第1917話、わたくし、『ダン○ち』新アニメの結末を大胆予想いたしますの☆【後編】
「……最近サブカル界隈では安易に、『負けヒロイン』と言う言葉が使われていますけど、本当の勝者とは、『こう言うの』を言うんですよ。だってベ○様を例に挙げるまでも無く、アニメやラノベの主人公って当然のようにハーレムを築いているけど、そんな彼に対する好意を無下に拒まれること無く、私《リ○》のように側にいることを許され、『事実上ハーレム入りを果たした』ところで、『勝った』と言えますか? 確かに世間一般的には、リ○はいまだに『負けヒロイン』では無いでしょうが、ベ○様のハーレムと言う『軍門に降った』わけだから、実質上『ベ○様の恋愛力に負けた』と言っても過言では無いでしょう」
「──これもまた『真理』! これこそが『か○や様は告らせたい』における『こだわり』! 何であの作品てば、最も肝心な『恋の成就』よりも、相手に『告らせる』ことを優先しているんだと、イライラして見ていたけど、あそこで自分から告って白○会長の軍門に降ったら、『真の意味での負けヒロイン』になってしまったわけなんだ⁉」
「……まあ、本人は負けることによって、恋愛が成就して、幸せに感じているのなら、他人がとやかく言う問題でも無いし、そもそも私自身実のところ、ベ○様の確定的な愛をいただいていない状態でのハーレム入りを果たしているだけですけど、けして辛くは無く、むしろ嬉しいくらいですが、女として(男に対して)『勝ちか負けか』で言えば、間違いなく(男から)『負けてしまった』と言えるでしょう」
「……だったら、既にハーレムを築いている、『物語の主人公』レベルの男に対して、女が真の意味での『勝ちヒロイン』になるためには──」
「ですからさっきから言っているでしょう? 『集団戦』ですよ。真の意味での『恋愛戦争』は、個人間の闘争なんかでは無く、『ハーレム』同士の戦いでこそ、真の決着がつくのです!」
「『ハーレム』って、男だけでは無く、女もかよ⁉」
「……これだから、見識の浅い、『男オタク』は」
「えっ、私、『男オタク』だったの?」
「脳筋女剣士なんて、実質男のようなものでは?」
「──謝れ! すべての創作物における女剣士キャラに対して、謝れ!」
「まあ冗談はともかくとして、現在の主に男オタク向けの作品しか見てない人たちには、ピンとこないかも知れませんが、女を中心としたハーレムなんて、少女漫画や女性向けライトノベルや、それらを基にしたアニメ等のメディアミックス作品では、数え切れないほど存在していますよ」
「──ああ、そうか、『逆ハーレム』か⁉」
「せめて『自前のハーレム』くらい所有していないと、『勝ちヒロイン』とは言えず、同じく何らかの形で『ハーレム』を築いている『主人公』レベルの男に対して、勝負にはならないでしょうよ。普通の単独の恋愛が成就したくらいでは、女は(相手の男そのものに負けたとは言わないまでも)『恋愛に負けた』のであり、以降『負けヒロイン』として、男に従属した人生を歩んでいくしかないのです」
「『逆ハーレム』を築いている女性キャラ…………この『ダン○ち』の作品世界で言えば、フレ○ヤ様みたいな方のことか?」
「そうなんですよ、既に主人公ならではの『無自覚ハーレム』を築いているベ○様に対して、実質上『集団戦』である真の意味での『恋愛戦争』を戦えたのは、『フレ○ヤ・ファミリア』と言う事実上の『逆ハーレム』を築いていた、フレ○ヤ様だけであり、結構いい線行っていたのですよ」
「『いい線』とは?」
「彼女って、たとえ女神といえども『禁じ手』である、強大なる『魅了の力』を行使して、オラ○オ中の神や人間の意識を変革して、ベ○様を『最初から自分のモノだった』ように、世界そのものを改変してしまったじゃ無いですか? 実はアレで『正解』だったのですよ。『ハーレム』同士の『集団戦』において、当然のことながら最も効果的なのは、『相手のハーレムを瓦解させて、意中の彼氏を丸裸にしてから、改めて自分のハーレムに迎え入れる』と言う戦法であり、フレ○ヤ様は見事にやってのけて見せたわけで、何とあの時点で彼女の『完全勝利』だったのです☆」
「えっ、ベ○自身は、いまだ心身共に、フレ○ヤ様を受け容れたわけじゃ無かったのにか⁉」
