの。──なぜなら私には、亡き魔王の『呪い』がかけられているのだから」







「「呪い?」」







「魔王陛下が存命の折、その強大な魔力を使って、私が自分の死後に他の男性に身も心も委ねようとすると、それを完璧に阻止する魔法が発動するようにしてしまったのです!」







「……何、だと?」


「……うわあ、我が父ながら、何てちっちゃい男なんだ。無理やり結婚させてた妻を、死んだ後まで束縛しようなんて。たとえ未亡人だって、『女の幸せ』を求める権利くらい有るだろうに」


「一体どんな『呪い』がかけられていると言うんだ! 現在魔力量がこの世界最大級の僕と君とが力を合わせれば、『解呪』できるんじゃないのか⁉」


「……駄目なの、最強の魔族ならではの『千年』にも及ぶ自分の寿命を、百年分も使って施した呪術だから、少々魔力が有るだけの人間である私たちでは、太刀打ちできないのッ!」


「「──普通そこまでするかよ! 何なのそいつ、魔王の力……と言うか、『寿命』を、『貞操帯』に使うなよ⁉」」


 …………うん、待てよ?


「『貞操帯』のような魔法って、具体的にどんなのなんだ? まさか、見えないバリアみたいな貞操帯を穿かされているとか? それとも男がよこしまな心を持って近づけば、燃やし尽くされるとか?」


「貞操帯やバリアなんて、必要有りません。私自身があなたを受け付けなくなるのです!」


「──だから具体的には、どうなってしまうんだよ⁉」







「私が魔王陛下の死後に、誰か他の殿方に思いを寄せてしまったら、とても男女の営みなぞできっこない、『幼女』の姿になってしまうのです! ──ほら、この通り!」







「「──なっ⁉」」







 その時突然己の腕の中にいた最愛の女性が消え去ったかと思えば、すぐ真下には、僕のほうを見上げている、二つのつぶらな瞳があった。


 ──年の頃は、10歳前後か。


 その容姿は紛う方なく、最愛の恋人の面影をしっかりと宿していたものの、


 確かにこれでは、『男女関係』の相手にふさわしいかと問われれば、普通だったら、即答は難しいであろう。




 ──そう、あくまでも、『普通だったら』。




「……これでわかったでしょ? 私は永遠にあなたとは、真の意味で愛し合うことはできないの」


「──酷いッ! いくら魔王だからって、こんなこと許せない! 死んでも妻を束縛しようだなんて、お父さんのことを見損なったわ!」


「……お父様を責めないで、これには魔力量が膨大な私を、敵対的な勢力に奪われないための、『国王としての責務』も無くは無いんだから」


「それにしたって、いくら何でも──」







「いいや、こんなこと、何も問題は無いぞ?」







「「………はい?」」







「まさかこれくらいのことで、僕の貴音への愛が揺らぐとでも思ったのかい! 『幼女』サイコー! むしろ初めて出会った時を思い出して、感無量だよ!」


「ま、雅人さん♡(きゅうんッ)」


「……ちょっと待て、『幼女サイコー』って、貴様」


 娘さんのほうが何かつぶやいたようだが、ガン無視して、幼女の魔女王様を『お姫様抱っこ』して、城の奥のプライベートゾーンへと向かって歩き始める。


「ああ、ようやく僕たちは、結ばれるんだなッ!」


「……こんな姿になった私を変わらず愛してくれるなんて、嬉しいッ!」


「──待ってお母さん! 何かおかしい! 普通いくら何でも、そんな姿になった女性を相手にするわけ無い!…………………もしかしてそいつ、元々『ロリコン』だったんじゃ無いのか⁉」


 ついにあの小娘、下手すれば千○県警あたりで『開示請求』すら可能な、『風評被害』をまき散らし始めたようだが、聞こえな〜い。


 魔王様ったら、なんて『粋な計らい』をしてくれるんだッ!


 ……もしや、『同好の士』なのか?




 ──つまり、「自分の死後妻に思いを寄せる者が現れても、(彼女の幸せを思えば)別に構わないが、それは自分と同じ『ロリコン』に限る!」と言うことで、こんな呪いをかけていたりしてw




 ……あの娘さんも、僕をなじる前に、ようく考えみるがいい。


 お父さんが、この呪術を施したのは、自分の寿命を削ったくらいなんだから、別に『死に際』とかじゃ無く、まだ健康的に余裕が有った時のはずだぞ?


 その後に、当時は間違いなく、自分に対して『身も心も委ねている』、お母さんと『夫婦の営み』を行ったことも有ったはずだ。


 その際はもちろん、彼自身がかけた『呪い』が発動して、貴音は現在と同じ姿になっていたのでは?




 ──下手すると、そんな『変態プレイ』の結果生まれたのが、ここにいる『娘さん』御自身だったりしてwww

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