第1867話、【哀悼小原乃梨子様】わたくし、日本声優界『温故知新』ですの☆
ちょい悪令嬢「──まず今回は、声優並びに舞台俳優であられた、小原乃梨子様の訃報に対して、心からお悔やみ申し上げさせていただきます」
メリーさん太「言わずと知れた、日本の声優界のレジェンドであり、国民的超人気アニメ『ドラ○もん』の主人公の野比の○太役を始めとして、様々な作品のメインキャラを好演されたことで、とみに有名であられました」
ちょい悪令嬢「本作の作者として個人的に印象深いのは、何と言ってもかの宮○駿監督の本格的初演出作品であり、現在におけるアニメ作品の殿堂たるN○Kにおける、記念すべき初アニメ作品でもある、『未来少年コ○ン』の主人公であるコ○ンの声を演じられたことであります」
メリーさん太「基本的に『野生児』でありながら、その一方で誰よりも『心優しい少年』であるコ○ンには、小原様の声こそがまさしく適任であり、彼女で無ければ宮○アニメ初の『主人公』は、あれ程アニメファンの皆様に受け容れられることは無かったでしょう」
ちょい悪令嬢「しかも、今でこそ小原様といえば『の○太』ですが、当時は『大人の女性』のキャラのほうが人気が高く、何と下手すると『無かったことになっている』初代アニメ版『ドラ○もん』においては、の○太の母親役の『野○玉子』を演じられておられるのですよ」
メリーさん太「むしろ当時としては、『ド○ンジョ様(ヤ○ターマン)』を始めとする、『タイムボ○ン』シリーズの『悪女』役のほうで有名だったしな」
ちょい悪令嬢「そんな彼女が、宮○アニメの運命を左右すると言っても過言では無い、第1発目の冒険活劇作品のヒーロー役に抜擢されたのも、かつて監督自身がメインスタッフとして参加した、『アルプスの少女ハ○ジ』のメインキャラにして、コ○ンと同世代の『ペ○ター』少年を演じられた縁ゆえでありましょう」
メリーさん太「そこでの『好演』が、宮○監督の印象に残ったのは、想像に難くないですよね」
ちょい悪令嬢「そもそも宮○さんて、声優さんにしろアニメーターにしろ、その人の『隠された本質』と言うものを的確に見抜いて、真に理想的な『適材適所』を実現してこられたんですよね」
メリーさん太「そうなんですよ! 同じく『未来少年コ○ン』においては言うまでも無く、やはり故人であられる永井一郎様の、一癖も二癖も有るトリックスターの『ダ○ス船長』への抜擢を忘れてはなりません!」
ちょい悪令嬢「令和の現時点においてもそうでしょうが、永井一郎様といえば、やはり国民的超人気アニメの『サ○エさん』における『波○さん』がすっかり板についておられて、そのような『頑固オヤジ』キャラ以外での配役でアニメに登場させることなんて、けして有り得ないと思われるほどでした」
メリーさん太「それをあっさりと、まったく真逆のキャラと言っていい、むちゃくちゃいい加減な性格のダ○ス船長を演じさせるなんて、永井様のイメージを崩壊させるも同然であり、所属事務所からクレームを突きつけられかねないほどですよね」
ちょい悪令嬢「とはいえ、下手すると、『もう波○みたいな頑固オヤジ役はうんざりだ』と思っていた(かも知れない)永井様にしてみれば、むしろ『渡りに船』そのもので、かえって活き活きと『海の男ダ○ス船長』を演じられておられたお姿が、今でも鮮明に記憶に刻まれております」
メリーさん太「彼はその後完全に『宮○組』の一員となられて、監督の初劇場作品の『カリ○ストロの城』では、やはり曲者キャラの『ジ○ドー』を、風の谷のナウ○カ』では『ミ○じい』を、『天空の城ラピ○タ』では『モウ○将軍』をと、どれもが印象深い役を演じておられました」
ちょい悪令嬢「後、納谷悟朗様(これまた故人)についても、やはり『カリ○ストロの城』において、彼自身の代表キャラである『銭○警部』のパブリックイメージを粉砕しかねないほどの、『男前』に演じられたのを切っ掛けとして、宮○監督の出世作とも言える『風の谷のナウ○カ』においても、『ユ○様』という非常に重要な『いぶし銀』キャラを演じていただいたんですよね」
