第1924話、わたくし、今期夏アニメ『最低の負けヒロイン』決定ですの⁉
ちょい悪令嬢「──はい、サブタイトルにも記しましたが、各作品共いよいよ終盤に突入いたしました今期夏アニメにおける、『負けヒロイン』レースに関して、『最低の負けヒロイン』については、『グレンダ○ザーU』のメインヒロインの片割れ、テ○ンナ=アクア=ベガ嬢に(仮)決定いたしました!」
メリーさん太「うん、異議無し!」
ちょい悪令嬢「一応お断りしておきますが、『負けヒロイン』と言ってもいろいろと『タイプ』がございまして、何も『ネガティブ』な意味合いだけでは無く、あえて『負けヒロイン』を演じることでストーリーを盛り上げてくれた、『最優秀殊勲負けヒロイン賞』とか言ったものも有りますので、別に今回が【最終結論】と言うわけではございません」
メリーさん太「……まあ、そりゃそうだろうな? 最近だと『負けヒロイン』にスポットを当てている作品も人気が有るようだし、単なる『かませ犬』や『滑り台要員』にしていては、時代についていけないぜ」
ちょい悪令嬢「そうなると、当【座談会】における初の試みである、今回の『負けヒロイングランプリ(仮称)』に関しては、その選考方法が非常に困難にならざるを得ないのですわ」
メリーさん太「色んなタイプがいる分、下手すると『負けヒロイン』の定義自体が、あやふやになりかねないからな」
ちょい悪令嬢「むしろ、『負けヒロイン』になることによって、実質上『勝利』以上の何かを得るキャラなんてのも、登場しかねませんしね」
メリーさん太「主人公に対する『ヒロインレース』に敗れつつも、むしろそれは、友人関係や部活等の平穏を守るために、自ら身を退いていたりしてな」
ちょい悪令嬢「いわゆる、『試合に負けて、勝負に勝つ』ってやつですね」
メリーさん太「……それに対して、今回のやつときたら」
ちょい悪令嬢「……そうですね、こっちはまさしく──」
メリーさん太&ちょい悪令嬢「「──『試合に勝って、勝負に負ける』と言う、最低最悪の『負けヒロイン』だよな⁉」」
メリーさん太「……いや、確かに現時点(最新第11話)では、主人公を巡る『恋のバトル』で、決定的な勝利をもぎ取ったのだから、本来なら押しも押される『勝ちヒロイン』のはずですが、何と言っても、その『勝ち方』がねえ?」
ちょい悪令嬢「双子の妹になりすまして、主人公と『永遠の契り』を交わして、お互いの肉体に『既成事実』を明確に刻み込むことによって、卑劣にも妹を出し抜く形で、主人公を自分のモノにしてしまうなんてッ!」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太「………」
ちょい悪令嬢「………」
メリーさん太&ちょい悪令嬢「「──いや何だよこの、『ふた○れ』こと『恋は双子で割○切れない』をドロドロの昼ドラ化した、ダメダメラブコメアニメは⁉」」
メリーさん太「……いやあもう、びっくりしましたねえ」
ちょい悪令嬢「基本的な『恋愛バトル』の流れとしては、『ふた○れ』と同じだと言うのに、『アレ』は無いでしょ?」
メリーさん太「いや確かに、本筋自体の流れとしては、あのままでは主人公のデ○ークは、彼女の双子の妹のルビ○ナ姫と結ばれるのは間違いなしと言う段階だったし、『負けヒロイン』を回避するために行動を起こすには、あの時点しか無かったのには異論は無いけど、まさか『あんな手』を使ってくるなんて」
ちょい悪令嬢「確かに当【座談会】においては、『恋愛はバトル』であり、むざむざ『負けヒロイン』になるくらいなら、(自分の双子の姉妹さえも含む)ライバルを蹴落としてでも、想い人をGETすべきだと主張しましたが、それにしても『やり方』と言うものが有るでしょうが⁉」
メリーさん太「当然のことながら、何よりも『自分』に振り向かせなければならないので、当然『自分』の魅力と言うものを十分に発揮するとともに、場合によってはあくまでも『自分』の才覚として、ある程度『反則技的手段』を用いて、ライバルたちを出し抜くのも許されるでしょう」
ちょい悪令嬢&メリーさん太「「──しかし、こいつが根源的に駄目なのは、何よりも肝心な『自分』と言うものを捨てることによって、『偽りの愛』をGETしたことなのです!」」
ちょい悪令嬢「……いや、いくら何でも、これは無いだろう?」
メリーさん太「こいつ一応『王族』であるのはもちろん、気高き『騎士』でもあるそうだけど、『プライド』と言うものは無いのか?」
