第1892話、【訃報】わたくし、田中敦子氏がアニメ界に遺した数々の偉業を全力で讃えますの☆
ちょい悪令嬢「……ええと、今回は本当は、現在クライマックスに突入して衝撃の事実が発覚した、『わんだふるぷりき○あ!』を踏まえまして、いい歳して『靖○神社』を敵視する左翼が、『中二病』そのまんまにどんなに幼稚な存在であるか、そしてこの『善良なる日本人』にとって神聖なる宗教施設を、落書きしたりして愚弄する不逞な外国人どもなぞ、彼らの空想上の某史実通りに『屠殺』して構わないことを、詳細かつ克明に述べようと思っていたのですが、いきなり【驚愕の新情報】が舞い込んできましたので、予定を変更したいかと存じます」
メリーさん太「──何むちゃくちゃ危ない話を書こうとしているんだよ⁉ そんなの永遠にお蔵入りさせておけ!…………………それで、【驚愕の新情報】ってのは、一体何なんだ?」
ちょい悪令嬢「……声優の田中敦子様が、昨日8月20日に、お亡くなりになられたのです」
メリーさん太「ガチで、【驚愕の情報】じゃねえかああああ!!!」
ちょい悪令嬢「いやホント、あまりにも突然過ぎて、うちの作者もびっくり仰天ですよ」
メリーさん太「……あ、いや、あれ? 田中さんて、お幾つでしたっけ?」
ちょい悪令嬢「享年61歳です」
メリーさん太「──まだ全然お若いじゃん⁉ この御時世、声優としても現役で、バリバリこなせるお年頃じゃん⁉」
ちょい悪令嬢「……実はあるイベントで『遺言』じみたことを言われていたそうですので、自分の死期を前もってお知りになっていたのでは無いでしょうか?」
メリーさん太「だとしたら、原因は何らかの『疾病』で、既に死期を悟りながら『闘病生活』を送られていたわけか?」
ちょい悪令嬢「それなのに、ここ一、二年の間で本作の作者が視聴した作品だけでも、『勇気爆発ブ○イバーン』の最も重要な敵キャラである『ク○ヌス』や、『呪術○戦』2期の花○に、『治○魔法の間違った使い方』のロ○ズ団長、更には『葬送のフリ○レン』の主人公のフリ○レンのお師匠様のフラ○メ等々を演じられており、マジで『生涯一声優』を貫かれましたね」
メリーさん太「どんなに体力的に無理をしていたか、今や推し量りようが無いけど、それだけご自分の仕事を愛し、誇りを持たれていたことだけは確かだな」
ちょい悪令嬢「そんな自他共に認める声優界の第一人者を失って、アニメ界におけるその損失のほどは、計り知れないことでしょうね」
メリーさん太「田中さんと言えば何よりも、『攻○機動隊』の草○素子──通称『少佐』だからな。これからいくら続編が作られようとも、田中さんが声を当てることは無いわけだ」
ちょい悪令嬢「もはやファンにとっては、『少佐と言えば田中敦子』であり、『田中敦子と言えば少佐』でしたからね。素子役を引き継がれる方は、いろいろな意味で苦労なされることでしょう」
メリーさん太「……まあ、シリーズ中の幾つかの作品においては、既に田中さん以外にも『少佐』を担当なされた声優さんがおられるから、その方が引き継ぐ可能性が高いと思われるものの、やはり田中さんのイメージが強過ぎて、どうしてもやりにくくなるだろうな」
ちょい悪令嬢「もちろん、本作の作者も田中さんのことを初めて知ったのは、『攻○機動隊』の少佐役としてですが、それまでの全世界的なアニメ史の流れを一変させた、作品自体の衝撃的内容もさることながら、『これまでに無いヒロイン像』を体当たりで演じきった田中さんの名演技にも、存分に感銘を受けたところであります」
メリーさん太「……『これまでに無いヒロイン像』、とは?」
ちょい悪令嬢「作品自体が、鬼才押○守の名前を世界的に轟かせた『革新作』であり、実写を含め新進気鋭の才能豊かな映像作家たちに多大なる影響を与えたことは、とみに有名であり、これまでのコンピュータを含む機械文明と人間との関係から、ネットと言う『情報の海』にして『第2の世界』と人間の関係と言う、新たなる領域に踏み込んだ最初の作品であったことに、もはや異論は無いでしょう」