「そんなもの、問題になりません。昔の中国あたりの後宮だって、あまりに多くの女性を入内させたために、まったく『お手つき』の無いままだった『お妃様』だっていたはずですが、その女性が皇帝の『所有物』であるのは変わり無く、彼女は皇帝の意のままに生殺与奪権を握られていたわけだから、皇帝にとっては『負けヒロイン』と言っても過言では無いでしょう」
「つまりそれこそが、原作の【フレ○ヤ・ファミリア編】のベ○であり、彼が『フレ○ヤ・ファミリア』に取り込まれた時点で、フレ○ヤ様のお手つきになるどころか、彼自身が彼女に心を開くまでも無く、『負けヒロイン』ならぬ『負け主人公』として確定していたわけなんだ?」
「そうなのです、たとえ主人公とはいえ、恋愛闘争と言う『集団戦』においては、己の『ハーレム』が瓦解して丸裸にされてしまっては、もはや手も足も出ないのですよ。──つまり、真の意味で『勝つ』ためには、まず自分の『ハーレム』を守る必要が有るのです!」
「だ、だったら、私がベ○のハーレムに入ったって、構わないだろ? 自分で言うのは何だけど、私はこのオラ○オにおけるトップクラスの冒険者だし、ますますハーレムに箔がつくし、この前の『派閥戦争』みたいに、またベ○が他の巨大ハーレム持ちの女性と『集団戦』を演じることになっても、今度こそ私自身が参戦して、『最大戦力』として役に立ってみせるよ!」
「──いや駄目です、あなたがベ○様のハーレムに入るなんてことになったら、ハーレム自体が瓦解する以前に、ベ○様自身が『駄目になって』しまいますから」
「えっ、どうして⁉」
「さっきから申しているように、主人公のハーレムに入ると言うことは、ヒロインとして『負けている』のですよ。特にあなたは、ベ○様のハーレムに入って、『負ける』わけにはいかないのです」
「──だから何で⁉」
「忘れたのですか? ベ○様が冒険者として脅威的な成長をし続ける最大の原動力こそが、あなたへの憧れによって発現した『憧○一途』の、スキルとしての為せる業と言うことを!」
「あ」
「つまり、この世であなただけは、たとえ自分自身の『ベ○様への想い』に気づこうとも、ベ○様のハーレムに入って、彼に対する『負けヒロイン』になることは、絶対に許されないのですッ!」
「……あ……あ……あ……ああ……あああ……ああああああああ──ッ!!!」
「むしろこれは、誇るべきことなのです。このオラ○オ広しとはいえ、ベ○様の横に並び立ち、共に対等な立場で戦い続けることのできる女性は、あなただけなのですよ。私のような単なる『ハーレム要員』にとっては、うらやましい限りです。我々『十把一絡げの脇役ヒロイン』どもは、ベ○様のハーレムに降った『負けヒロイン』として、有るか無いかも定かで無い、彼の『寵愛』にすがって生きていくしかないのですよ」
「だったら、私とベ○が、普通の男と女としての『恋愛関係』となって結ばれることは、未来永劫有り得ないと言うのか⁉」
「ええ、いっそのことその時点で『物語の最終回』にすれば、やってやれないようにも思えますが、そこで主人公のベ○様の冒険者としての成長が永遠に止まってしまうなんてオチは、どう考えてもマズいでしょう? それに、本来『生涯目標にすべきだった女性』と結ばれて、『最悪の結末』に至った前例については、同じ超人気Web作品である『リゼ○』が、まざまざと描いてくださいましたからね。こっちも『ダン○ち』同様来期秋アニメとして、その『最大の不幸の申し子』である、ラインハ○ト君が大活躍するので、乞うご期待☆」
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メリーさん太「……おい、【突発短編】が終わった後で、詳細に解説をするとか言ってたけど、もう字数がほとんど残っていないぞ?」
ちょい悪令嬢「大丈夫です、本来解説しなければならなかったことは、作中において主にリ○嬢が、ほぼすべて語ってくださりましたから。──後は少々、【注意事項】を述べるだけでいいのです」
メリーさん太「【注意事項】て?」
ちょい悪令嬢「これまで三回にわたってお送りしてきた【突発短編】をご覧になれば一目瞭然ですが、これはあくまでも、他人様の作品の登場人物を借りての、『負けヒロイン』や『ハーレム』とは何ぞや?──を徹底的に考察した【評論】であり、単なる【二次創作】や【パロディ】ではございませんので、どうぞお間違い無く☆」
メリーさん太「──それって、一体誰に対して【弁明】しているんだよ⁉」