第1944話、わたくし、前期夏アニメで『最高の負けヒロイン』に巡り合えましたの☆
ちょい悪令嬢「──さて、前期夏アニメの本作の作者による【私的覇権作品】は、めでたく『AT○I ーMy Dear M○mentsー』に決定いたしましたが、今回は新企画の【最優秀負けヒロイン】を発表いたします☆」
メリーさん太「………え、何で⁉」
ちょい悪令嬢「──ちょっ、冒頭からいきなり、『何で』は無いでしょ、『何で』は⁉ この新企画をやることは、前々から申していたではないですか⁉」
メリーさん太「い、いや、そういうことを、言っているのでは無くてだな?」
ちょい悪令嬢「はい?」
メリーさん太「こう言った『負けヒロイン』をテーマにした【座談会】においては、我々二人では無く、某『怪獣アニメ』の第三部隊長さんと防衛隊長官さんに、司会を任せるんじゃ無かったのか?」
ちょい悪令嬢「ああ、そのことですか? 確かにそのパターンも考えなくは無かったようですけど、うちの作者としてもあくまでは今回は、【私的覇権作】発表会の一環に位置づけていますので、引き続き私たちが司会を務めることになったのです」
メリーさん太「……一応、考えてはいたんだ」
ちょい悪令嬢「今更ですが、他人様のキャラクターを多用するのも、何ですからねw」
メリーさん太「──ホント、今更だな⁉」
ちょい悪令嬢「まあとにかく、そんなことはさておいて、発表のほうに移りましょうよ!」
メリーさん太「……前期夏アニメは某作品の影響もあって、空前の『負けヒロイン』ブームだったからな。下手すると【覇権作】そのものよりも、選考が難航するんじゃ無いのか?」
ちょい悪令嬢「……は? 何言っているのですか? 前期夏アニメの【最優秀負けヒロイン】は、【私的覇権作賞】同様に、『AT○I』の神白水○萌嬢に決まっているじゃないですか?」
メリーさん太「──前回に引き続いて、判断が早過ぎるッ⁉(天狗のお面を被りながら)」
ちょい悪令嬢「……いやあまさか、『負けヒロインソムリエ』である本作の作者ですらも、ここまで完璧かつ理想的な『負けヒロイン』が存在し得るなんて、考えもしませんでしたよ!」
メリーさん太「──それ程かよ⁉………………いや、そもそもあいついつから、『負けヒロインソムリエ』とかになったんだ?」
ちょい悪令嬢「本来なら最終話で文字通り『負け』が確定して以降は、『負けヒロイン』が何をしたり言ったりしようが、『悪あがき』とか『虚しい』とか『強がり』とか『別の残り物の男と結ばれるだけ』とか言った、【マイナス】のパターンしか有り得なかったのですよ。実は本作の作者も、あくまでもその【原則】を前提にして、『自分自身は報われなかったけど、どれだけ作品に貢献したか?』とか、『いっそ「カマセ」であることを全力で演じきって、大いに作品を盛り上げたか?』とか、『むしろメインヒロインよりも、終始輝き続けて、大人気を博したか?』とか言った、物語や主人公にとって『どうでもいい点』について、面白おかしく講評しようかと思っていたのですが、まさかここまで『理想の負けヒロイン』を演じてくださるとはッ⁉」
メリーさん太「そんなに凄いのかよ⁉…………あ、でも、うちの作者って、『勝ち負け』以前に、まったく『戦おうとしない』ヒロインなんて、『負けヒロイン』以下のどうしようもない存在として、『語る価値無し』とか言っていなかったか? 水○萌嬢なんて、まさしくそれに該当するように思えるんだけど?」
ちょい悪令嬢「むしろ彼女がまさに『そのタイプ』だったからこそ、完全に脱帽してしまったわけですよ」
メリーさん太「はあ?」
ちょい悪令嬢「本作の作者がこのエピソードを書いているまさにこの瞬間に、リアルタイムに思いついたのですが、そもそも彼女って、『負けヒロイン』なんて言う、『記号』的存在じゃ無かったのですよ。──だって、元来つくりものに過ぎないヒューマノイドにすらも、『心が芽生え得るんだ』と言うテーマの作品において、周りの人間が、単なる『舞台装置』としての『負けヒロイン』などと言った、『魂の無い』存在だったりして、どうするのです?」
メリーさん太「──ッ」
ちょい悪令嬢「つまり彼女は『負けヒロイン』なんかでは無く、れっきとした『生きている』一人の女の子として描かれていたのであり、だからこそ、『恋愛レースの勝ち負け』なんぞにかかわり無く、見ているこちらが素直に心から『好感』を覚えられたのです☆」