メリーさん太「とにかく宮○監督ときたら、その声優さんの世間的評価なんか度外視して、本当に実力が有ると見込んだら、そのすべてをしゃぶり尽くそうとするし、真に実力の有る声優さんなら、『……この監督だったら、私の真の実力を引き出してくれるはずだ!』と、絶大なる信頼をもって応えてくれると言う、この上なき『良好なる関係』を築いてこられたんだよな」
ちょい悪令嬢「そんな宮○監督が、ここ数十年ずっと、プロの声優さんをほとんど使われないようになったのは、自分の要求するところに見合う、『真に実力を有する声優』がいなくなったと思われているとも見なせるので、むしろ声優さんたちこそ、一念発起すべきなんじゃ無いですかねえ?」
メリーさん太「それと言うのも、昔はアニメ作品の声優だけじゃ食べていけなかったから、舞台俳優とか洋画の吹き替えとかも兼任なされていて、今の『アイドル』的な専業声優よりも、当然のごとく『演技の幅が広かった』のだろうな」
ちょい悪令嬢「それこそ80年代以降の、空前のアニメブームにより、『アニメ専業』の声優さんばかりになったのは、実は『使う側』からしたら、『痛し痒し』なのかも知れませんねえ」
メリーさん太「もちろん、『使う側』が優秀であれば、それなりの成果は残せるんですけどね」
ちょい悪令嬢「その代表例が、『新世紀エヴ○ンゲリオン』の元祖TV版なんですが、そのセリフ収録の現場の有り様は今や伝説になってるほどで、それこそ声優さんの実力を搾り取るだけ搾り取ったそうです」
メリーさん太「……だけど、あれ程当時は人気者だったはずのキャストのうち、その後も各作品で大役を担われたのって、緒○恵美さんや林○めぐみさんや三○琴乃さんや山○宏一さんや石○彰さんや子○武人さんや清○元夢さんくらいなものってのが、何とも言えないよな(………いや、結構いるじゃんw)」
ちょい悪令嬢「やはり、小原様や永井様や納谷様の世代と、現在の声優さんとでは、一線を画していると言わざるを得ず、今回また超ベテランの『巨星』のお一人が身罷られたことは、非常に残念であると言わざるを得ないでしょう」
メリーさん太「──とはいえ、当【座談会】でもたびたびご紹介しているように、かつてのレジェンドたちにも負けない『プロ意識』をお持ちの声優さんも、けして少なくは無いんだけどな」
ちょい悪令嬢「ええ、その多芸さに本作の作者が心から舌を巻いている、雨○天氏を始めとして、ここ十年前後のアニメ界を牽引してこられた、もはやベテランの域に達しつつある、悠○碧氏や釘○理恵氏や能○麻美子氏や、それらに続く中堅どころの早○沙織氏や花○香菜氏や佐○綾音氏、そしてまだまだ新鋭ながらも既に人並みならぬ才覚を発揮しつつある、石○舞菜香氏や古○葵氏や羊○妃那氏等々と、現在の声優界も、けして捨てたものじゃありませんよ!」
メリーさん太「そして忘れてならないのが、『響け!ユーフ○ニアム』の主役のお二人! やはり多芸で各作品に引っ張りだこの、黒○ともよ氏は言うまでも無く、『ユーフ○』の高坂麗○から『荒○』の菅原新○に『リコ○コ』の錦木千○まで、それぞれにとんがった魅力で視聴者を虜にしてきた各ヒロインを、見事に演じられた安○知佳氏は、これからも要注目だぜ!」
ちょい悪令嬢「……『ユーフ○』アニメ版最終章には、まだまだ言いたいことが山ほど有りますが、キャストやスタッフの皆様が、業界においても超一流の方々ばかりであり、そんな皆様が(某重大事件の後遺症故に)過酷な状況において、全力を尽くされたことは十分承知しており、それぞれの演技にしろ作画にしろ、いいところは全力で評価していきたいかと存じます☆」
メリーさん太「とにかく、現在の声優さんも、アニメーターの皆様も、けしてかつての『レジェンド』たちに引けは取らないと思いますので、安易な流行なんかに流されること無く、常に『プロ意識』を持って全力を尽くされることを、心から期待しております♡」