メリーさん太「……ああ、前作の『パトレ○バー』なんかは、ロボットがOSの不具合等で暴走すると言う、『スタンドアローン』のIT機器の、人間に対する『叛乱』を描いていたんだけど、『攻○機動隊』においては、既にネットが現実世界と融合されていて、一部の人間は自身の肉体を捨ててサイボーグとなり、常にネットの世界と接続していて、人間の頭脳をハッキングして、『不意に甦る存在しない記憶』を植えつけることによって、人間そのものを操り暴走させるってのが、まさしく『時代を先取り』していたよな」
ちょい悪令嬢「はっきり申しまして、本作の作者なんて最初に見た時には、『草○素子』が人間なのか純粋な機械にネットを通して『データ(=ゴースト?)』として、知識や感情を与えているだけなのか、ちんぷんかんぷんでしたw」
メリーさん太「……ああ、うん、あの作品の劇場版第一作って、そこら辺の世界観説明がいい加減で、初めて見る者には少々難解だったよな」
ちょい悪令嬢「そんな複雑で奇々怪々な世界観に対して、最も理解力を必要とする主役を、まったく過不足無く見事に演じきられた田中さんは、『さすが』の一言に尽きますでしょう!」
メリーさん太「そうだな、『現在』と比べて、科学の発展度どころか、人間個々人の『考え方』を始めとして、『人類の定義』自体が完全に様変わりしているんだから、何を基準にして演じるべきかは、大いに悩むところだろうな」
ちょい悪令嬢「その『現在』と言うのが、30年前の映画公開時どころか、まさに『現在』の2024年にも、しっかりと当てはまりますからね」
メリーさん太「……つまり、90年代からすると、立派に『近未来』と言えるこの20年代よりも遙かに、先進的なテクノロジーに満ちた世界観でありながら、その主役を難なく演じられたってことなのか? ホント凄いよな」
ちょい悪令嬢「まさに『言うは易く行うは難し』ですよ、一体この世のどれだけの人間が、鬼才押○守の世界観についていけると言うのです」
メリーさん太「そういや、うちの作者って、押○作品の大ファンだったっけ? その代表作のメインヒロインであられた田中さんに、ひとかたならぬ思い入れをしているのも、当然の理ってわけか?」
ちょい悪令嬢「つい最近も今敏監督作品に絡めて申しましたが、うちの作者って、『現実と虚構とが融合する』作品が大好きですからねw」
メリーさん太「いわゆる『仮想現実』をメインにした『攻○機動隊』シリーズなんて、ストライクど真ん中だろうなw」
ちょい悪令嬢「まあ、むしろ主役だからこそ、『「ネットの海」とか「仮想現実」とか、知ったこっちゃ無い! 私はただひたすら、「草○素子」を演じるだけ!』と、腹をくくられていたかも知れませんけどね☆」
メリーさん太「むしろ、『虚構と現実の融合』に猜疑心を抱いていたのは、バト○さんのほうかも知れないしな」
ちょい悪令嬢「『攻○機動隊』の続編の『イノセ○ス』なんて、全編そんな感じでしたよね」
メリーさん太「それこそ少佐はほとんど出番が無く、完全にバト○さんが主人公だったしな」
ちょい悪令嬢「まあ、そんなこんなを含めまして、田中敦子さんこそは、『攻○機動隊』シリーズのみならず、アニメ界全体としても、無くてはならない存在であったのは間違い無く、この突然の訃報に、関係者の方々は、その多大なる悲しみと衝撃のほどを、次々と表明なされているようですわ」
メリーさん太「ホント、得がたい方を亡くしてしまったよな」
ちょい悪令嬢「特に『攻○機動隊』のファンの方における、『絶望』と言っても過言では無い『悲しみ』のほどは、とても他人事とは思えませんわ」
メリーさん太「まさにうちの作者自身も、その『一員』だしな」
ちょい悪令嬢「──ええ、今回の訃報に対しては、心からお悔やみを申し上げさせていただきます。田中敦子様、これまで数多のアニメ作品における名演技の数々、誠にありがとうございました。どうぞ安らかにお眠りくださいませ」