メリーさん太「──これまで何度も言ってきたけど、もううちの作者はWeb作家なんかやめて、アニメ評論系のY○uTuberになれよ⁉ どこかのインチキデブなんかよりも、百億倍も『真理』をついていて、大儲けできるぞ⁉」
ちょい悪令嬢「いえいえ、これもすべては、アニメ制作スタッフの皆様が素晴らしいのであって、実は前回同様、『最終話までの積み重ね』の為せる業なのでございます♫」
メリーさん太「は?」
ちょい悪令嬢「最終話だけ、恋愛レースに負けたヒロインが『負け惜しみそのまんまの綺麗事』を言い出しても、苦笑するばかりですが、今回の1クール全13話を最初から見直してみたところ、水○萌ちゃんはいかにも夏○さんに気が有るようでいながらも、『負けヒロイン』ならではの『幼馴染みムーブ』を丸出しにして、隙を見ては粉かけてきたりせず、ア○リちゃんと言うある意味『恋敵』の登場に、当然複雑な感情を抱きつつも、彼女によって夏○さんの一度失われたやる気に、再び火がつくことを期待して、あえて距離を置き見守りつつ、料理を教えたりと言った『手助け』すらすると言った尽くしようでした」
メリーさん太「そういえば、確かにそうだな⁉」
ちょい悪令嬢「そう言った積み重ねが有ったからこそ、最終話において、人身御供の運命が待ち構えているア○リちゃんから、『……夏○さんのことを頼みます』と申し出られた際も、『それはお断りするよ』とはっきりと答えることができたのです! ──なぜなら、ア○リちゃんや水○萌ちゃんだけでは無く、夏○さんを始めとする他のキャラたちだって、『生きている』のであり、ちゃんと『個』と言うものを確立していて、『誰かの助けが必要なほど弱くは無い』のですから!」
メリーさん太「──『負けヒロイン』としては、それこそ下手すると『負け惜しみ』にすら聞こえそうなのに、すげえ説得力が有るな⁉」
ちょい悪令嬢「すべては、『この作品のテーマは、ヒューマノイドにも心が有ると言うことなのだから、当然他の人間たちも心ある、「生きた人間」で無くてはならないのだ!』と言う、大前提を掲げた総監督的立場にある方と、その意を汲んでシリーズ構成と全脚本を手がけた、花○十輝先生の手腕の為せる業であると申せましょう♡」
メリーさん太「……ええと、『真に理想的な負けヒロイン』が、『AT○I』の水○萌嬢であることは、心から納得したわけだけど、他の作品のヒロインについては、どうなんだ? 特にタイトルに『負けヒロイン』を明示している『負けヒ○インが多すぎる!』なんて、それこそ『負けヒロイン』を代表するキャラがいそうなもんだけど?」
ちょい悪令嬢「──ああ、あれは全然ダメですわ! 『負けヒロイン』を完全に『舞台装置』として描くことによって、もはや『負けヒロイン作品』では無く、単なる『ハーレム作品』以外の何物でも無いし」
メリーさん太「むちゃくちゃ『全否定』してきやがった⁉ ──いや、いくら何でも、あれが『ただのハーレム作品』なんてことは無いだろ⁉」
ちょい悪令嬢「いえいえ、あの作品は主要なヒロインを『負け』させることによって、むしろ主人公にとって完全に『安泰』な、ハーレムづくりを実現しているのですよ」
メリーさん太「……はい? その言い方だとまるで、『負けヒロイン』のほうが、ハーレムづくりに向いているように聞こえるんですけど?」
ちょい悪令嬢「だって、ハーレムの構成メンバーは当然のごとく、他の生徒たちが羨む学園きっての美少女じゃ無いと意味がありませんが、ハーレムの主が陰キャだと、他のイケメン男子に盗られる恐れが否定できませんけど、まず最初に『こっぴどく振られた負けヒロイン』であれば、どんなに美少女で人気者であっても、安心してハーレムに迎え入れることができるではありませんか☆」
メリーさん太「──‼」
ちょい悪令嬢「だから何度も言っているじゃ無いですか? ほとんど初対面の陰キャ男子なんかに、美少女たちが自分の恋愛(失恋)相談をすること自体が、そもそもおかしいって。──つまり、これは単なる『陰キャが次々に美少女をハーレムに引き入れていく』と言う、テンプレハーレムラブコメに過ぎず、しかもどんなに美少女だろうが『当分浮気する心配が無い』と言う、陰キャ男の虚しい願望の具現以外の何物でも無いのです」
メリーさん太「──もうホント、うちの作者は今からでも、『アニメ評論系Y○uTuber』になれよ⁉………………ただし、この『負けヒ○インが多すぎる!』に対するように、『正論で全否定』するやり口は、いたずらに敵を増やすだけなので、厳に慎もうな?」