ちょい悪令嬢「まさか」
メリーさん太「まさか」
ちょい悪令嬢「まさか」
メリーさん太「まさか」
ちょい悪令嬢「まさか」
メリーさん太「まさか」
ちょい悪令嬢&メリーさん太「「髪の色と衣装を変えれば、顔形がそっくりだからと言って、双子の妹になりすまして、想い人と『契って』、自分のモノにしてしまうなんて、むしろ『虚しさ』を感じはしないのか⁉」」
ちょい悪令嬢「もうここまででも、番組を見ていて呆れ果てたのですが、」
メリーさん太「『その後』が、更に醜悪なんだよな」
ちょい悪令嬢「何度も申しておりますように、『恋愛はバトル』なのですから、このテ○ンナ嬢の行動が、あくまでもデ○ークへの愛故のもので、彼を自分だけのものにするためであるのなら、ほんのわずかとはいえ『情状酌量の余地』は残っていたかも知れません」
メリーさん太「例えば、『……すまん、デ○ーク、おまえとルビ○ナを、一緒にさせるわけにはいかないんだ。妹に祖国を裏切らせて、一生お尋ね者にさせるなんて、我慢できない。だから、どんなにあいつから恨まれようが、私がおまえと契ることにしたんだ。もちろん、私自身もおまえに好意があることは否定しない。私こそがルビ○ナにとっての、最大の裏切り者かも知れない。──でも、あいつのことを不幸にするくらいなら、すべての罪も憎しみも、一生背負い続けてても構わない。──デ○ーク、それはおまえも同じだろ? おまえだって一度は、ルビ○ナのことを裏切ってしまったのだ。彼女のことを守るどころか、その手にかけようとして、一時は死んだ者として諦めていたじゃ無いか? だったら、そのまま諦めておけ。我が父ベ○大王陛下から睨まれているおまえには、この宇宙広しとはいえ『安息の地』はどこにも無い。だったら、この私が一緒にいよう。どちらも最愛のルビ○ナを裏切った身だ。お互いの傷をなめ合いながら、これから一緒に生きていこうじゃ無いか』──とかね」
ちょい悪令嬢「そうなんですよ、それだってかなり苦しい『言い訳』に過ぎませんが、彼女が実際に取った行動に比べれば、どうにかこうにか納得できないことも無いですしね!」
メリーさん太「ホント、あの自称『高潔な女騎士』、一体何を考えているんだ?」
ちょい悪令嬢「事もあろうに、妹の想い人を『穢して』おきながら、『開口一番』と言うか『捨て台詞』と言うか、とても信じられないことをほざきやがって⁉」
メリーさん太&ちょい悪令嬢「「何が、『やった! やったぞ! デ○ークと契ってやった! これで私と貴様には、同じ『紋章』が刻まれた! もうおまえはルビ○ナとは『契る』ことはできない! 金輪際、妹に近づくことすら、この私が許さないからな! ──それじゃ、さらばだ!』」」
メリーさん太&ちょい悪令嬢「「──いや、そのまま立ち去るのかよ⁉」」
メリーさん太「……え、何で? せっかく『契った』のだから、これからはせいぜい『女房面』して、デ○ークの側に侍っていればいいじゃんか?」
ちょい悪令嬢「……何か結果的に、デ○ークとルビ○ナ姫に、『嫌がらせ』をしただけのようなものですよね?」
メリーさん太「いやいやいや、テ○ンナさんもしっかりと、デ○ークのことが好きなんだろ?」
ちょい悪令嬢「何か、それを認めるのが恥ずかしいから、『あくまでも妹のため!』と言うことにしたかったのでしょうか?」
メリーさん太「──ガキかよ⁉ 好きな子に対して意地悪ばかりしている、幼稚園のガキかよ⁉」
ちょい悪令嬢「……これって一応、完全に『反則技』とはいえ、『恋愛バトル』における『勝ちヒロイン』になったとも、言えなくは無いですけど、」
メリーさん太「そういうわけには、行かないだろうな?」
ちょい悪令嬢「ええ、たとえ『永遠の契り』を済まそうが、二人の身体に『契約の紋章』が刻み込まれようが、絶対ルビ○ナ姫としては、『そんなことは関係ありません! 私とデ○ークが心からお互いを愛しているのなら、何も問題有りませんわ!』とか何とか、『真実の愛』ムーブをぶちかまして、あっさりとテ○ンナさんを『負けヒロイン』にしたりしてなw」
メリーさん太「……あ、有り得る」
ちょい悪令嬢「と言うわけで、この時点において、テ○ンナさんの『ワースト負けヒロイン賞』はほぼ決定いたしました! ──さて、次はどんな『負けヒロイン』が登場するのか、現在ついに終盤戦に突入した、今期夏アニメの各作品共、けして目を離せませんよ☆」